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PROPERTY INSPECTION 建物検査

《この記事は、2006年のものに、2015年1月加筆しました》


日本でも、最近、中古物件売買に資する建物検査が出来る体制が整ってきましたね。米国では、建物検査は、物件取引の7割以上といった普及率を見せています。

米国では、建物検査は、インスペクターという建物検査の専門業者さんにお願いします。物件購入時に第三者的な観点から「この物件はこういう状態です」ということを、小額(通常500ドル以下)で確認してくれるのです。


ポイントは、「あなたが、物件を買うか買わないか」は、その業者さんには関係がないと言うこと。利害関係がない第三者として、インスペクションをすること自体に支払いを受けているのです。

だから、どこかが修理が必要な物件だったら、チェックポイントに基づき、そうしたレポートを提出してくれます。義務でもあるし、売主側の人間ではなく、物件売買が行われるかどうかにかかわらず、支払いが受けられるので、第三者として、客観的な立場から判断をしてくれます。

新築であっても、通常、インスペクターの検査が最終的な購入条件。

大手デベロッパー物件だから一応信用する、というのでなく、インスペクターが問題があるといえば、売主はこれを直さない限りは、買主は、自分の払い込み義務を履行しません。(もちろん、要修理物件を、投資目的、あるいは割安でわざと買うような場合もあります。要は、買主が物件状態を第三者に客観的に確認してもらえる、ということです。)

この建物検査業者は、州ごとに、免許制で、continuing education(毎年のように講義を受講したり追試験を受けたりして知識を最新状態に持っていくための)も受講している人々です。

検査の内容は、

  土台の状態
  屋根の状態
  電気系統の状態
  水道の状態
  風呂やトイレの状態
  エアコンや暖房などの状態
  まどやドアなどの状態
  
など、相当包括的で、シャワーキャップの有無やスイッチの作動などまで、部屋ごとにチェックしてくれます。


ただ、建物検査も、万全ではありません。

素人である自分がやるより絶対よいので、玄人の投資家でない方には、必ずお勧めしますが、いくつもの注意事項があります。

すべては短い記事では、書ききれませんが、例えば、、、


> 空室物件の場合、売主に、連絡をして、電気と水道、可能であればガスも開設しておいてもらわないと、標準検査が出来ません。売る場合は、建物検査のために、こうした設備が使えるようになっていることを要求されるでしょう。この段取りが出来ていないと、有料検査にお金を払っても、「電気系統?通電していなかったので未確認」といったレポートになって帰ってきます。

> 建物検査士は、建築士ではないので、いわば、ジェネラリスト。土台がおかしいと思えば、STRUTURAL ENGINEER(構造のスペシャリストの建築士)に検査をするように依頼したほうがいい、といったコメントはくれますが、その確認範囲は、目視可能なものと動作確認が前提です。

> 居住中の物件の場合、家具などを動かす権限はありません。そのため、物置にたくさんものがおいてある場合などは、壁や床の状況などは、確認できないといった制約があります。


また、建物検査は、実際の決済に先駆けて行うもので、通常、売買のプロセスをし完了させるには、検査から2週間以上がかかります。この期間は、物件の状態が劣化しないようにという問題が生じることをお忘れなく。

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