修理屋さんは、つらいよ カーペット編
デトロイトの取引先は、物件の修理屋さん。要修理の家を買い、修理をして、私たちに、rent ready【客付け準備ができていること】の状態で、売ってくれます。こういう人のことは、fixer upperといいます。または、こうした要修理物件のことを、フィクサーアッパーと呼ぶこともあります。
過去にも、この話題は、何度も取り上げていますが、フィックスアップは、初級投資家、遠距離投資家が手がけるようなものではありません。今でも、時々、「やりたい」という感想が寄せられますが、私のブログを読んで、ようよう勉強になっているレベルの人がやることではありませんから、そこら辺のところを、ぜひ、自覚してくださいませ!【爆笑】
というのも、私たち遠距離投資家は、フィックスアップ案件を、自分で手がけるどころか、監督することすらが、できないのですから、、、
結局、修理業者さんの仕事の仕上がりを、現地の第三者に監督してもらうことになり、そうなれば、監督者の仕事振りに対してフィーを支払う上、監督者を監督する必要まで出てきます。ああ、堂々巡り。
さて、この前、修理業者さんは、本当に手が抜けないなあと思わさせられたエピソードがあるので、ひとつ紹介します。
この前日本に、私たちに会いに来てくれた、デトロイトの取引先、修理業者さんは、本当に信頼できる取引先で、彼と管理会社さんのおかげで、私は、日本でのうのうとしていられるのですが、一軒、最近のクロージングで、インスペクションをした後、修理のやり直しが入るということがありました。
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取引先
「カーペット業者さんが、C通りの例の物件に、敷いたカーペットが気に入らないから、やり直しをさせないといけないんだ」
私
「気に入らないって何が?」
取引先
「一軒の家なのに、違う色のばらばらのカーペットを、いろいろ使ってあるのを、インスペクターのSさんが見つけて、、、」
私
「だって、そのカーペット業者さんって、いつも使ってるところじゃない」
取引先
「そうなんだ。Sさんに指摘してもらってよかったよ。やり直すまで、請求書を払うのを拒否したんだ。」
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そう、若いながらに、そろそろ、熟練フィックスアッパーになったといっていい取引先ですが、毎月何軒も、新品カーペット敷きなおしを頼んでいるというのに、「そのいつも使っている業者さん」が、こんな手を使ってくるなんて、、、
明らかに、「在庫の半端ものを取り出してきて、コストを減らそう」としたようですが、取引先の詰問に対しては、「いつも使っているものよりよい品質のものも使っているからいいと思ったんだ」といった言い訳をしたようです。
取引先は、仕入れや手配に忙しく、家の修理については、何軒かを同時平行させ、一軒に付き、何社もの業者さんが、随時、出入りをするわけなので、すべての作業を、自分で、監督するわけに行きません。
そこで、修理の最後の段階で入ったカーペット業者さんの仕事振りについては、いつも頼んでいる内容でもあるし、ということで、インスペクターさんのインスペクションに任せたわけですね。
そうすると、あにはからんや、Sさんから、「家は、全体、きれいになっているけれど、あのカーペットは、ないんじゃないの?いつもの家の仕上がりと、違いますよ」という情報が寄せられ、彼は、あわてて、業者さんと話をする羽目になったというわけ。
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このように、現地で手配をする人すら、業者さんの監督には、悩まされているものです。カーペット敷きなおしなんて、初歩の初歩ですから、それだけなら、フィックスアップ案件とすら、いえません。彼自身は、超がつくドマジメ人間なので、そういう意味では、私は、当然、信頼していますが、やはり、彼の物件を確認する第三者たるインスペクターが必要な理由には、こんな理由まで、含まれます。
私自身、遠距離投資家は、清掃、カーペット敷きなおしや、ペンキ塗りなおしまでなら、manageable【コントロール可能】ではないかと思うので、そういった問題がある家が、割安でお買い得だと思えば、買い進めるのはいいのではないか、と言ってきていますが、このように、カーペット1つとっても、実は、完璧に監督をフォローするのは、結構手がかかるプロセスとなりうるものなので、ご用心。
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