ラスベガス、成約件数に増加傾向が
2008年の夏の今、「ラスベガスは、底を打った」と皆さんに申し上げるに足るような理由はありませんが、実は、私がディープに投資をしているラスベガスやデトロイトは、あまりに安くなったので、売買件数自体は、最近、増えています。
2006年次ピークには、家の中位値が、31万5,000ドルという価格帯をマークしたラスベガス。これに対し、この2008年6月のそれは、22万5,000ドル。
USA TODAY紙は、「その結果、売買件数が増えた」と言及しています。
本文は、こちらから。
ちょっと表を借用させていただくと、、、
2007年6月の売却件数と2008年6月の売却件数を比べると、ベガスは、なんと、50%UP、それに対し、アメリカ全体は、14.8%DOWN。
「カナダ人をはじめとする外国人が、競売物件を買いあさっている」
というのです。
売買件数が増えたということは、一部の投資家が、ベガスが、将来性がある市場だという信頼感を見せたと、評価できるでしょう。
もちろん、「人がやっている」からだけでは、「自分も」という考え方になる必然性がないので、こういう統計を援用して、「だからこうしましょう」といったような結論をすぐに引き出すのは、よくないと思いますが、、、
ただ、私自身、長期的な指標を元に、こうした「現在、買いの姿勢を見せている投資家」の方々と同様の考え方をとり、ベガスの回復が生じることをある程度、期待してこそ、このエリアをご案内していることは事実です。
ひとつ、実は、困ったことはあります。
それは、「競売物件の比率が大変多いので、値崩れが著しく、物件の市場価値を評価することがとても難しい状態が生じている」こと。
例えば、「近隣直近売買歴」を確認するとき、競売物件が多かったり、あるいは、一番安く売れている競売物件に、評価が引きずられたり、、、
「ガラガラ」という、音まで、聞こえそうな値崩れがおきている中、市場を理解する能力が、それなりに問われていることは、間違いありません。
この記事の下方に、典型的?な、22万5,000ドルの物件例が出ています↓
外見は、どうといった不都合はなさそうですが、築1985年の3BR、競売もので、22万5,000ドル。中がどうなっているかもわからない他、一番の曲者は、プールでしょうね。数年、水が入らず、放置されたプール、、、ブルブルッ。【水を入れたり、作動をさせてみないと、壊れているか、修理が可能か、しかも、それにいくらかかるかがわからない。また現在、水道代、維持費や保険が前よりさらに高額になっているので、場合によっては埋めるのが一番の得策。】
実は、こういった物件が、査定にあたって、「近隣売却歴」として絡んでくると、なかなか、修理不要物件は苦戦する状況が生じることもあるのです。
細かい話のようですが、実は、不況時の一般鉄則に、
不況 → キャッシュイズキング
含意 = 1)現金が強い、
2)融資がつきにくい
というものがあります。
2)のほうは、なかなか、気がつきにくい盲点ですが、「先見性のある投資家」と自認される方は、同時に、この時期、銀行も敵方に回ることを覚えておかれるといいでしょう。
私自身は、アメリカのことしかわからないので、アメリカの話ばかりですが、どこでも、銀行の融資基準が厳しくなるのみならず、日々刻々変化することが、売主にとっても、買主にとっても、大変な頭痛の種となっています。
そうした中では、円ローン自体は、貸し渋り顕著とまでは、いえませんが、融資基準となる担保評価については、こういう状況だと、きびしめなことがありうることを、お伝えしておいたほうがよいようです。
多くの場面で顧客志向が強い円ローンですが、この一点だけ、融通が利きません。
アメリカの銀行なら、査定が帰ってきて、顧客が、それが気に入らなければ、もう1、2本、査定をしなおすことが可能な場合が多いのですが、この銀行では、査定は、絶対、指定業者の1本だけなのです。
*********