円ローンその後
当社として、独立して、円ローンの融資業務に携わって、2年となりますが、初期のお客様から、こんなお便りを頂戴しました。
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中山さん
こんにちは、Mです。
お伺いしたいのですが、《円ローン融資銀行》の元本がFXを使って大分へらせたのですが、減った元本分について追加借り入れ(承認を得ているLTVまでの)は可能なのでしょうか?
おお!
すばらしいですね。この方が、最初の物件の融資を取得されて、1年半たっています。対カナダ投資でいらっしゃったので、この間、カナダドル相場は、乱気流。
3軒の物件のリファイナンスを成功させ、しかも、アメリカドル相場より、動き幅が大きいのを、見事に、スイッチオプションで成功を収められたよう。
しかし、残念ながら、元本が減ったという以外には、直近、ご希望のようなご褒美はなくなってしまいました。
というのも、現在、2年前と異なり、円ローン融資は、大変、信用緊縮が続いているから。上の方が取得されたのは、頭金30%、金利のみ返済で、金利のマージンも、格安。
それに対し、2009年になってから、金利のみ返済は、ほとんど、認められなくなったほか(制度としては残っており、まったく借りる必要がないようなレベルの人には、依然、オファーしてくれる)、金利マージン枠も、大きめになっています。
アメリカ融資の場合は、頭金が、40から50%になっている状況については、ここでも、何度もレポートしてきました。これに対し、イギリスやオーストラリア、カナダは、まだ、頭金比率自体は、30%なのですが、毎月の返済額は、相当、大きくなってきています。この方が、今、金利のみ返済のリファイナンスを申請されたら、オーバーレバレッジと評価されて、一軒も、借り換えはできないでしょう。
この方にも、「よかったです!しかし、円ローンは、2年前とはまったく違う商品になっており、そもそも、当初の融資枠は、リファイナンスなしには、拡大縮小いずれもできないので、今、リファイナンスの審査を受けられても、まったく、当時の有利なオファーは降りません」とお返事せざるを得ませんでした。
投資には、旬があります。
「この時期」なら、A、B、Cという、「投資」が、可能だとします。その時期を逃してしまった後に、A,B,Cという同じ投資が可能あるいは同じリターンを提供できるということは、あまり、ありません。
ある時期に、可能だったいくつかのタイプの投資の旬を逃したら、「別の時期」に可能な、DやEといった投資のオプションから、検討するしかありません。
私も、こういった理由から、「不況突入初期」だった2年前は、
■不況最適化型投資である高キャッシュフロー現金投資(対デトロイト投資)
■平時/好況時最適化型投資である、円ローン投資(対ベガス投資)
を両方、お勧めしていました。そして、上のお客様は、カナダに土地勘をお持ちで、独自に、ご自身の投資案件をいくつか取得され、円ローン投資で、成功を収められたというわけ。
しかし、今は、「米国発世界不況」で、カナダだろうと、オーストラリアだろうと、後者オプションは、もう、unavailableというわけですね。(ここで新興国投資ができればいいのでしょうが、不動産の流動性のなさというのは、こういうところにも出てきます。大手国際金融は、途上国不動産市場というものを評価する基準軸に不信感を示すことが通常です。)
これから、3年や5年たったら、円ローンを利用した好況型レバレッジ投資や、あるいは、まったく別の好況型投資をお勧めすることができるようにになるのか?
私自身、まったくわかりません。その頃は、対デトロイト投資組内では、エグジットアングルを狙っているだろうと思いますが、そのとき、エグジットしたはいいが、再投資を希望する場合、どんな案件が、可能になるかにいたっては、なんともいえません。
一部のお客様は、この段階で、キャピタルゲイン確定と、念願のハワイのリタイア案件購入が、可能になるでしょうか?
エグジットするほどの市場が見つからず、キャッシュフロー型ホールディングを続けることが、一番メリットだったりして、、、
なんでもあり、かもしれません。その方の哲学にも、よるでしょう。投資の醍醐味ですね(ということに、しておきましょう、、、汗)。
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