ローンを組む手間
不動産をはじめるときは、融資がないと、問題にならないと思っていることが多く、私なども、融資をいかに取るかに奔走しました。融資を取ってきて、自分では買えないような物件を、レバレッジをかけて購入する、それ以外の「賢い買い方」は、逆に、実は、イメージできなかったのです。
今考えてみると、融資を取るのは、本当に大変です。イメージ的に言うと、キャッシュで物件が買える場合と、融資を取り付けて買う場合を考えると、自分の労力としては、融資を取り付けるときは、5倍からそれ以上くらい、かかると思います。
つまり、労力や時間だけを見ると、融資つきの購入というのは、現金購入に比べると、5倍以上、大変なのです。
話がなかなか進まなかったり、色よい返事がもらえなかったりで、銀行に文句を言いたくなったり、いろいろなことがあります。
2008年の今、アメリカで融資を取って、物件を取得する投資を成功させる手法は、相当、難しくなっています。そういう意味では、私は、最近、現金をレバレッジさせた購入スタイルが、気に入ってきました。
現金購入のメリットをいくつか、あげてみましょう。
■cash is king。
キャッシュオファー【現金買い付け】は、値引きが堂々と要求できる
アメリカで、現金をオファーすれば、融資取得を条件とするのに対し、
半額くらいで買える場合もありえます。
■手間が楽。
融資取得に奔走する自分のtimeは、そのまま、moneyです。今は、
不安定なアルバイトや、契約社員でも、夜中まで働かさせられると
聞きますが、ちゃんとした仕事を持った方が、アメリカの融資を日本
にいながらにして初めて取得されるのは、相当な学習だと思います。
■手数料が激減。
融資を取ると、その手数料は、それなりの額になります。もちろん、
高額物件を買うには、仕方がありませんが、実際、購入価格10万
ドルの小額物件であったとしても、3,000ドルから5,000ドルくらい、
取られるものだとひとつの目安で考えておいていいでしょう。現金
決済なら、クロージングにかかる諸経費は、保険を除けば、1,000
ドル以下ですむことが多いでしょう。
■金利を払わなくてよい。
アメリカ人は、アメリカで収入があるので、最初の2軒くらいは、利息
分が、tax writeoff(控除の対象)となりますが、日本人は、アメリカで
控除を申告するもともとの所得がありません。そういう意味では、
アメリカの高額金利を払うことは、アメリカ人にとってよりは、メリット
が少ないのです。私なんか、一部の物件の金利は、8%台です。
もちろん、融資取得は、「すべての場合に意味がない」ということは、ありません。
私自身が、取得可能な方に必ず薦める円ローンは、「手間もかかるが、それ以上の価値がある」と心から思う商品です。
また、円ローンの対象にならないような物件やエリアについて、アメリカの融資についても、現金で買った物件のエクイティを、環境がよりよいときに、リファイナンスによりキャッシュアウトする戦略は、常に、要検討です。
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