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デトロイトの荒廃 日経新聞2007年9月30日掲載記事から

「サブプライム」で破綻 米の街

と題した2007年9月30日の日経新聞の記事を、お客さんが見せてくれました。
「恐ろしいところに、投資をされているんですね、、、」とおっしゃって、、、

記事のPDFは、こちらから。

記事掲載↓

住宅ローンを返せず、差し押さえられたマイホームが競売物件として並ぶ“街並み”が米国で広がっている。

信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の焦げ付きが増え、家を手放す人が相次ぐためだ。融資審査が甘く、住宅の値上がりを期待した借り手も多いが、地域住民らは「空き家の増加はコミュニティーの治安悪化を招く」と不安顔だ。

ミシガン州デトロイト。ダウンタウン周辺の住宅街に「競売物件」の紙が張られた一軒家や窓にベニヤ板が打ち付けられた空き家が数軒おきに続いている。住民の多くは黒人の低所得者層だ。

この地域に住むデボラ・トーマスさん(52)は一時、家を失う瀬戸際に立った。念願のマイホームを購入したのは二〇〇四年春。米国は住宅ブームのさなかで、住宅価格の上昇が続いていた。

ローン会社の勧めで最初二年の金利は年数%の据え置きで、それ以降変動制に移行する典型的なサブプライムローンを契約。担当者は「金利が上がっても、(住宅価格上昇分を担保に)低金利に借り換えできる。心配はない」と後押しした。

「周囲に麻薬の売人が出没する借家を出て、孫に家を残したかった」と購入に踏み切ったが、住宅価格の上昇が鈍化したことも影響し、借り換えに失敗。ローン返済は月額五百八十七ドル(約六万八千円)から千百ドルに倍増したという。

支払いが滞ると、差し押さえを警告する手紙や電話が舞い込むように。支援団体の「ACORN」(ニューオーリンズ)に相談し、ローン会社との交渉で金利を下げてもらうことに成功した。

〇四―〇五年に貸し出し競争が起きたサブプライム。途中から金利が跳ね上がることがわかっていたのに、多くの人が借りたのは不動産価格の上昇を信じていたからだ。ACORNの相談員、ライアン・ウエーバーさん(28)は「支払い能力も確かめず、十分な説明のない融資が横行した」。

トーマスさんも「借りる時はリスクの説明など全くなく、分厚い書類にサインすればいい、と言われた」と振り返る。

不動産業者によると、デトロイト都市圏の一月から七月までの差し押さえは約二万九千件。二十九軒に一軒の割合は、全米二位の高率だ。全米では今後、約二百二十万世帯に膨らむとの試算もあり、ウエーバーさんは「空き家が犯罪の温床になり、周辺の価格がさらに下落する悪循環が起きている」と懸念する。

ACORNの調査では、サブプライム利用割合は白人の二〇・四%に対し、黒人五五・三%、ヒスパニックは四六・六%。「通常ローンを借りる資格があるのにサブプライムを適用される例もある」といい、米住宅都市開発省は差別的融資が行われている可能性があるとして調査を始めた。

政府はローンの保証制度見直しなど救済策を打ち出すが、借り手の「自己責任」を問う批判もあり、公的な支援に反対する声も多い。

解決の糸口が見えないなか“破綻”は続く。ケンタッキー州の会社員、ポーラ・アーノルドさん(44)は自宅が差し押さえられた。「クリスマスは家で迎えたい」との願いをよそに、現実は「落札が先か、それより前に借り換え先が見つかるか」と心揺れる毎日だ。

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