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スタンフォードに行くのと、テキサスAアンドM大学に行くのでは、どちらが費用対効果が高いか?

こんにちは。アメリカ不動産投資家の中山道子です。

時々読者の方からお便りをもらいますが、皆さん、やはり教育熱心ですね。私も教育にはとても興味を持つタイプです。

なので、今日は、ちょっとした雑談?モード。不動産自体とは関係ないですが、「投資家的な観点から評価する学校教育」の費用対効果について。

実は、私の子供の学校にいるアメリカ人のお子さんの親御さんで、テキサスAアンドM大学の先生をしている方がいます。サバティカルで、こちらの大学に研究に来ており、「いい経験」ということで、半年間、うちの学校に、お子さんを、留学させているわけです。二人とも、うちの子より年上で、よく遊んでくれるので、我が家にも何度も来てもらい、ご両親とも、仲良くなりました。

私も、別段、アメリカの学校事情には詳しくないのですが、テキサスAアンドMというのは、カレッジステーションという田舎(失礼)都市にある、”ウルトラお値打ち大学ナンバーワン”と評される州立大学なのです。

どれくらいお値打ちかというと、州立大学=私立に比べ、学費が安いのに、ウオールストリートジャーナルの2010年の「就職リクルーターが好きな大学ランキングトップ2」にランクインしたほど。

これは、全米トップ100の大学を選出したのち、その中から、リクルーターたちに、いろいろアンケートをしたもので、実際、トップの人気大学は、実は、みんな、州立大学だったというのですから、親としては、あせりますね?

1位 ”ペンステート”。ペンシルバニア州立大学
2位 テキサスA&M
3位 イリノイ大学アーバナ・シャンペン校
4位 パーデュー大学 (インディアナ州立)
5位 アリゾナ州立大学

これはどうしてか?

アイビーリーガーのほうが、期待給も高いだろうし、実際、数年で離職する可能性が高いといった統計もあるそうで、何らかの理由で、リクルーター、つまり、企業側にとっては、使い勝手が悪いのでしょうね。


もちろん、新卒時に、求人側の都合のよい人材になることだけが、人生の目標ではありません。

しかし、この前、ヤフーファイナンスに紹介されていた「学校教師は億万長者(The Millionaire Teacher)」の著者、Andrew Hallam氏のブログで知ったのですが、1976年から、こうした州立大学の卒業生と、アイビーリーグの卒業生の年収を長期的にトラッキングする研究というのがあって、それらの結果によると、

■1976年の卒業生の年収平均を比べると、1995年までに、イエール大学卒は、30%の年収高。
■ただ、この調査だけでは、その人間の能力の違いと学歴の違いとのどちらかが統計的に意味があったかわからない
■そこで、次に、イエール大学卒の平均年収を、「アイビーリーグに入学できる学力があったのに州立大学に行った人材」のそれと比べると、実は、収入差がなかった

という結果だったというのです。

これだと、本人の能力が同じである場合は、有名校に行って、高い学費を払うより、お値打ちの学校を選んで、支出の差額を惜しんだほうが、生涯的にたまるお金は、多くなるということになるわけですね。

連邦統計局の調査によると、米国では、大学卒のほうが、高卒より、年収は倍らしいので、

■大学に行くこと自体は、大切。但し、行くことのほうが、どこの大学に行くかより重要

だというのが、これらの調査の結果だというわけ。

これを前提に、ハラム氏がブログで書いているところによると


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ハラム先生は、自分が教えているシンガポールのインターナショナルスクールで、opportunity cost (機会喪失のコスト。Aをやると、Bができなくなるが、そのことにより生じるロスを計算すること)について考える機会を作ってみました。

スタンフォードに行くのと、テキサスA&M州立大学に行くのでは、どちらが得か?

今の学費で、スタンフォードを卒業するまでに、22万ドルがかかるとすると、他方で、テキサスA&Mは、86,980ドルで卒業できる。(これは、2011-12年時の学費だけの計算のようですね。但し、州民扱いであれば、テキサスA&M大学の学費は、この半分以下になります。学費だけを計算に入れて比較している理由としては、生活費は、両方、同じくらいかかるという想定をしているのでしょうね。実際には、本代もけっこうな支出になることを、お忘れにならないで、、、)

さて、クラスの生徒たちは、初任給や就業後の中堅時収入の中位値の差なども計算にいれ、結果を出してみたのだが、その結果は、、、後者のほうが効率がよかった。

「学費は親が払うんだから」と反論するクラスに対し、億万長者先生は、「じゃあ、親御さんが、君たちが、22歳のときに、この二つの学校の費用の差額をイキナリ手渡してくれて、それを、君たちが、投資できたとしたらどうかな?」と爆弾発言。

22歳で、13万4,000ドルの資金を元に、インデックスファンドへの投資を継続的に行い、数十年のサイクルの間に、年率8%を計上できたとしたら、その子供は、65歳になった段階で、360万ドルを手にすることができるというわけです。

こうなると、アイビーリーガーたちは、普通の稼ぎでは、州立大学卒の同胞たちに対して、まったく歯が立たないという結果となるのでありました、、、


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私の愛読書、《隣の億万長者》の著者らによる億万長者調査によっても、アメリカのお金持ちは、統計的に、「たたき上げ」が多く、車は古いフォードやトヨタ、時計はタイメックスで、スーツはつるしといった人が圧倒的。職業的に見ると、

■ビジネスオーナーが圧倒的

しかもこれは、株式公開を果たした会社のオーナーとかではなく、通常は、スモールビジネス、つまり、いわば、自営業者の集団だということ。

統計的に見ると、本来高収入の医者や、弁護士が億万長者になれる比率よりは、学校の先生のほうが、お金を残せる確率がずっと高いんだそうで、その理由は、確か、以下のようなことではないかと分析されていたと記憶しています。

■学校の先生は体面を気にしなくてよい、ジーンズが仕事着でOK
■高級車を買って、素敵なレストランに行って豪遊するようなライフスタイルがない
■頭がいいし、勉強熱心で本やネットからの情報収集に長けている

=> こつこつ貯蓄できる、それをほとんど投資にまわせる。

実際、このハラム先生も、若いときは、アパートを借りるのがいやで、お金持ちの別荘を、シーズンオフの冬の間に留守番をするアルバイトをしていたとか、車を買うのをケチって、毎日学校に自転車通勤していたので、同僚たちに同情されていたとか、ご本には、武勇伝が満載。

大学はもちろん、自分でアルバイトして学費を稼ぎ出し、教育ローンも、早々に返した後は、投資につぐ投資で、現在まで来たそうです。



若いときの刻苦勉励は、実は、米国のmillionaireたちの共通の特徴のひとつだそうで、親から相続するような人は、実際には意味のある額のお金をためられていないと言うのが、ミリオネア調査の統計的結果。

そうなると、まずは、自分自身が、資産形成を目指し、それに成功したとして、お金ができたからといっても、お子さんにも、自分同様、成功してもらいたい場合は、これらの研究の成果によると、若いときに、あまり高級な学校に入れたり、お金を上げたりすることは、お勧めといえない、実際、「隣の億万長者」の多数は、確かに大卒だったが、教師タイプのミリオネアを例外として、通常、成績がよくない人のほうがむしろ多かった、とまで評価されているわけですから、人生は複雑ですね。いや、面白いというべきか。

普通のサラリーに基づいて、一世代で資産を作るというのも、大変な努力が必要なわけですが、その上に、次世代を、同様に、money savvy (お金に賢明)に育てるというのは、また異なった頭の使い方が必要なようです。

米語では、有名大学のことを、name school といいます。私も、米国では、アイビーリーグの大学院に行きましたが、周囲には、社会に出る前からセラピストや睡眠薬を必要とし、教育ローンやクレジットカードローンの残高額は、BMWやポルシェが買える額、といった人がざらでした。

その上で、やりたいことをやる前に、借金返済のために、年季奉公さながら、高給を払ってくれる仕事に人気が、集中したり、ウオールストリートが、そういう人たちであふれかえったりとなるとしたら、人生設計、社会に対する影響力は、壊滅的になりかねません(いいすぎ?)。

しかも、イマドキのご時勢ともなると、高給のために、嫌われる仕事をするというのはいいほうで、ハーバードを卒業しても、仕事がない人も、当然います。アメリカ版「ロスジェネ」世代の自分探しの過程について言及するNYタイムズの2011年の記事は、こちらから。


いかがでしょうか。こう考えると、子育て、子供の教育にも、”効率”、”費用対効果”を元に、丁寧に計画を立てていくこと、

■自分自身の老後のみならず、子ども自身のためにも、子供は、公立等低コスト志向で育てる

という”億万長者道”が成立するのかも、、、「崖から子供を突き落とす獅子」ですね。。。汗


ちなみに、引き続き、テキサスA&M大学ネタで引っ張ると、この大学があるカレッジステーションという都市は、大学町なため、一部、公立なのに、教育レベルが恐ろしく高い学校があるそうで、件のご家庭のお嬢さんによると、彼女の行っているその学校では、高校生は、夜中の12時まで、1日5時間くらいの勉強は、当たり前なんだそう。トップ3%だかの学生は、推薦で、テキサスA&M大学に進学できるため、みんな、血眼だということですからびっくり。

米国居住者や移民者様、転居や転職を、お考えになられるのなら、こういった、

1)公立教育のレベルの高いところだけど、
2)マイナーな地方都市

を選ぶことで、総合的な世帯支出を減らし、満足のいく教育をお子さんに受けさせることが、可能になるかも知れません。日本人が好むハワイなんかは、ライフスタイルや起業には、いいかもしれませんが、この点、「学校は、私立を選んだほうが無難」ということで、子供が小さくても、総合的な生活費が高くなるタイプの都市ナンバーワンなんですよね。(いや、ロスやNYとかと比べてどうかはわかりませんが、、、)


注 ただし、この場合、お子さんが、”テキサン”になってしまい、蛇皮のブーツを常用するようになっても、運命と受け入れましょう、、、笑。これがいやな場合は、上のリストに掲載されている、他のいくつかの州立大学お膝元のほか、”わが地元”、中西部のプアマンズハーバードとも呼ばれる、ミシガン州立大学アナーバー校(就職好感度ランキング6位)なんかも、とっても、お勧めですぜ、、、


■参考資料■

より一般的?な大規模統計としては、ブルームバーグのウエブサイトに計上されているものがあります。これによると、やはり、エリート校の地位が圧倒的に高いですが、これは、優秀な学生がエリート校に集中するため、「同じレベルの学力の人間同士」を比べるものとはなっていないということかと思います。

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