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対米投資歴10年超の素人さんはまずいです お問い合わせ編

こんなブログをやっていると、ヘルプを求める相談の声を頂戴することがあります。結論から言うと、大体お手伝いできないので、冷たいようですが、その旨、お断りに書いてあります。

これは、なぜかというと、赤の他人なんかに相談するレベルまで至っている場合は、結局はご本人が、損を出すことに納得できないと、どうにもできないケースが圧倒的なのです。

しかし、「冷静な第三者」から、メール一本で、「損切りするケースです」なんていわれても、皆さん、感情が受け入れられません。

こういう役回りを、英語で、bearer/messenger of bad news【悪いニュースの伝え手】といいます。

Shoot the messenger というと、「ニュースを伝えてきただけの連絡係に、逆上して、撃ち殺す」という昔ながらの戦のさまを形容する言葉で、シェークスピアにも出てくるそうですが、現代でも、演じても、感謝されるどころか、逆恨みされる役回りというのはあるものなのでは、ないでしょうか、、

大体、皆さん、最初のメールでは、細かい話をされませんが、お名前と、投資先の都市名だけで、3分もあれば、どういう事情か、大体わかってしまうケースもあります【PCセミナーでやります】。

ある都市について、相談が何件も集中する例なんかは、その昔、そこに、日本のデベが出張って行ったことがあるため。最近では、その都市名で「今持っているコンドを売りたいのだが」という相談が来ただけで、ピンときます。

何人もの方に聞かれるので、一度、きちんと調べたことがありますが、そのデベロッパーは、現地に会社を作り、地元の別の会社と提携して、自社案件を分譲した上、管理も、担当しています。1990年代のことのようです。

その後は、新規開発はあまりされていないようですが、自社の保有ユニットも多数あり、物件管理やオーナーへの報告、家賃入金自体はチャンとされています。歴史もある会社さんで、現場で多少いきすぎがあったかまではわかりませんが、長期的に見れば、責任を持ってことにあたられているように感じます。

本来、アメリカのバブルは、2000年からなのですから、1990年代のエントリーといえば、「すごい先見の明」で、オーナー様には、「不動産バブルの倍々ゲーム」を実現してあげられる可能性がなくもなかったかも。

しかし、どうやら、これらの物件群は、何らかの理由で、バブルにはまったく乗れず、一部の物件は、家賃がどんどん下がるだけだったりもすると聞いています。そうなると、オーナー様にとっては、「あの投資は、最後にはどうなるのだろうか」「15年といった年月がたっているのだから、そろそろ、売却して投資額を回収したり、なにか、考えないといけないのかな」と不安になる場合もあるよう。

実は、その会社の開発した案件の1つを、現地の知り合いのレアルターさんに、わざわざ、見に行ってもらったりもしてあげましたが、「初めてこの都市に来た人が、free move in【入居無料】につられて2週間単位で入居するような、寂れたfurnished apartments【家具付アパート】として経営されています」ということでした【その会社のすべての案件を私は掌握していませんので、これは、一例だけかもしれません】。

日本のデベが開発・分譲に携わったため、オーナーは、すべて、今でも日本人の名前で、いずれも、転売歴なし。韓国系の名前が垣間見られるのも、在日の方なのでしょう。一部の物件で、未売却のデベ所有ユニットが多いのは、ひょっとして、その当時は、回収計画倒れだったのでは、、、

このように、まったく転売歴がない所を見ると、登記は、各人の名前ですが、本当に、各ユニットが、一般流通、分譲可能なのか自体が、不明です。いずれにせよ、今は、特に、どこを向いても景気が悪いですから、多分、エグジットは、デベに買い上げてもらうことだけでしょう。

今日も、そのデベから、当時、投資案件を買われた方から、「○×と申します。△都市に持っているコンドミニアムの売却を手伝ってくれませんか」という、短いお問い合わせがありました。

サーチすると、この方の物件がわかります。売主が、この会社の現地法人だったので、直ちに、上の状況だなとピーンときました。

なので、私も、すぐに、「エグジットしたければ、デベに言い値で買い取ってもらうしかありません」とお答えしました。この会社の手がけたものは、いくつか、見ましたが、どの建物も、一度も一般仲介に出た歴史がないものばかりでしたから、多分権利関係上、それが許されない契約書になっているのでしょう。当然、そこを確認するために、「契約書を読んであげますから」なんていうことを、申し出る立場にはありませんが、、、

それにしても、私にとって不思議なのは、こうしたオーナー様の態度です。

今日のメールの問い合わせ者様も、2度目のメールでは、

******
お察しのとおり★★★提携の物件です。
海外不動産の事情につきてはほとんど知識がない素人です。
******

ということでしたが、登記上は、1991年からのオーナー様です。大変きついいい方で、恐縮ですが、18年にわたり、「素人」を続けられる神経が、私には、実は、わかりません。

特に、ここ5年くらいといえば、「ハワイで家を買おう」といったレアルターさんやコンサルタントさんたちが書かれた日本語の対米不動産関係の本が、書店で、山積みされています。賃貸フェアだって、海外投資セミナー枠が、当然のように、設けられているし、別段、地元を離れなくたって、近くの図書館で、関連資料は、数冊くらいは、当然、手に入るだろうに、、、

いや、そもそも、契約書を締結したときには、なにか、説明があったはず。このご時世にも、ちゃんと営業しているデベロッパー様なのですから、法務部に問い合わせをしたり、あるいは、それが、だめそうなら、契約書を、第三者の専門家に読んでもらうことも、できるはずです。

「どうして、第三者には売れないのでしょうか?」と再度聞いてきたこの方にも、「その理由は、この会社の開発物件は、一般仲介には回せない案件のように見受けられる節があるからです。なので、素人さんが、容易にエグジットしたいのであれば、会社に、言い値で引き取ってもらうのが一番現実的だと思うのです」とのお返事を再度行い、「参考になりました。ありがとうございます」というご丁寧なご連絡をいただきました。

しかし、お礼の返事をよこしたこの方なんかは、相当な人格者で、普通なら、「相談に乗ってくれ」というメールに対し、イキナリこういった返事が返ってきたら、私に対して、むかっ腹が立つだろうと私だって思います。

しかし、実際、ゆっくり、時間を取ってあげて、コンサルをしてあげても、結論は変わりません。

文中にも、いいましたが、これは、やっぱり、ご自分が悪いのです。

デベロッパーに相談をして、「二束三文でしか買い取れない」といわれて【あるいは、ごまかされただけか?】、初めて、あわてて、ネットサーチをしたりして、「誰かにもっと高く売る手伝いをしてもらえないかな」と思われるのでしょうが、虫が良すぎます。

このデベは、IRSに対する税金の申告まで、丸抱えでやってあげているのだということも、過去のご相談から、私は知っています。このオーナー様は、本当に送金と報告書を受け取るだけで、自分の投資案件がどんな内容なのか、まったく理解していません。

逆に、こういう方は、どういう神経なのかと、第三者の私は、このデベの現況には、多少同情をする気持ちまで持ち始めている位です。もちろん、本筋としていえば、本当は、こういうナイーブな方に、海外投資なんていう話を、押し売り営業をしたという当初の罪は、大変重いのではないかと思いますが、今の経営陣も、そのことは、重々、承知していることでしょうから、、、

アメリカでは、商業物件管理は、日本のように、「最初作った状態のまま、ずっと最後まで、管理していくだけ」といったものではなく、経済の動向を見ながら、改装や登記変更などで、資産価値を高めていったり、場合によったら売却したりと、臨機応変に経営していくことが、可能でもあり、必要なのだろうと思うですが、ここの細かいアメリカ式ノウハウを、日本本社は、やはり、身につけられていないのでしょう。そもそも、個別ユニットのオーナーに中古転売というエグジットを用意していないところ自体が、「どうせ、中古物件には、そんなことは、無理さ」という、成熟した中古市場というコンセプトを知らなかっただろう、「当時の日本式常識」から入ったからだったのか、、、

いずれにせよ、このケースでは、デベの本音は、「10万くらいなら、引き取る、、、」といった程度ではないでしょうか。そうしないと、「われも、われも」で、資金繰りがショートするでしょう。

当時は、皆さん、1,000万弱くらいからの出資だったはずですが、ずっと家賃でもらってきたのですから、その状態ができるだけ長く続くのを待ち、最後に向こうから何か言ってくるのを待つしか、案がなさそうに思います。別の方からは、当初は利回りが5%位だったと聞いていますので、この方の場合は、元本は、半分以上、回収が進んでいるはずです。

この間、「もっといい手はあった」かもはしれませんが【この市場で、普通に、1990年代に、こういった価格帯の一般仲介の中古案件を買って、数年前に売却するということができていれば、家賃収入どころか、キャピタルゲイン税にうれしい悲鳴を上げたはず】、他方では、現在でも売主は、誠実に物件管理をしているのですから、別段、ひどい目にあったというような話でも、ありません。

こういうことを、このように、「第三者的に、後から、”上から目線”でいわれてしまうと」、大変ショックだろうと思いますが【でも、私だって、初級投資家だったとき以来の自らの間違いやポカを、おおっぴらに公開していて、同じようなものなのですが】、残念ながら、時間の経過だけは、元に戻すことができません。

私が、既存投資案件について、bearer of bad newsになりたくない気持ち、わかっていただけましたか?そして、私自身が、投資家教育の重要性を強調する理由も、、、

ちなみに、相談者様の中には、「匿名でも、自分のことは、お前のねたにするな」というご注意書きがある場合があります。これも、無料相談希望者としては、虫のいい話で、お互いの失敗経験を共有することに、このブログの意味があると、私は思っていますが、私の非営利団体に3万くらいもご寄付をしていただけるのであれば、たいがいの買収話に、応じさせていただきます。m(_"_)m


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