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2018年米国不動産住宅市場展望 市場は供給不足に翻弄される

2017年も既に11月終りとなりました。

今週は、サンクスギビング。大体、この頃になると、世の中は、お祭りモードになってきて、仕事は、あまり、進みません。不動産も、シーズンオフです。不動産のシーズンは、子供を持つ家族が左右しますので、「新学期に向けて」(米国の場合は、9月)の売買が一番盛んになるのですね。

下は、そんなシーズンの売買パターンをグラフ化した全米不動産協会の資料です。

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原典
Seasonal Patterns in Home Sales Data

年により、多少の動きがありますが、何月にピークが来るかといった山は、あまり変わりません。2月(申告が終わる)以降内見を始め、5、6月に契約成立、ローン取得に1ヶ月強かかって6、7、8月に引越しやリフォーム、9月には晴れて転校生、がゴールデンパターンなんですね。

うちの子の学校では、9月は、依然引っ越しのバタバタが続くので、「9月末になるまでクラス編成は決めない」というルールでした。


さて、この11月14日に、ZILLOWが、2018年市場展望を発表しましたので、少し遅れましたが、ご紹介します。

2018 Predictions: The Inventory Crisis Will Drive the Market


タイトルは、ズバリ、「市場は供給不足に翻弄される」。

私的に一番グッときたのは、「2017年9月段階で、売りに出されている物件の51%が、価格的には、トップ30%の層にランクインするレベルの高級物件である」という箇所でしょうか。

つまり、いわゆるFIRST TIME HOME BUYER(はじめて、自分用に住む家を買う人。業界用定義は、「《過去3年内に自分名義の自宅を買っていない》等いくつかの条件に合致する人」)に手がとどくような価格の物件は、あまりないということのようです。

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POINT1 市場は供給不足に翻弄される

2017年に続き、2018年も、市場は供給不足により、ミレニアル層(2000年前後に成人した層)などの新規参入実需需要を満たすことが出来ない。2017年9月の段階で、1年前に比べ、供給量は12%ダウン、51%の物件が、市場価格の70パーセンタイル(上位3割ランク)に該当。新規実需層は、買い替えでないので、頭金に当てるための前の物件のエクイティもなく、また、別途蓄えも少なく、なかなか売り手に受け入れてもらえない。

POINT 2 新築は、この需要が一番大きい低め価格に集中するが不十分

住宅建築会社は、一番格安モデルに集中するが、新築着工件数はまだ2000年時水準には戻っていない。供給不十分で、中古と比べると、新築の価格は、高くなる一方。直近、市場で購入された総ての一戸建て物件において新築物件が占める比率は、6.2%。

POINT 3 新規実需のミレニアル世代は、郊外に押し出される

都市部の物件価格が高すぎるため、ミレニアル層は、割安の郊外物件を買うことになるだろう。

POINT 4 買い替え控え、リフォーム優先

現在居宅を持っている買い替え層は、値上がり益をエンジョイする立場にある反面で、「今、家を売っても、ワンランクアップの家は、もっと高くなっているため、買えないかもしれない」という不透明な状況の中、居宅に対する不満には、リフォームで対応することになるだろう。そのことで、中古供給不足は更に加速する。

POINT 5 新築のデザインは、ミレニアルとベビーブーマー向け

赤ちゃん対策、車椅子対策で、廊下は幅が広くなり、リフォームがし易いデザインに。シャワーストールには、高齢者向けの手すりが必要になっていく。

POINT 6 価格上昇は2017年の6.9%から4.1%へと安定

今年ほどは上がらないが、より標準的な3%想定より高い成長が予測される。

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いかがでしょうか。

投資家にとっても厳しい季節が続いています。投資目的で物件を購入する場合、あまり高級物件を買うと、リターンが低いため、「値上がりを待つ。それまでは、減価償却ONLYで結構。マイナスキャッシュフロー上等」と割り切る場合以外は、このFIRST TIME HOME BUYERとの競争となるでしょう。

特に、現在は、海外からの投資購入の場合、多くのエリアで、米国の銀行の融資が難しいため、「日本の投資物件のエクイティからローンを調達する」、「HSBCのローンを利用する」など、融資戦略は限られてしまいます。

全額キャッシュで購入する場合以外、どうしても他のオファーと比べられてしまうため、一歩遅れてしまうことがおおいのではないでしょうか。

引き続き、レジデンシャル物件への投資が難しい状況が続くと思います。資金運用先を検討されている方は、1年単位で短期投資をご相談ください。


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