円ローン申請に必要な預貯金
円ローンの方針はいろいろ変わります。「物件を決める前に、まず、融資枠を取ってからでないと、忙しくなります」というご案内に対し、預貯金について、「逆にどれくらいあればいいのですか」というお問い合わせが多いので、お答えしたいと思います。
2008年8月現在、「仮審査決定通知をもらうためには、最低、希望購入価格の30%プラス小1万ドルが必要です。」
実は、去年までは、年収1,000万程度で、特段負債がないような方については、預貯金額自体をまず見せなくても、大きな融資枠が取得できました。
しかし、それをやってしまうと、実際には、貯金がない方も、枠だけを取得希望されるという「手間の問題」が出たのでしょう。
多通貨モーゲージの融資額が爆発的に増えている現在は、銀行も、「希望購入価格の30%以上がないと、仮融資決定も出しません」と方針変更をしているのです。
いずれにせよ、仮融資決定は、6ヶ月間のみ、有効なものであって、半年後に、それを使わなかった場合、自分の属性が変わらなくても、銀行の方針がどう変わっているかは、不明です。
なので、「物件取得前に仮審査をお受けください」とお願いしていますが、しかし、「欲しい物件タイプの見当がまったくついていない状況で」仮審査を受けられても、現実的に、6ヶ月内に物件を取得できる可能性というのは、相当低くなります。
もちろん、仮審査決定を受けるプロセス自体は、無料ですので、「それでもよいよ」とお考えになられてかまわないわけですが、私自身は、現実に直近6ヶ月以内に、プロフィールを絞り込んだ物件を購入することが決まっていなければ、逆に、銀行に不要な情報を与えてしまうことは、メリットにはならないと考えています。
というのは、申請方法には、例えば、単独名義では収入が追いつかない場合、夫婦名義で、配偶者の所得を計算に入れる、あるいは、お子さん名義で親御さんが物件を買う、等、いろいろなオプションがありえますが、ターゲットが決まっていれば、そのときの融資基準に基づき、希望の物件を取得することを目標としたプレゼンを考えることで、3日で「パン」と通る書類を一式、最初から用意したほうが、簡単で、いろいろ聞かれないですむものなのです。
投資希望エリア的に、「これくらいないと」という枠というものは、ある程度、決まってくるものです。例えば、サンディエゴ市内に、一般的なランクの物件が買いたければ、一戸建て3BRの出発点は、大体、現状、45万ドルくらいになるようです。
その場合、希望される融資枠は、31万5,000ドル。
見せていただく必要がある頭金は、13万5,000ドルプラス若干の余裕【通常、頭金に加えて、8,000ドルや1万ドルくらい、銀行の手数料などの各種手数料や支払い額に必要になります】。円ドルレートが、110円とすると、最低、1,600万円の流動資産をお見せいただくことになります。
その「流動資産」は、例えば、オフショア投資信託でも、株式でもかまいませんが、ただ、会社預かりの積み立て式の退職金など、任意に現金化できない資産の場合は、見せていただく分には、プラスにはなりますが、「頭金あり」とは認められません。
アメリカの401Kも、「頭金」として、計算に入れてもらえます。
「家を今売りに出しているので、売却益を頭金として、当て込んでいます。平行して、先に、仮融資決定を取っておきます」といったお問い合わせがあり、手際のよいご相談には頭が下がりますが、残念ながら、「頭金がご本人様の個人名義になってから、お願いします」とお返事しております。
まとめますと、円ローンでは、
■仮融資決定申請は、実際に契約を締結する前の方が、楽【契約締結後でもご相談ください】
■「3割+」の頭金相当額貯蓄が見せられないと、仮審査決定は降りない
■漠然としたエリアだけではなく、具体的な物件プロフィールが絞りきれていないと、
申請により、後で損をするかもしれない
となります。
「将来のアメリカ投資に向けて、貯蓄に励んでいます、情報収集をしています。自分の属性では、どれくらいの与信枠が取れそうですか」というだけのご質問でしたら、私に、申請に必要な所得関係の書類をすべて見せてくだされば、対アメリカであれば、大体、そのときの目安を、ご案内できると思いますので、「まだ漠然と」という方は、申請手続きまで、進めることはありません。
一般的な指針としては、借り起こしが多いタイプの事業【不動産業など】を専従で営まれている方のローン取得は、相当困難になると思います。それ以外のオーナー様の場合でも、事業を黒字決算されている上に、ご本人様自身、それなりの収入を計上している必要があります。
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