不動産のシーズン
不動産にシーズン? 初級者の方は、驚くかもしれませんが、例えば、日本でも賃貸客付けが動くのは3月からの引越しシーズンであることは、どなたも、ご存知だと思います。
それに対して、お盆は? お盆にお引越し、なんていう方、珍しいんではないでしょうか。【ただ、最近は、そういうキャンペーンなどで引越しやさんが安くなると言った状況があれば、「いいじゃん」という若い方も、いるかと思いますが。】
それと同じで、アメリカ不動産にも、シーズンがあります。
具体的に言うと、だめな時期、動かない時期が、12月、1月。サンクスギビング(11月第3木曜日)から、tax return(税金の還付。2月以降)のシーズンまで、というイメージですね。
この時期は、賃貸も売買も動きません。
賃貸、売買、どちらが先だつのかわかりませんが、サンクスギビングやクリスマスは家族と過ごす時間である上、プレゼント代や旅費で、消費もかさみます。東部など雪が降るエリアで、この時期に、わざわざ、スノーベルトをつけて、トラックに荷物を積んで、引越しをしたい人がいるわけがありません。
それに対して、2月から4月は、みんな、税金の還付金を持って、不動産ショッピングに出かけます。春先から夏にかけては、やはり、動きが多い時期。不動産関係の統計も、「過去の同じ月と比べて」【つまり、2月だったら、1月比ではなく、前年度2月との比較が統計的に意味がある】となっているのは、このシーズン性を前提にしてのこと。
ですので、これを知っての対処、知識には、いくつかのポイントがあります。
■12月に賃貸の客付けが必要な空室物件を抱えていたら、強気でいられません。このエリアの相場はいくらだから、なんていっても、とにかく動きがない状況なのです。
■物件購入時には、これを考えに入れて、行動するべき。12月に空室の物件のクロージングをして、入居がすぐかと思ったら、翌年3月まで空室だった、なんてことがあっても、物件のせいともいえません。
■物件売却に適当なのは、やはり、春先から。10月に売りに出した物件が、3ヶ月以内に希望価格での買い付けが出なくても、当然なのです。
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こうしたシーズン性を前提にして、逆に、
■12月だから、格安で物件をゲットしよう。数千ドル、1万ドルといった額が安くなるなら、1-2ヶ月空室が続いても、ペイするぞ。
■10月に入居者が退去してしまったなあ。11月末からの魔のシーズンが近いから、相場より、50ドル、100ドル安くとにかく客付けしてしまおう。あるいは、一ヶ月無料キャンペーンをしよう。
といった戦略を立てていくのですね。
ただ、気をつけたいのは、寒くなるエリアでは、空室物件に生じうるトラブルは、冬の間、倍増。クロージングに基づき、遠距離で投資物件の引渡しを受けるときは、物件の状態についての十二分の注意も必要です。
たとえば、私が物件を持っているデトロイト。冬は、積雪が、12月から3月くらいまで続くことが多いですので、客付けも苦戦が予想されるほか、たとえば、建物検査をしようにも、「屋根の上は雪が積もっているから細かく見れない」、「建物周りも雪に埋もれて、土台が詳しく見れない部分が」「ドライブウエーが雪かきされていなくて、アスファルトに裂け目があったのが、気がつかなかったよ」といったことが万が一にでもあると、春になってから、「計算外」に、困るかもしれません。
但し、これも、その年の積雪状況によりますので、「今年は雪はまだ積もりません」といわれれば、検査をするにあたっての支障はないことになりますね。
さらに、エリアやロケーションによって、こうした問題をそれほど感じなくてかまわない場合もあります。ベガスの私のレアルターさんは、ベガスでも良好ロケーションだけを扱っており、賃貸についても、ベガスの人口流入が、季節が変わらず続く状況の中、冬が、大きく落ち込むということは、それほど、経験していないといっています。
まずは、一般常識を押さえ、その次に、個別事情を問い合わせ、調べていきましょう。
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