いつが、買い時ですか?
私のブログを見て、最近、在米の方が毎日のように、ご相談のメールをされてきます。いろいろなエリアに居住中の皆さん、聞きたいのはこの一点のようですね。
「自分のエリアでは、今、自宅/投資物件は、買い時でしょうか?」
こうした方々は、コミッションで生活をしている不動産屋さんに聞いた答えだけでは不安なのでしょう。確かに、
Now is the best time to buy. 〔今が一番の買い時ですよ〕
What goes down must go up. 〔下がったものは、また上がりますよ〕
といったマントラを、オウムのように繰り返す方も多いというか、初級者には、「良い不動産屋さん」と、「あまり知識などがない不動産屋さん」とを区別したり、後者を見つけ出すノウハウが、なかなか、ないものなのです。
さて、このブログで申し上げているように、具体的なアドバイスを第三者様に申し上げることはしていません。それは、そういうアドバイスをすることが、とても難しいからです。
一般論だけ、申し上げれば、たとえば、ハワイの場合だったら、2000年から2002年くらいが、市場としては、底値でした。2005-6年には、物件価格は、軒並み倍になっていると思います。
今、ハワイの物件は、動きは鈍くなりましたが、しかし、カルフォルニアやネバダのように、大きく、値下がるような動向はなく、あえて言えば、動きがないままの高止まりでしょうか。
さて、こういう状況で、一般的に、「ハワイは、今は、買い時ですか?」といわれても、「それは、個々人の事情によりますし、市場の動向にもよります」としか、申し上げられません。
実際に、向こう何年もの間、住む家が必要な人にとっては、アメリカにきちんとした定期収入があって、貯金が潤沢にあって、リーズナブルなローンも取れるなら、今、家を、買えばいいと心から思います。利息は、控除の対象になりますし、将来値上がりしても、売却益に、優遇税制が適用されます。こういう状況では、資産にならない家賃を払うのは、つまらないと思います。別に、「今底値かどうか」を気にする必要はないのではないでしょうか。
逆に、ハワイに投資物件を持ちたいと思っているだけの方は、市場自体からいえば、もう一年、待てば、また、物件が、もう少し安くなるかもしれません、ともいえますが、しかし、別の記事でも書いたように、不況は、銀行融資取得にとってもアゲインスト〔向かい風〕なのです。
物件は下がっても、
融資のハードルは、あがってしまったよ
その結果、「市場が底値のときは、逆に、融資の状況が混迷していて、物件が買えなかった」ということも、ありうるのです。
日本で、今起こっていることが、それですね。
好況のこれまでは、銀行が、「フツーのサラリーマン」に、一棟物のフルローンを認めてきました。
それに対し、不況の現在、10%くらいは、頭金を投入しないと、等々、さまざまな融資基準の締め付けを、銀行が断行しているのですね。
熟練した投資家であって、現金が潤沢な人は、底値買いを自在にできるかもしれません。機関投資家さんなんかは、この良い例でしょう。しかし、われわれ圧倒的多数のミニ投資家、個人投資家は、そんなレベルになることは、なかなかありません。〔だから、数百万で、その体験ができるデトロイトをお勧めしているわけですが〕
こうとなれば、この記事のように、「中山さん、私のエリアは、今、買い時なんですか?」というご質問に対し、「それは、一概にはお答えできません。あなた本人が、もっと資料を収集して、判断することです」としか、お答えしていない私の考え方を、理解していただけるのではないでしょうか。
雑誌の特集なんかに、「買いたいときが買い時だ」なんて書いてあるのは、あながち、あおり文句とばかりも、いえないと思います。〔ただし、「実際に、自分が買える条件が整う時が」というもうひとつの条件が、当然、暗黙の了解で、ついていますが〕
ハワイの例に戻ると、ハワイで物件取得を考えられている方も、融資が自分の手の届く範囲で、取得できるのなら、今、買っても、おかしくないのではないでしょうか。ですが、たとえば、融資の条件が悪くて、賃貸に出したら、マイナスになるという条件でしか買えないのでしたら、数年内に転勤をしなければいけない可能性がある方は、借り捨てのほうが安心です。
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