良い投資物件とは「ある」のでなく、「作っていく」のです
初級レベルの方は、よい投資物件というのは、「ある」もので、それを「探す」プロセスが、不動産投資だと思っています。これは、私の経験に引き照らしても、私自身が、最初の3年間は、思っていたことだと思います。
それに対して、現在の私が思うのは、
優良/特選投資物件というものは、あるのではなく、作るものだ
ということ。
イメージ的に言うと、「よいレストランがあれば、そこのお勧めのセットや定食をオーダーするよ」と思っているのが、初級者。何年もやっていても、そのレベルの方もいるかもしれません。そんな方は、常に「情報を持っている不動産屋さんと出会うこと」が投資の一番のポイントだと思われているのでしょう。
私自身は、「本格的な投資家になりたい」という方に対しては、「本当においしいお料理を安く食べたければ、自分で八百屋さんやスーパーに行き、自分でお米の炊き加減を塩梅して、すべて自分が献立を作るしかないですよ」と申し上げたいのです。
初級者がよくしてくるのが、こういった問い合わせ。
XW州【たとえば、カルフォルニアやテキサス】でこういう物件についてよいかどうか、教えてください。
再三お断りしていますように、そうしたご相談には乗っていません【責任ある回答ができないから】が、注目したいのは、その質問の仕方。
その物件が「よい」か「悪い」か、が客観的な基準で判断できると思っている節がありますね。
それに対し、私は、こう考えていきます。
・物件のロケーションの賃貸客付けは、どんな客層か
・融資は、自分はどんな融資が取れるのか
・頭金はいくら準備するのか
・予備金はどれくらい準備できるのか
・計画は、短期値上がりか、中長期ホールドか、
・プランAが頓挫したら、BやCはどうするか
ロケーションひとつとっても、「よいロケーション」と「悪いロケーション」というものは、別段、客観的には、存在しません。あるのは、エリアの特性。あなたが、地元の在宅フルタイム大家さんであれば、よその人が恐れるような地元物件に手を出し、成功できるかもしれません。
私が投資をしているデトロイトの案件は、いずれも、一般的には、はっきり言って、薦められないロケーションと評価されるだろうと思います。「もっと薦められないところ」と差別化し、管理戦略まで総合的に考えており、また、空室率も、100%に近いような高い回転率を期待しないような形でやりますので、私自身は、OKとしますが、「エリアが悪いから嫌だ」とお考えになる方がいて、おかしくありません。
そして、エリアや案件を選べば、アメリカでも、日本でも、「現在の賃借人の退去の日には、すでに次の客がついている」なんていう案件もあるのですから。【ただ、そう言う物件は、利回り自体は、modest(大きくない)ものです】
自分がどんな融資が取れるのかが(現金投資できるのかも含め)、投資案件の成功率を、大きく左右させます。私の持っているノースラスベガスの物件は、円ローンがついているから、「優良案件」ですが、円ローンがつけられない人が買っていたら、「ご愁傷様」。
以上のように、投資案件は、
人それぞれ
カスタマイズ可能でもあり、必要
なんですね。「手間」をかけた分が、エクイティや利益となって戻ってくると断言して、間違いないと思います。
この前、「共働きで、時間があまり取れませんが、融資枠が取れたので、カルフォルニアの自分の家の近くに、よい物件を探したいので、よい方法を教えてください」というお問い合わせがありましたが、相当そっけなく、「(勉強のための)時間が取れないなら、不動産投資はやめたほうがよいです」と申し上げてしまいました。
こういう方に、私でお役に立てることはありません。フツーの仲介専門の不動産屋さんにカモられてください。
私のお客様も、皆さん、私の言っていることを盲目的に信用してお金を振り込んでいるのではなく、大体、いろいろ研究して、英語資料なども読める方は読まれ、私のお勧めする投資案件が、「自分にとって良いものなのか」を、相当、時間をとって、研究してくださっています。人によっては、「やっぱりやめたよ」という方も、当然います。
その人の経験レベルに関わらず、私が尊敬する投資家【希望】の方というのは、ご自身が、投資家として、最終判断を下すことを当然とし、そして、そのために、猛勉強、されておいでです。人によっては、明け方、また夜中に熱心なメールをくださいます。きちんと責任のあるお仕事をされた後、ご家族との時間をとったら、投資に費やす時間は、そんな時間になってしまうのです。
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