不動産にも、ポートフォリオ作りが有効
不動産は高額なので、「ポートフォリオ作り」という考え方は、難しいといえば難しいですが、私自身は、不動産投資家は、そういう考え方を身に着けているべきだと思います。
例えば、すでに日本で不動産投資をされている方が、私にご相談に来る場合は、そういう言葉遣いはしていなくても、
■今は、日本で自分がこれまでできていたような投資ができないから
■日本でやっているのと違う投資をしたいから
おいでになっているのであって、それは、まさに、portfolioのdiversification【分散化】ですよね。
株式やファンド投資をやられている方は、定期的にパフォーマンスを研究し、ポートフォリオの整理【去年や今年、パフォーマンス最悪だった不動産関係のファンドを清算された方は多いのではないでしょうか】をされていると思います。
実は、不動産も、期間はより長期にわたってのスパンにわたると思いますが、最終的には、同様の行動をとらざるを得ない場合がありえます。
日本で中長期に不動産投資をされている方は、単純な「値上がりしたから」的な売買のみではなく、「そろそろ手放さないとやばいかも」的な売買を経験されている場合も、多いでしょう。
私自身、長期所有による地味なインカムゲイン戦略が、不動産には、一番適していると思い、実際、「アメリカでは、物件が古くなるというだけで手放す必要はありません、買った物件は、長期に持ちましょう」といった発言をしていますが、しかし、他方では、不動産だって投資のひとつ。見込み違い、損切りのシナリオもありえないとはいえません。
買ったときは、万全を尽くしていても、数年のうちに、「負け」色が濃厚になり、しかも、それが、自助努力では、解決が難しいようだったら、正直、損をしてでも、切って出直すことが適当な可能性があるわけですね。
そもそも、「損切り」や「ポートフォリオ見直し」の可能性、必要性からいったら、それは、物件を買う場合、あらゆる状況、ケースについて、存在しうることです。物件はうまくいっているが、オーナーが手元不如意になり、あるいは、よりよい投資を追及するために、現金化、ということもありえます。
物件自体のニーズに基づいて判断をすれば、よりうまく買えれば、その必要性は低く、うまくいかなければ、その必要性が表面化しうるわけですが、買うときは、それなりに考えてやっているわけですから、起業とまったく同じで、場合によっては、「努力不足」や「注意不足」だけではなく、市場環境の変化などに伴い、とにかく、「結果が出せなくなった」場合も、ありうるわけです。
こういうときのセーフティーネットになるのが、ポートフォリオ分散化です。
私自身、「細かいな」といわれますが、お客様に、「2,000万あるとしたら」といわれれば、「やり方はいろいろあると思いますが、2,000万あって、しかも、2,000万以上はないのなら、1軒につぎ込むのはよくないです」と必ず申し上げます。
つまり、、、
1億円の余剰投資資金がある方は、100万単位の投資は、細かすぎて、馬鹿らしいです。そういう方に相談にこられたら、私も、「1軒300万から行きましょう」とは、申し上げないでしょう。
しかし、2,000万が貯金のすべて、という方は、それを、一軒に突っ込むのは、やはり、危険なんですね。そういう方が投資初心者だとしたら、そもそも、貯蓄の半額以下から始めるべきでしょう。
残念ながら、利益がコミッション制の不動産関係者だと、ここの部分で、「2,000万ある」と聞くと、「その枠一杯一杯」の物件を薦めていくことがありえます。
具体的に考えてみると、2,000万をてこに、ローンを組ませれば、1億の物件を買ってもらえ、その3%は300万で【両手なら、600万】、2,000万の物件を現金で買ってもらうときの手数料とは比べるべくもありません。
以上のようなことも、ありうるので、大口案件の投資は、それが、本当に自分の投資家としての経験につりあっているのかを慎重に見極める必要があると思います。
さて、私自身のお勧めする高利回り物件投資は、いずれも、小口。最悪のロスの場合も、現金投資ですので、ロスは、100万単位だと思います。
↑ここ、ある程度、投資や、不動産を知っている方なら、「本当にそうだね」とうなずいてくれるはず。
逆に、これを聞いて、「ぎょっ!ありえないよ。中山の投資って、損する可能性があって、しかも、その額は、100万単位だって。やっぱだめじゃん」っと思われた方は、そもそも、投資や起業一般に、向いていないかもしれません。
そういう方は、私のやっていることをされる必要はありませんが、ひとつだけ、覚えておいたほうがよいことがあります。「自分の薦める投資なら、そんな損は絶対させない」と言ってくる人がいたら、その人のほうが、信用できないのです。
投資には、リスクがあるんだ、というと、ほとんどの方が、「当然だよね」と、おっしゃいますが、その具体的な内容は、実際に着手した方でないとイメージしにくく、実際に「こういうこともあります、ああいうこともありえるんですよ」と、申し上げだすと、結局、恐れをなす方も多いので、くどいようですが、「私に相談してくださっても、こういうことは、ありえます」という例と言う意味も、込めて、「ポートフォリオの分散」の意義だと私が思っていることを、お話して見ました。
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