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コンド・コンバージョン Condo Conversion とは?

日本では、不動産業にディープに携わっている方以外は、あまり理解しにくい概念かもしれませんが、これは、日本流に言うと、区分所有への「分筆」。日本では、分筆というのは、土地でしか、許されていないでしょうか。

典型的には、アパートメントと呼ばれる、賃貸するために作った大き目の建物(日本流に言う、アパート一棟もの)を、各種手続きなどクリアして、管理組合などつくり、コンドミニアム(日本流に言えば、マンション)としての分筆手続きを行い、一室ごとに、マンションとして「小売り」をできるように、仕様を全面変更することです。この際に、下の土地も、各区分所有者の所有比率に合わせて、分譲されることになります。

私の承知している範囲でも、日本でも、小さいぼろアパート物件を、業者さんが修理して、テナントをいれて、高利回りを達成し、ローンを付けやすくしてから、一般の投資家様が、投資しやすいようにしてあげる案件など出ることがありますが、コンド・コンバージョンも、広い意味では、こういう「フィックス・アップ」(修理により、物件価値を上げて、利益を乗せてから、転売する)の一手法といえるかと思います。

アパートのオーナーが、リフォームついでに、売却のエグジットとして、自分でやる場合もありうるでしょう。

より詳しく説明しますと、例えば、6室のアパート一棟物件があって、各部屋が、2ベッドルームであるとします。近所での賃貸相場を見ると、2ベッドルームは、600ドルだったとしましょう。この物件を、要修理、空室状態で買うと、エリアによったら、現金で、10万ドルといった格安価格で入手できるかもしれません。

そこで、フツーのフィックス・アップなら、「修理して、満室にして、賃貸経営をする、または、修理後、賃貸経営がしたい投資家に、売却する」わけですが、コンド・コンバージョンをする場合、「普通の賃貸より大規模な修繕をして、物件に高級感を出させ、それから、登記分筆手配。6室を、それぞれ、区分所有物件、俗に言う普通の中古マンションに仕立て直して、販売元となる」わけです。

そうすると、各部屋、家賃が600ドルで貸せるわけですから(修理をしてアップグレードするので、場合によるとそれ以上になる可能性もあります)、分譲価格を、一室6万ドルで設定しても、高く感じないかもしれません。

全6室を全部売り切る頃には、合計36万ドルが転がり込んだ、なんていう可能性もあるわけです。

中古アパート物件をコンバージョンする場合、建築コストや土地供給コストが、ある程度、償却出来ているので(ここでは、税法上の「減価償却」ではなく、一般ビジネス用語として、”初期投資回収が、ある程度、済んでいる”という意味で、使っています)、新築コンドミニアムを一から作るより、分譲価格は、割安であることが通常。

ですので、価格設定が適切であれば、買うほうにとっても、メリットがあるわけで、ウインウインにもなりうるわけです。


但し、安易な、小規模コンバージョンの場合、後々、行政の許可が積み残しになっていたり、マーケティングに問題があったりすることまであるので、銀行も、融資には難癖をつけることがあります。また、「最初からコンドミニアムとして開発された物件」と比べると、やはり、多少、見劣りするだろうことは、容易に想像がつくだろうと思います。

なので、こういう物件に投資をするときは、大手で、コンドミニアム・コンバージョンを専門とするようなデベロッパーが手がけた物件を選ぶなどして、融資が出にくいような物件をつかまないこと、価格付けが適切であることを確認することなど、いくつかのチェックポイントを見ていくことが適当です。

ネットをさらっと見るだけでも、たとえば、「コンド・コンバージョンを経た区分所有物件を買ったところ、行政の許可を得ていない違法手法だったので、(分筆のための)申請が、購入者の課題、負担となってしまった」といったトラブルが報告されたりしているのを見ます。

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