武富士元専務へ追徴「適法」
最近の資産家と国税庁のいたちごっこは規模がますます大きいですね。資産家は、相当なファイナンシャルリテラシーやストラテジーが要求されるようです。
「会社役員を務め、毎月帰国」は、在外居住要件を満たさない、という高裁判断。
同元専務の顧問公認会計士が、それなりに、研究をして作ったスキームの一環として、「転出」されたそうですが、これが、「形ばかりの脱税行為」と言われてしまいました。
資産がある方ですから、一流の弁護士を集めておいででしょう。上告予定だそうですので、最高裁の動向が注目されますね。
国との訴訟で脱税を争う、というといかにも、イメージが悪いですが、国を相手に税の徴収方針が本当に公平かつ明確に貫徹されているのかといえば、これを世に問える立場にあるのは、こうした、資産家の方々だけ。
庶民にはため息しか出ないといえばそうですが、「取れるから取る」「金持ちだから海外流出は許さない」だけでは、現代の高度にグローバルな市民社会は、逆に、納得できないでしょう。
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消費者金融大手「武富士」の故武井保雄元会長夫妻から贈与された外国法人株をめぐり、約1300億円の追徴課税を受けた長男の元専務(42)が「贈与時は香港に居住しており、納税の義務はない」として処分取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は23日、元専務勝訴の一審東京地裁判決を取り消し、請求を棄却した。
当時、海外居住者への海外財産の贈与は非課税扱いで、柳田幸三裁判長は「税を回避する状況を整えるために香港に出国し、約3年半のうち1カ月に一度は帰国していた。武富士の役員を務め、職業活動上最も重要な場所は日本で、香港が生活拠点だったとはいえない」と指摘した。
判決によると、元専務は駐在役員として香港に赴任していた1999年12月、元会長夫妻から武富士株約1500万株を保有するオランダ法人株の90%を贈与された。税務申告をしなかったが、国税当局は2005年「実質的な居住地は日本」とし、追徴課税した。
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