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Appraisal Fraud - Manipulation

私は、前に、mortgage fraudについての記事で、この問題に、言及したことがありますが(こちらから)、この前、知り合いの在米の新米投資家様から、「自分たちがこの前、物件を買ったときは、査定というのは、客観的なものだと思っていましたが、この前、appraisal fraudについての記事を新聞で見て、査定って当てにならないのか、とびっくりしました」という、メッセージが寄せられました。

私のアメリカツアーにも参加してくれる予定のAさん、私のブログも、もっと頻繁に目を通してくださいねV

というのは、軽い、「つっこみ」ですが、査定詐欺問題は、サブプライム前の「イケイケ市場」で、相当蔓延したという認識があって、逆に、現在は、銀行誘導の「貸し渋り型」査定のほうが横行し始めています。

実は、昔ながらのoutrightなappraisal fraudには、たとえば、「3マイル先の物件が、半マイル先にあるかのように見せかける」といったようなわざとらしい例もあったようですが、ポストサブプライムの今ドキの初級投資家に、私が言えることは、fraudより、より一般的な、manipulationの問題に気をつけなさい、ということです。

どういうことかというと、査定というのは、

■ 四方1マイル内に
■ 6ヶ月以内に
■ 類似の物件がたくさん売買されている
■ しかも、競売や任売案件が少ない

といった「理想の市場環境」のときに、もっとも、精度が高く出ます。しかし、そうした条件がひとつでも欠けると、こんな例になりかねません。


例 「50万ドルで四軒屋が売りに出ている」


■ 直近、類似の物件がなく、周りは、20万ドル以下の一軒家ばかり
■ 北に2マイル行くと「より素敵なエリア」となり、60万ドル台で、
  四軒屋が売り買いされた例がある
■ 南に2マイル行くと「より劣ったエリア」になり、四軒屋は、
  30万ドル台で売り買いされている例がある


査定A
売主やコミッションエージェントが出してきた査定。北のほうの査定だけを計算に入れて、「だから50万ドルは割安です」といってきます。

査定B
この物件を担保に貸付を申請した場合に、銀行が出してくるかもしれない査定。北や南を両方計算に入れて、「いや、45万でしょう」といってきます。ひどいところだったら、南のほうに重点をおいて、「40万じゃないですか」といってくるかもしれません。


そういう意味では、売主側が用意した査定というのは、銀行が取ってくるであろう立場とは、違っている可能性を、肝に命じておかなければいけません。アプレイザルというものは、room for manipulation(上方向にも、下方向にも、操作の幅がある)である、そういうものであるというですね。

初心者で、不安な方は、

■ 精査の高い査定が出にくい物件(周りより高い、周りと属性が違う)
  には手を出さない

とすることが、トラブル回避のひとつの方策です。

appraisal manipulationは、私の造語。

ある意味では、これは、売主のsales pitch。「相手が、自分に調子のよいようにいっている可能性を、折り込んで考える」という商取引に当然の常識を働かせるだけのことなんです。

ただ、「第三者が、データや数字を使って、generateするレポートなので、一見、客観的に見える」のですね。

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