72の法則
もうご存知の方のほうが多いかもしれませんね。
「 72の法則 」は、複利の金利計算に利用する、便利な法則。
金融商品が、複利、税金繰り延べ(利息に税金がかからず、繰越を想定)で、2倍になる期間を算出するのに使うのが、この「72の法則」。
ずばり、72を、利率で割るだけです。
日本の過去50年間のインフレ率は、年率平均で、3.8%。
この場合は、
72÷3.8=18.95年
3.8%で回る商品というのは、約19年で2倍になる、ということですね。
ここで、こういうことが分かります。一般の金融商品の場合、お金を、年率3.8%で廻していたら、この50年で、結局インフレ率と同ランク。お金は、「増えては」いません。
しかし、これが、レバレッジが利く金融商品の場合なら、同じ3.8%で値上がりすれば、レバレッジ分、お金がインフレに対しても、「増える」のです。
具体的には、不動産で頭金を投入して物件を買う例です。
■A■
100万の金融商品を購入、フツーに3.8%の利率でこれが回り、19年で倍になりました。
■B■
100万を投入し、ローンを取得して、1,000万の物件に投資しました。家賃を取って貸し出すとします。利回りがよければ、ローンを払って修繕や空室対策をしても、トントンか、場合によったらお金が残るかもしれません。そういう中で、不動産価格が、インフレ率同様、年率、3.8%で値上がりしたとします。そうすると、1,000万が、19年で、2,000万になるわけです。この例では、19年間の更なる支出は、家賃収入でまかなえたことにしていますので、そうすると、19年で、100万が、(2,000万マイナス1,000万)=1,000万になったことになるわけです。
インフレ率を計算に入れても、19年後の1,000万は、500万の価値があります。すると、Aでは、100万が200万になった例で、インフレ率を計算に入れると、はい、まったく資産は増えていません。Bでは、100万が、実に同期間に、1,000万になっており、表面的には、10倍になったことになります。インフレ率を計算に入れると、19年後の1,000万は、19年前の500万の価値がありますから、やはり、5倍になったといえます。
このように、普通の金融資産の利回りは、不動産の値上がり率と比べると、ローンをレバレッジ(ローンを使って小額のお金を大きく働かせること)できないので、表面的に類似の利回りに見えても、実は、投資効率がまったく違うのですね。
リアルタイムで資金をレバレッジできる金融取引としては、先物取引や今話題のFXがあります。しかし、これらは、一般金融商品や不動産に比べ、さらに、リスクが大きい種類の投資と思われています。
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