過去失敗談:母が買った物件
私がベガスでうまくやっていたとき、母に、「値上がりするから買ったら?」と薦め、「それなら、ゴルフに自分も行ける別荘代わりの投資物件を」ということになりました。
レアルターが薦めて来たのが、ゴルフコースに面している物件。とはいっても予算が限られるから、最高ランクの物件ではなく、シニアコミュニティといって、55歳以上の人しかオーナーになったり住んではいけないタイプのコミュニティ内にあるタウンハウスを、30万ドルちょっとで買いました。
家具を入れて、一ヶ月単位でレンタルに出し、余った部分は自分が使う。それで、ある程度値上がりが取れれば理想なわけです。
しかし、状況が悪かった。
この物件は、振り返ると、ラスベガスのバブルピーク時に買ってしまったことになりました。安値で買って高値で売れれば最高ですが、それが簡単ではないのは、株も不動産も同じ。株の神様のウオーレン・バフェットも、結局はファンダメンタルで中長期に資産を形成するべきだといっているじゃないですか、、、
しかも、父が、「ゴルフをする程度で、海外になんか行きたくない!」ということで、両親は、結局一度も行っていません。50年以上結婚しているのに、どうしてこう意思疎通が、、、
この物件、貸しに出しても、1年の半分くらいしか埋まりません。私の持っているような物件と比較すれば高級な物件なので、メンテが高く、毎年、母は、1万ドルの赤字です。しかも、値上がりは、それに見合うほど、せず、逆に、ここ3年のラスベガスは、新築も売るのに四苦八苦しているデベロッパーばかり。
後10年以上持っていれば、最終的には、2倍とかに、値上がりする可能性は高いです。しかし、家賃でこの状況が続けば、それには、毎年1万ドル、つまり、10年として、1200万もの追い銭が必要になります?
母は、別に金に困っているわけではないので、それほど気に病んでいないのですが、自分のせいとはいえないながら、管理を任されている私は、いつもこの物件については、ため息ばかり。
反省点
1)二兎を追ってしまってどちらも得られない状態
2)値上がり狙い戦略で市場を読み誤った
私自身が物件を買うときには、自分が好きかなんて考えません。その意味で、こうした買い方は絶対しないのです。また、特に最近の私は、「値上がり追随」からは、一線を画し、物件を買うときには、
(A)現在のキャッシュフローが魅力であるか、
(B)現在の購入価格が、査定額よりずっと低いか
のいずれかをはずすことはありませんから、ましてや、この手の失敗は、しないでしょう。本当を言うと、その数年前にも、やはり、30万ドルの物件を母に薦めたことがありましたが、そのときは、母は、資金がなかったほか、私も母も、市場に対する認識がなかったのです。その物件などは、その後、億単位になりました。素人には、タイミングをつかむということは、どうしてもできないのです。
対策としては、何とか、早いうちに売ってしまい、ロスを損切りして、別の投資にまわすことを薦めたいと思っているのですが、それすらも、市場が弱くて、実現のタイミングを、現在も見計らっている最中です。
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