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上がる前に、下がります

今のアメリカが、お買い得か、否か。アメリカのレアルターさんなどに聞けば、「今は物件がたくさんあって安いから、お買い得ですよ!」と必ず言うでしょう。

他方、最近では、「ドルは、80円になる?」なんていう刺激的な本が出たりもしますから、日本好きの論客は、「債務国アメリカの通貨なんか」とおっしゃいます。

為替は、複雑な要因ですから、素人の私が、この点について、たいした言及はできませんが、ひとつ、確認しておくと、為替を100%自分の都合のよいふうに味方につけておくことはできません。また、為替の動向に100%の確信がある方も、おいでにはならないのではないでしょうか、、、


さて、他方のポイントである、「今、お買い得か?」を、この記事では、検討してみましょう。2008年12月段階、ほぼ、確実になっていることがあります。それは、、、

現在のアメリカは、まだ、下落傾向に底が見えない

という状況です。

たとえば、今、10万ドルの査定額がある物件が、8万ドルで買えるから、お買い得だといえたとします【エリアによってはその程度では別にまったくお買い得ではありませんが】。

ただ、今、物件を8万で押さえても、エクイティは、景気が回復するまで、縮小します。

イメージとしては、

2007年末 査定確定額 10万ドル
2008年末 査定予想額 9万5,000ドル【-5%】
2009年末 査定予想額 9万250ドル【前年度比ー5%】 

ということです。


査定というのは近隣物件の直近売却歴に対応します。通常、査定業者は、競売物件など極端なわけあり物件は、はずして査定額を見積もりますが、それでも、景気が悪ければ、10月に8万ドルが「たまたまのお買い得」だったのが、12月には、その値段がスタンダードになったりするかもしれないのです。


2008年いっぱいは、確定的にダメダメだと思います。マイナス5%どころではないかもしれません。

2010年に、上向きに転じるか、2011年に回復するか、2012年にならないと市場が動き出さないか。


エリア動向にもよると思います。私なんかは、そういう景気回復なんかが、しようがないと思われているようなところでも勝負しています。そういう市場は、逆に、買うタイミングなんか別にありません。

来年のことを予想するならともかく、3年後のことを予想しようとするのは、どんなに頭がよい人でも、たいした精度で出来るとは思えません。


今、アメリカは、お買い得ですが、こういうことも含めてのバーゲンセールです。 私自身のアドバイスは、


■アメリカのローンを組まない

【円ローンで物件が買えるなら、エグジットが何年先に延びてもOKなので、今買って、ローンを組むので、かまわないと思います】

■3年以内に回収を見込む値上がり狙いをしない

【これは、現在、一見、好調に見えるエリアについても、同様です。要修理物件の短期転売だけは、現在も、どこでやっても有効でしょうが、これは、初心者や、新しいエリアでは、絶対手を出さないでください】


これは、「今買うな」という意味では、必ずしもありません。

というのは、私自身は、投資において、一番大事なのは、経験値を上げていくことだと考えているところ、そのためには、どんな市場でも、参入し、負けない戦術を学ぶ努力を払い、良い波がきたときに、経験の蓄積に応じた利益を回収することができるような流れを、自分で作っていくことが大切だと思っているからです。


よく、「今のアメリカは、まだ下がるだろうから、買い時じゃないよな」と言っている方々のお話も伺いますが、アメリカで勝負をしていない人が、

1)「買い時のアメリカ」の区別がつくのか
2)そのときだまされないでよい取引ができるのか

は大いに疑問です。

こういう考え方をされる方は、一生、アメリカ市場にエントリーしないで済まされたほうが無難です。「買い時」にいきなり大量な資金を持って入って、身包みはがされるのが関の山ですから、、、正直、そういう方の相談も、乗ったことがあります。

一方、このような不透明な環境にあって、私自身の投資戦略は、ますます有効になってきたと思います。こちらから、フリップをご覧ください。

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