オポチュニティ・コスト(Opportunity Cost) 喪失機会
これは、不動産特有の言葉ではありませんが、ビジネスでよく使いますので、その概念を理解していくことは、不動産投資家にとっても、意味があるかと思います。
オポチュニティ・コストは、ずばり、「あることを行ったことにより、ほかの事を行う機会を失うこと」です。
私の仕事に引き寄せてお話をすると、お問い合わせをされてくる方で、例えば、800-900万の投資資金をお持ちの方は、大体、私のご案内できるサービスのうち、
■円ローン案件を一軒やるか
■デトロイト案件を2-3軒やるか
で悩まれます。【ちなみに、2008年10月の現在、円ローン案件は、対米的にはハードルが高すぎ、上の条件では、もう不可能になりました】
円ローン投資案件のプラス面は、
■中長期の資産形成を見込める
ことで、デトロイト案件のプラス面は、
■意味のあるキャッシュフローをすぐ獲得できること
です。
一方をやれば、もう一方をやる機会を、喪失します。
ここで、「両方」できる方もいますが、そのためには、資金が、倍必要。
さらに、そもそも、日本の不動産投資との間で検討されている方の場合は、
「先に、対米投資で、負債を負うと、国内金融機関が、海外資産の評価のものさしを持っていないため、その分を、マイナス評価をしてくる」
「日本国内で、大家さんになってしまっていると、日本的には属性良しと思われている場合も含め、その分が、海外金融機関には、マイナスに評価されてくる」
という問題があるため、慎重にことを進めないと、相互間の喪失機会の度合いは、結構、大きくなるかも知れません。
もっと広く考えると、同じ資金を、(サイド)ビジネス起業のために、使うか、不動産投資に使ってしまうか、といった選択肢もありますね。
こういうことにお悩みのお客様もいて、これは、その方の判断ですので、なんともアドバイスはできませんが、一般には、優良ビジネス立ち上げに成功できたときのリターンの大きさは、不動産や株式のリターンを大きく超えることのほうが多いのではないかと思います。
ただ、起業したビジネスが廃業する確率は、1年後で半々、10年以内だと8-9割だともいいますから、フルタイムのコミットメントを通常要求する起業には、大きなリスクが伴うことを、肝に銘じなければいけないわけですね。
私自身も、不動産をメインにする前には、別の種類のネット起業をして、たまたまですが、数年間、うまくいった経験があります。商材が時流に迎えられ、レベルが低いビジネスでも、成功したのです。しかし、4年後、つわりや未熟児出産で、1年以上、ほとんど人任せにした結果、当然のように、その商売はだめになってしまいました。
店じまいしなければ、今でも、多分、低所得の過労働一人ビジネスとして、成立していたかもと思いますが、私の例でも見るように、多くの起業が、そのレベル【投入労働時間に対するリターンが小さく、生活保障がない】で終わってしまうのではないでしょうか。
私のお客様のほとんどは、やはり、貯蓄も計画的に行うことが可能で、属性も良い、「会社員」様。
自営の方も、「将来が心配なので、なおさら、不動産がやりたい」とおっしゃいますが、多くの方は、お金、時間、またはその両方が、欠けている上、成功されている方であっても、節税対策や、借り入れによる事業効率を最大化しすぎていて、融資が取りにくくなっている場合も多いです。
人に使われるのはいやだ、自分で自分の働き方を決めたい、というのが、自営、起業の魅力ですが、同時に、こうしたオポチュニティコストが伴う可能性があるわけですね。【私も、成功されている個人事業主様のファイルを円ローン融資申請で扱ったこともあり、当然、単純に、自営=融資不可というわけではありません】
ちなみに、私自身は、現在は、件のネットビジネスから転業し、現在は、無事に、地味ながら、多くの「一人起業者」様に比べると、時間、お金と、どちらについても、大きな悩みがないところまでこれたことについては、大変ありがたいことだと感じています【→ポイントは、「地味」ですV】。
よく、「ネットで起業」、「アフィリで、ウン100万!」、「FXで、何億」といった広告が、インターネットで踊っていますが、多分、
1)瞬間風速的には、うまくいっているかもしれないが、運なども関係しており、継続あるいは真似できない
2)単なる嘘か、それに近い粉飾
3)呼び込みのキャッチセールス的なフレーズを多用するが、実態は、地味
のいずれなのかと思います。
ちなみに、私の「アメリカ不動産投資で利回り20%というこのブログは、3)のパターンを目指しています【爆笑】。ただし、10年単位で、長期に、本腰を入れてやっていれば、将来性は、きちんと、あるかな。
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