アメリカで銀行ローンを組む
私は、アメリカ投資は、現地でローンを組んでいます。
アメリカというのは、こういうところが、真の金融先進国だなと思うのですが、外国人であっても、ローンが結構組めてしまうのです。金融機関のほうで、ある程度、貸付リスク計算ができる、そういう自信があるのですね。
ということで、ビザも取らず、ローンを組んでいます。当然銀行窓口に自分でいったりすることもなく、全部ファックス、電話と電子メールです。
アメリカ人より条件が悪いですが、それでも、今流行のドバイやマカオで不動産投資をすることを考えたら、「アメリカは、本当に機会均等の国なんだなあ」と思い、ありがたさがこみ上げます。
ローンのタイプには、原則、2種類ある!
☆full documentation loan (full doc - 略して、フルドックという)
日本の普通の銀行融資のイメージに合致するタイプのローンです。自己申告内容に関連する資料を、通帳から、申告書類から、全部開示し、自分がいかに信用があるかをアピールします。銀行の覚えがよいことが分っている人が、やるローンです。こうすると、融資条件は、最高になります。
☆stated loan (stated - 略して、ステイテッドという)
与信がそれほどよくない人が、融資条件が悪くなることを覚悟して、簡易審査でローンを組む場合です。収入等がすべて「自己申告」式で、なんら証明をする必要がないという、日本人からすると想像が付かないタイプのローン。だからうそをついていいというわけではなく(笑)、銀行は、簡易審査を好む人に対し、その分、高い利息を取ってつじつまを合わせるわけです。といっても、利率は、1%くらいしか上がりませんので、こちらからしたら、便宜を考えたら、たいした違いはないといっていいでしょう。
実は、アメリカでも不動産投資を真剣にやっている人は、通常、簡易審査の後者を好みます。
というのは、不動産収入と言うのは、ある意味、給与所得より不安定なので、それを正直に開示すると、銀行が、「リスク高し」と判断し始める場合があるから。
また、フルドキュメンテーションローンの場合、ローンを組むのに大変時間や労力がかかるため、審査にもスピードを必要とする投資家には、向かない、ということもあるのです。
このブログをご覧になっている方でも、「私は日本が世界に名だたる大企業勤務です。当然full documentationでいけるのですね?」という人がいるかもしれませんが、実は、そうはなりません。
ハワイ州だけは特殊ですが、アメリカ本土の銀行は、当然のことながら、日本語の源泉徴収やらを評価する日本語力を持っている融資係を雇っていません。
なので、日本なら、与信最高!という方がいても、実は、日本では、誰にも相手にされないこの私と同じ種類のstated loanでいくしかないのです。
逆に、私同様、へえっ!やったね!
と思われる方も多数おいでかと思います。日本で銀行からローンをかりるのは大変です。残高が足りなくて、クレジットカードが引き落とし出来なかった、といった程度の事故でも毎回記録が残ります。今話題の消費者金融に手を出した経験があるとか、連帯保証人に頼める人がいない、というのでもだめですね。自営の場合は、過去3年間黒字決算くらい、押さえましょう。
こうした問題が、アメリカだったら、すべてクリア。逆に自営のほうが、英文の証明資料を自分で作れてしまうから、会社にこうしたことを依頼しにくいサラリーマンより、条件がよいくらいの「逆転現象」が起こります(!)。
私が、「日本よりアメリカのほうがローンがとりやすい」といったことの意味が分ってきていただけましたでしょうか。
★★★★2007年8月、サブプライムレンディング問題で、アメリカでは、stated income loanが外人であるとアメリカ人であるとにかかわらず、「ほぼ全滅状態」になっています。残念ながら、現在のアメリカでは、外人がローンを組めるようになる日を待つしかありません。★★★★
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