年収1,000万でも、イマドキは、不動産融資が通らないわけ
昨日、子供の体操教室を見学していたら、アメリカから、お電話がかかってきました。私のアメリカのIPフォンは、日本の携帯に転送されるようになっているのです。カルフォルニアの知り合いの不動産業者さんからのご紹介で、私のアメリカの電話にかけてくださったということでした。今、サンフランシスコから、ということで、10分ほど、お話をさせていただきましたところ、、、
その方は、対カルフォルニア投資をそれなりに進めておいでの方らしく、すでに、2件、アメリカに不動産をお持ちだということです。今度、三軒目が買いたいけれど、アメリカでは、融資がもう付かないので、私の扱っている香港の銀行の多通貨ローンについて、お問い合わせを、されてきたのです。
大変申し訳ないながら、現在の多通貨ローン/円ローンは、商品として、お勧めできるようなものではなくなっています。条件自体、アメリカの融資より悪いといっていいと思います。
例えば、物件の最低購入価格は、40万ドル。そして、カルフォルニアの場合は、頭金は、50%。
カルフォルニアだから、40万を越える物件かと思いましたが、その方が現在買おうとしているのは、35万ドルの物件だということで、ショートセールの区分所有かなにかなのでしょう。その時点ですでにアウトなのですが、その方は、何とか、融資が付く方法がないか、熱心にお問い合わせをしてくださいます。
頭金が、50%でも、物件がほしいようでしたが、しかし、現在、融資の条件は、悪いだけでなく、融資基準にも、大変、制限があるのです。
お話から、
■年収1,000万
■対米投資2軒
ということがわかりました。2年前の感覚から言うと、「すごいな!」という感じですが、今ドキの感覚からすると、
それだけで、もう、NGなんです、、、
でも、投資自体は、うまく回っているのでしょう。すばらしいことですが、今の金融機関の常識は、2年前とは100%変わってしまっています。
そのほか、ご両親の与信力を使えますか、というご質問もありましたが、香港のローンの場合、
■年齢が進んでいる方の場合、返済期限が、70歳で、現状、最近は、金利のみ返済が、ほとんど、認められにくい現状がある
■日本と違い、年金生活者では、所得審査が追いつかない
といった状況があり、書類を見せていただくまでもありませんでした。
「トライするのもだめなのですか?」名残惜しそうにしているその方には、仕方なく、現在のrule of thumb(大体の目安)として、
■年収3,000万以上
■貯蓄3,000万以上
■他の負債なし
といったレベルなら、頭金50%で、金利のみ融資が付くと思います。これより、所得水準が低く、自宅ローンがあったりだと、元本返済も要求されますが、この方自身、お声や、状況から考えて、30歳前後にはなっているだろうと思いますので、そうすると、ご両親も、60歳近くになっている可能性が高く、通常、シニアの年齢では、所得は、低めに抑えている方が多く、所得が高い方がいても、不動産レバレッジが相当かかっていることが通常なので、ご両親も、この銀行の融資のよい候補にはなりにくいのです。といった”ぶっちゃけのお話”を、せざるを得ませんでした。
多分、こういう融資基準の目安を、ブログに書くのは、さらにNGだと思いますが、日本語なので、ごまかせるかと、、、汗
10分間のやり取りで、このご一家の状況だと、元本返済をOKしても、融資自体が、通らないと思います、と申し上げ、電話を切らざるを得ませんでした。
物件がほしい方って、結構、切実。
「アメリカの銀行で他の物件の融資を受けていることを隠しても、わかってしまうのですか」って、それ、私にどういう要求をされているのでしょうか、、、大汗
アメリカの融資焦げ付き問題では、”低所得者層向け組織的落とし込み”が問題になりましたが、顧客層も、ある意味、”書類操作でなんとかできるんでしょ!それが、あんたの仕事なんじゃないの?よくわかんないけど、なんとデモしておいてよ!”と思っていることって、ありました。この高額所得者様は、この2年間、新聞やテレビ報道などは、見聞きされたりは、してきたのでしょうか、、、><
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念のため、手広くやっている知り合いのアメリカ人ローンオフィサーに、このご一家のプロフィールについて、電話で確認の問い合わせをしましたが、現在、やはり、難しいだろうということでした。
この方は、すでに、融資を2軒受けているから、それで、米銀がNGになったと思っていたようですが、そうではなく、一律、外国人融資が、だめになっているのです。
他のオプションは?彼に聞いてみると、
HARD MONEY LENDERかな?
との、お答えが、、、
そう、金利12-14%の高金利業者(日本のサラ金のようなもの)であれば、頭金を50%もつぎ込めば、貸してくれるかも、ということでした。
クレジットカードなどで、数百万なら、審査なしで、キャッシング出来たりしますが、いろいろカードを作って、1,700万を引き出すようなことまでは、やはり、されないほうが、いいかと、、、但し、短期転売ストラテジーを用いるアメリカ人は、こういうことを、日常的にやります。ロバート・アレンの教科書にも最初に書いてある例だったりしまして、、、
年収1,000万、貯蓄2,000万の方の熱心なお問い合わせにすげないお答えをして、こちらから、電話を切ってしまわざるを得ない、申し訳なくも、悲しい、中山道子なのでした。
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