土地は本当に資産か?
日本では、土地は、長期資産性があるといわれています。実は、アメリカでも、土地は、希少性がある、不動産は、だから投資にいいんだ、といいます。
They don't make land anymore. 土地は、新しく作れないからね
というわけです。しかし、つむじ曲がりの私は、今日、こんなことを考えてみました。
別のところで、調べたところでは、日本のインフレ率は、この40年の歴史で見てみると、消費者にとっては、平均3.5%といった推移です。
これは、20年で、1万円の価値が、5,000円に半減するイメージ。あるいは、20年前の1万円で、買えた物が、半分しか、買えない、そういうイメージですね。
それに対し、地価の推移を思い出してください。現在の地価水準は、1985年から見て、ちょうど、同ランク。
しかし、日本の地価の統計は、通常、インフレアジャストしてないです。
つまり、1985年に銀行の普通預金に入れておいた、1万を、今引き出してきても、消費財なら、半分しか買い物できないのに、乱暴な言い方をしてしまうと、土地は、当時と同じだけ、買えるのです。
1985年に資産を土地に換金していた人は、この資産を流動化するとき、半分に目減りしているのですね。
そうすると、たとえば、1985年に、1億円を、土地に換金した人がいたとします。
その土地の収益性が、たとえば、毎年、各種支払い後、実質、5%だったとしたら、その1億円の土地は、20年の間に、500万×20年=1億円の収益を上げたことには、なります。
いけなくはありませんが、
★500万は、そもそも、1億ある人にとっては大きな年収ではない上に
★20年後に、元本の資産性は半減した
こうなります。
20年後に、この土地を流動化すると、結局、また、1億。
額面価値は同じですが、20年前の一億と比べ、消費者物価に対する購買力は、半額に落ち込んでいます。
この程度が、本当に資産性があったといえものなのでしょうか。現金で持っているよりましたっただけ。
20年間の収益を計算に入れて、ようやく、インフレヘッジになっただけ。
インフレヘッジであるだけでは、資産形成ができたとはいえません。そこで、これが、冒頭の、私の質問。
日本では、建物のほうは、長期資産性に乏しいことは、みんな、納得しています。しかし、それでは、土地のほうなら、本当に資産なんですか?
もちろん、プロの方は、笑われるでしょう。
「表参道や、銀座を見てごらん。20年前に1億もっていた人が、いいエリアに投資をすることで、それを、3倍、10倍にもしているさ、中山は、世間知らずだなあ」
もちろん、それは、おっしゃるとおり。
統計というのは、負けたエリアも勝ったエリアも標準化してしまうだけの話ですから、私が、「統計を見ると、20年前に土地を買って、今、インフレヘッジになったかならないかではありませんか」といったところで、それは、統計を、単純化をしているだけで、それが、この期間の、プロの不動産投資家の実感と整合しているという意味ではないわけですね。【逆に、この間のバブルに翻弄された「プロ」の方も多いでしょうが】
しかし、地方在住者をはじめとして、庶民の私たちは、表参道や銀座に投資をしていく機会よりは、通勤や就業に便利な自宅にまず、「資金投入」しています。せざるを得ないのですね。
そして、その資金は、バブルに無関係に単に生活、通勤の場としていた場合、
■建物は、20年もたつと、無価値評価
■土地は、インフレで価値は半減
した確率は、相当高そうです、、、
■家賃を払うよりは、いいからね、、、
■年を取ったら、賃貸もままならないから、、、
■相続の評価があがったら、大変だから、、、
一般庶民にとっては、なんとも、さびしい、国策【そうです、こういう現状は、私は、国策だと断言します】ではないでしょうか、、、
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