書評:芦沢晃『サラリーマン大家さんが本音で語る中古マンション投資の極意』
沢孝史さんがプロデュースをされている、お宝不動産セミナーブックのシリーズで、中古マンションに投資されているサラリーマン大家さん、芦沢晃さんが、1億円以上の累計資金を投入し、キャッシュ中心で、中古マンション投資をされてきた遍歴。
地味な体裁の本ですが、勉強になります。
なんといっても、実際の投資家さんの軌跡が正直に書かれています。
「こんなに簡単に儲かった」、「自己資金は少なかった」といった調子の良い話ではなく、「これは、自分の考え方、身の丈にあった話です。読者の皆さんなら、別の方法、もっと効率の良い方法をとられるかもしれません」とお断りがきがあります。
確かに、1億円以上のお金を作り、投資してきた芦沢さんのこつこつぶりには、びっくり。これだけお金を作れれば、もっと効率の良さそうなことも、できるんでは、と、本当に、考えてしまいそうです(爆笑)。
ただ、程度の差こそあれ、私なんかも、効率の悪い投資をしたりといった試行錯誤の中で、成長してきました。芹沢さんが指摘されるように、現実は、まま、地味でぱっとしないもの。
私の例で、具体的に言うと、最初に買った物件なんかは、どういった融資が最適か分らず、4年間の内、毎年、融資を変えて、利息やペナルティをずいぶん払いました。ようやく、円ローンにリファイナンスをしてほっと一息したところです。
二番目に買った物件では、売主に、備え付け家具(私に引き渡されるべき)を、持ち逃げされてしまっての「引渡し」で、呆然としましたっけ。レアルターを信頼して受身で対処したのに、実は、こうした、第三者というのは、うまくいっているときはコミッションを取っていって、本当のトラブルのときは、何もしてくれないんだということが、骨身にしみたエピソードでした。
私の失敗談はよしとして、この本は、キャッシュフロー型の安定投資をされる方に、一読をお勧めしたいですね。私自身、遊休資金があまりないため、キャッシュで持てている物件は、まだ、2軒くらいですが、やはり安心感が違いますので、余裕があれば、そちらのほうが気がらくだという筆者の考え方には、賛同します。
また、逆に、この本を読んで、日本でのキャッシュフロー戦略を一つ知った後、アメリカ不動産投資の常識を、このブログでごらんになられて、日本の不動産投資の常識と引き比べてみると、びっくりされるかもしれません。
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