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誰でもローンが組める、それがアメリカ

アメリカの不動産投資のよさは、リターンもそうですが、実は、トランスペアレンシーや市場のオープンさだと思います。

日本やタイなどもちょっと研究してみましたが、アメリカの市場がもたらす安心感には、こうした市場は及びもつきません。現在急成長の中国やインドも、現地人並みの知識がある人にはいいのでしょうが、ちょっと外部の人間がつまみ食いしようというのは難しそう。

あえて言えば、今流行のマカオや、ドバイなんか、可能性ありそうですが、しかし、実はここで、融資という壁が。大体、長期ローンはNGのようですね。

ということで、融資という意味でもオープンなのがアメリカ市場。旅行者が、自己情報をほとんど証明することなく、頭金30%を積むだけで30年の不動産ローンが組める、そんな国が他にあるのでしょうか?(あったら教えてください。)


アメリカの融資には、大体、下の二つがあります。

  Full Documentation Loan (full doc loan)

  Stated Income Loan (stated loan)

フルドックとは、申告書類一式開示のいわゆる日本でフツーに思うローン。安定収入がある、高額収入がある、などが、重視され、与信が良い人は、最も良い条件でローンが組めます。

他方、ステイテッドとは、「自己申告方式」。全て自分が記入し、証明書類は不要というもの。但し、パスポートなどの身分証のほか、向こう6ヶ月分のローン支払能力を証明するために、頭金のほかに、銀行残高の証明書くらいは要求されます。


もちろん、ステイテッドはうそをついていいということはないのですが、別に無理にうそをつかなくても、ゆるく審査してくれ、とにかく頭金がある、向こう6ヶ月のローンが払える、その二つで、いろいろ、OKになります。

金利は、当然、フルドックと比べ、1%くらい、高くなります。

アメリカに拠点どころか銀行口座もこれまで開いていなかった人間の場合、「自分は収入高いから、日本の申告書類見てよ」なんていっても、「そんなの読める能力なし」なんだから、意味はないです(但し一部のハワイの銀行などは別かもしれませんが)。

ということで、アメリカで融資を受けようと思ったら、まずは、全て、ステイテッドからはじめることになります。


金利が高くなるというと皆さんは嫌がりますが、ステイテッドには利点もあります。

1)審査が早い、煩雑さがない(比べると。外国人の審査は所詮面倒です)
2)投資歴が長くなり、ローンの数が増えてくるとそれをフルドックで全部開示すると嫌われるようになる
3)与信が悪い人間、与信のない人間が誰でも利用でき、おいおい、与信作りに役に立つ

ですから、アメリカ人も、投資をある程度する人たちは、もともと収入が高かったり、与信が良かった人でも、原則ステイテッドになっていきます。これが、投資と自己保有の違いです。

つまり、住むことが目的なら、「金利が1%増えるわ、どうしましょう、借り替えようかしら、貯金をおろして払ってしまおうかしら」と考える必要がありますが、投資の場合は、とにかく、融資を受ける目的はレバレッジですから、金利が増えた場合は、方程式のうちの変数のひとつが少し変わるだけで、それでも、結果がOKなら、1%どころか、数パーセント、多く払うことくらい、何でもありません。


「結果がOK」とは、「短期間に値上がりするという見返りが期待できる」あるいは、「ローンを払った後に、キャッシュフローがまだポジティブになる」かどうかのこと。前者は、苦しいですぞ。

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