ハムリンフィスチュラグループ50周年記念レクチャーズ、、、2009年の抱負 非営利編
去年は、セミナー準備や物件管理体制作りで、仕事上は、怒涛のような一年でした。今年も、別段、そうした作業をまったくしないわけではありませんが(特に物件管理体制)、しかし、隔週で新しいセミナーのプレゼンテーションを作っていた去年と比べ、だいぶ楽になりました。
一部は、自分自身にとってのインプットの年と位置づけ、勉強のため、よそのセミナーに出たりしていますが、充電も十分ということで、遅まきながら、「2009年の抱負」を掲げさせていただきます。
それは、私の非営利のほうの活動で、年末に向けて、行うことになる予定の母団体50周年記念事業です。
昔から、人並みには、公益事業や政治などに興味は持っていたつもりですが、若いときは、自分の利益追求と、こうした公益(public interest)関連活動というのは、そう反すると思い込んでいたし、対立があれば、必ず、「私」を優先していました。
散在や貯蓄はするくせに、寄付を募られれば、100円、1,000円をケチる。理念的に興味を持ちながら、余裕があれば、遊びに行ってしまい、実際に、活動に従事する時間は、作らない。職業選択などでも、こうしたエリアにおいて、真剣に骨を折るような種類の仕事は、検討したこともありません。
話は変わりますが、この前、DVD視聴会をやったとき、参加者の方から、「アメリカ人なんかは、日本人よりよくボランティア活動に協力しますが、どうしてなのでしょうかね?」といった趣旨のご質問というか、意見がありました。
確かにアメリカ式のget rich的な本を読んでいると、「若いときから寄付はしないとだめだ」といったことが、「成功の方程式」の一環として、書いてあります。
そのときは、確か、通り一遍の意見を述べました。
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キリスト教、ユダヤ教、イスラム教など、主たる世界宗教は、大体、収入の10分の1を寄付するようにという教会税的な制度が歴史的にありましたよね。
現在、世俗化した欧米社会で、こうした寄付を、脱教会的な形で、依然、行う人も確かに多いようですよ。アメリカでは、寄付した金額は税金の控除になるから、「どうせとられるなら、政府でなく、共感する団体に出してせっかくなら直接効果を感じ、感謝されたい」という気分になるでしょう。
それに、アメリカでは、成功を収めた人のセルフイメージとして、スリムでフィット、グッドルッキング、慈善家といったいろいろな成功者イメージを、自分も、他人も、求める社会規範はありますよね、、、
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アメリカ式の社会では、これらのメリットは、看過しにくいものです。
例えば、アメリカ式の根回しやネットワーキングは、週末のパーティーなどに加え、こうした教会や慈善事業の場で行われることも多く、有名大学の同窓会のような強固なサポートシステムを持たない人が、「地域に溶け込みたい」、「自分の会社の上司や名士の方々と交際したい」、「ひとかどの人物として、会社の外で、認められたい」と思えば、一番手っ取り早いのは、慈善活動に参加することです。
日本でも、一部の方々が、教会活動などを通して、表に出ないような強固な人間関係を作っていることは、われわれ多くの目には触れにくいかもしれませんが、現実です。私が非営利活動を展開していて思う範囲でも、若い大学生なんかは、国連大学の入っているビルにボランティアに行くのは、喜びます。私のやっている非営利活動には、目を向けてくれません。どちらが就職活動や世間的な体裁に有利なのか、教わらなくても、本能的に知っているのでしょう。
表面的に、「慈善ってすばらしいことで、やればやっただけ、自分自身が心豊かになるんですよ」といった奇麗事だけ、申し上げても、多分、必ずしも「なるほど」とは思えないかもしれない方も多いと思いますので(まあ私もそのたちです)、あえて、ぶっちゃけた裏話をすると、こんな、夢のない話になるでしょうか、、、
どんな理由であれ、やらないよりはやったほうがいいとも思いますが、他方では、資産形成、サクセス本に書いてあるからする、あるいは、出世や名誉欲を満たせるから、する、というようなことでもないと思うので、私は、「皆さんも、コレやらないとダメですよ!」と、言おうとは思いませんし、私自身も、そんなに偉くありません。
ですが、その参加者様の、すなおな「どうして」という質問が、その後も、頭の中に引っかかっていたような気がします。
私自身は、もともと、どうしてかといわれれば、子供を出産したとき、二人とも、高額かつ高度な緊急医療で、九死に一生を得たことや、その時期、心から、「すごい」と思えるハムリングループの活動にまじかに触れることができたことが、1つのきっかけでしたが、現在、冷静に分析すると、今の自己分析は、下のようなものです。
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つまり、私をはじめとする大概の人間は、自分が凡庸で、世間の中で、特段、特別な人間でないとわかった段階で、自分自身の欲望追及に、そこまで、貪欲になれなくなるのです。
少なくとも、人を押しのけて階段を駆け上がる権利や、あるいは、人より豊かな生活を送る権利があるわけではないことは、自覚せざるを得なくなるもの。
それに対し、家族の幸せ追及、従業員を養うための会社経営同様、非営利事業の追求というのは、「自分のためでないから、がんばれる」という、まったく別のモチベーションを、与えてくれるものなのです。
他人に必要とされ続けたい、社会に認められたいという、人間が生まれながらに持っている”社会性”を、「人の役に立つ自分」とコネクトすることで、社会対自己という心理的利害対立を、克服できる、それが、community serviceを、私たちが、真に必要としている理由なのかもしれません。
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先週2009年4月26日土曜日は、土砂降りの中、非営利の仲間が、うちで、作戦会議に集まってくださいました。今年の当団体の目標は、
■目的。産科フィスチュラについて知識を持ってもらい、国内のアウェエアネスを高める
■当団体支援病院を舞台とするドキュメンタリーフィルムの日本語字幕入りDVD製作
■DVD製作発表プレミア(於津田ホール。12月19日土曜日夜7時から9時予定)
■それに関連する一連の広報資金集め活動の展開
■全国の図書館や研究機関等へのDVD販路開拓
といったものになります。
私の本業のこのサイトでも、今年は、「ハムリンフィスチュラグループ50周年記念レクチャーズ」と銘打ち、一連のファンドレイジングの寄付セミナー企画を展開してまいります。
先週は、日本のホームインスペクション界の草分けである長嶋修さんに、電話をし、「非営利活動の一環で、当社主催のセミナーをタダでやってください」とお願いし、趣旨賛同の上、ご快諾もいただきました(詳細未定、乞ご期待)。
そう、「非営利」の3文字がなければ、私なんかが、メディア界の寵児でもある長嶋さんを、フツーに呼びつけられません、、、【中古ブームに乗り、国内投資家、実需案件で、ホームインスペクションナシには物件を買わない方々も急増しています。長嶋さんについては、こちらから】
これら一連のセミナー企画では、参加者様に、くじ引きで景品なども、当たるようにといったワクワク企画も、考えています!
DVD視聴会なんかは、新しい企画ながら、大変喜んでいただいていますが、「広く、皆様に喜んでいただけるには、、、、もっと、皆様のお役に立つことは、何だろうか」ということも、もっともっと考えていかなければいけないんだということにも、遅まきながら、気がつきました。
口幅ったいですが、日本国内で、対米不動産投資について、それなりに意味のある情報を発信できているのは、自分だ、対米遠隔不動産投資家という、ウルトラニッチながら、濃いニーズを持った方々が集うフォーラムを作り始めることが、できているのは、自分だという自負もあります。
こういう中で、本業でも、皆さんが、支持してくださるフォーラム作りということを意識しながら、今年一連のセミナー事業を企画、展開していきたいと思います。
乞うご期待!
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私の直近の活動報告ブログについては、こちらから。
日本語化をするDVD、2008年ゴールデンゲート賞を受賞したWalk To Beautifulについては、こちらから。
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