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年換算利回り12%の短期融資機会Inイリノイ州 MY物件

2014年3月追記:
この物件に対しては、2012年4月16日に9万ドルを融資し、90,000 x .12 = 10,800 / 365 = $29.59 per day x 378 days of loan. という計算で、2013年5月2日に、101,125.48ドルの返済がありました。
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この前、私自身がシカゴで行った短期投資案件のご紹介をして見ます。

シカゴで、フィックスアップをしている投資家仲間への短期融資です。

下の一軒家ですが、この現地パートナーが、6万ドル・現状有姿("as-is condition")で、銀行からの格安購入に成功しました。

具体的なプロセスは、大変地味なもので、ターゲットエリアで、毎日何百もの物件を確認し、low ball(低い指値)オファーを出していく。その繰り返しです。

単にMLSで見るだけの物件への入札だと、銀行とのコネがないため、個別交渉に持ち込みにくいので、この際に、ローン返済に苦しんでいる滞納オーナーと、実際に、やり取りをできる場合は、銀行と交渉をする権利が得られたりもします。

そのため、パートナーは、現地にて、頻繁に、こうした滞納オーナーと打ち合わせや連絡も欠かしません。

一般に、現在、現状有姿物の中でも、比較的状態がよい物件というのは、多くの人に手が出しやすく、実需(実際に住む場合。米国では、first time home buyer という言い方をします)の方などに、優先的にまわりがち。

というのも、現在の銀行の物件処分ポリシーにおいては、「再度、エリアを荒廃させる危険を最小化するため、実際にその物件に住む方々のビッドを優先させる」という方針がはっきりしているのです。一般的に、実需のほうがローンにデフォルトしにくいですし、ローン自体も出やすいですね。ということで、具体的にいうと、最初の入札期間は、投資家は入札できないという制約があったりもします。

そのため、プロの業者の彼が追求するのは、「ディープな修理物」。普通のワーキングの家族が、引っ越して住むことなど到底ありえないようなレベルまで「だめだめ」になってしまっている物件が、一番、競争なく、低価格で購入できるというわけです。

ねらい目は、たとえば、「カビ(mold)が出ている物件」。カビは健康被害のもとですので、「壁の塗り替え位はお手の物さ!キッチンだって、自分たちで週末にやっちゃうよ」というアメリカンな節約DIY家族であってすらも、子供を、そのような物件に入居させながら、気長に修理するというようなことは、さすがに難しい。

なので、浸水もの、カビ問題が出ている物件は、特に銀行に対し、ローボールオファー(極端に低い指値)をしても、「他にオファーがない」ため、それが通りやすい状態なのだそうです。


ということで、私が融資したのが、シカゴにある下の一軒家。

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Kitchen.JPG

彼からの物件一式資料をもらい、かいつまんで説明すると、


■6万ドルで落札が決まり
■修理代を3、4万ドルと見積もり
■エグジットは、1年以内目標だが、更新は、最大6ヶ月


という計画で、9万ドルの融資をしました。利回りは、APR12%固定で、借りた日にちだけについての約束、彼が修理が終わって売却できたら、当方事情にかかわらず、ペナルティなしの繰上げ返済です。

こういうお話をすると、必ず、皆さんは、

「相手は、どうして、こんな高金利でのプライベート融資を受けるのですか?」

と聞いてこられます。

これには、確かに、背景説明が必要かもしれません。

一般にビジネスというのは、実績を積めば、比較的潤沢な銀行融資を、もっとずっと低金利で、貸付を受けられる場合が多いわけですよね。900万程度の資金がないとは、よほど”怪しい相手”なのでしょうか?

ところが、実際には、米国では、不動産の中でも、短期転売(FLIP)というのは、どちらかというと、「やばい」商売のひとつと思われています。資格も要りませんし、参入障壁も低い反面、売却で利益をコンスタントに出すのは、難しく、1度成功したとしても、次回は、成功するとは限らない焼畑型の投資方法。場合によったら、それなりに余裕がある業者が、ロスの場合も飲み込んで総合的に営業するといった必要もある荒っぽい商売で、管理会社のように安定しない可能性があるわけです。

そのため、転売を目的とした不動産業で、銀行融資を潤沢に借り起こすというのは、ある程度実績がある業者であっても、この情勢では、それほど現実味がある戦術ではありません。(日本でも、多少、そういう傾向があるかもしれませんね)

ということで、銀行融資がまったくでないわけではないのですが、こういう小規模事業主のFLIP投資案件は、通常、物件ごとの個別審査に基づいてとなり、そうなると、下のようなの悩みも生じてくるわけです。

■スピード。
審査の結果がどれほど早く帰ってくるかで、物件が出てきてからの各種書類提出が苦しい場合。格安オファーに返事が来たら、通常は、キャッシュで「3週間で決済する」ことを要求されています。それが実現できない場合、信用を落としますから、周囲は、その後は、ディールを回してくれなくなります。

■件数。
ひとつの銀行で、例えば、3件の転売用資金への融資、合計3,000万から5,000万の融資が通ったとしたら、融資総額にロックがかかります。それに対して、それらを返済するまでには、半年から最大1年の期間がかかることが予想されます。それに対して、翌月に、4件目、5件目が次々出てきても、元手がなければ、それをみすみす逃すことになります。

つまり、このビジネスは、(他の多くのビジネス同様に)リターンも大きい反面、回転資金があるものの勝ち。それにあたり、不動産投資関係で、フリップをする投資家は、一番銀行に信用がないというジレンマがあり、熟練投資家には「儲かるとわかっているのに元手が足りない」という場合が、ありえます。

そういう状況において、信頼関係の中で、投資案件情報を短期間で確認し、簡略に融資にOKするという定型的な連携を組める相手を作ることには、多少コストがかかっても、こうした人たちにも、大きなメリットがあるというわけです。

ということで、5年越しのこのシカゴのパートナーへの去年の私の融資例を、再度、具体的にご説明しますと、


■2012年4月末に、9万ドルを送金
■決済を経て、定期的に修理情報を報告してもらい
■長引きましたが、この4月末に、物件は、17万ドル弱で実需希望者に売却でき
■90,000 x .12 = 10,800 / 365 = $29.59 per day x 378 days of loan.という計算で101,125.48


を返金を受けました。(当方銀行手数料は当方負担となりました)

エリア的に、修理後の物件が、15万ドルから20万ドルで売却されている履歴が確認できることを前提にパートナーは大きな利益幅を生み出していたので、お互い、ある程度、安心できていたと思います。

実際には、もっと早くエグジットできるはずでしたが、この物件は、修理するための建築許可(building permits)を取る段取りにてこずり、これだけの期間がかかりました。そのため、彼の「お金を借りるコスト」や「保険などのキャリイング・コスト」は倍増したわけですが、こうした突発的な問題にも対応するために、彼は、利益幅が相当大きいものばかりを厳選しているわけです。

それにあたっての当方の担保は、物件に対する第一抵当権でした。イリノイの場合、ネットで、抵当権登録も確認できます。

細かくいえば、仲間内の取引ですので、弁護士は使いましたが、手続きは簡略に行いました。

お値打ちでの購入とはいえ、6万ドルで買う物件に、あらかじめ9万ドルの抵当権をつけても、相手が資金を投入して、修理を進めてくれるまでは、担保物件にはその価値がないものといえます。(最終的には売却額の鑑定がちゃんと帰ってきました)

なので、この点ひとつをとっても、こうした融資は、ある程度、信頼関係や、相手のビジネスへの背景知識はもちろんのこと、さらには、相手に対する信頼だけではなく、独自のデューディリジェンス確認能力や、万が一のときに弁護士に相談をする準備があって始めて成立する話ですので、この記事だけを読んで、「背景を知らない相手と、細かい知識なく、こういう取引はしないでください」とも、付け加えたいと思います。

当方のこのタイプの投資機会に興味がある場合は、ご連絡ください。


修理後の写真

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