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文化の違い? アメリカ人は、メールの返事が嫌い

最近、お客さんからよく聞く悩みが、これ。
  「メールに、返事がありません」

そう、アメリカ人は、メールの返事をするのが、大嫌いです。

不動産投資って、妙な商売で、投資家自身は、忍耐を持ってことに当たることで、ミリオネアにもなれたりしますが、不動産にかかわる関係者って、必ずしも、十分な報酬を受けているとは限りません。

まず、不動産屋さん。レアルターさんは、100%コミッションなので、マーケティングが命。真剣にやろうとする人には、ロスも経費も多い、長時間労働のお仕事です。

ローンオフィサーは、マーケティングがうまい人は、やはり不動産屋さん同様、収入に上限はありませんが、通常、コミッションは、不動産屋さんより低く、不動産屋さん同様、ただ働きも多い仕事です。今のご時世に、ローンオフィサーをやっていたら、開店休業、あるいは、忙しいばかりで、実際には収入にならないなど、とにかく、ゆとりがないでしょう。

タイトルオフィサー。名義書換代行会社、つまり、タイトルカンパニーでエスクロー【個々の不動産取引のための口座】を扱う人ですね。タイトルの決済手数料って、数百ドルです。なぜ、これだけ大事な仕事が、こんな評価なのか?どんな期待も、過大かもしれません。エスクローオフィサーのフォローをするのは、あなたの取引から、意味のある成功報酬を受け取るレアルターの仕事です。

保険のエージェント。これも自営で、日本より利益率が悪く、毎月の保険額の10%程度と聞いています。普通のサラリーマンの年収500万を目指そうと思ったら、保険額面回収額で、年間、7,000万くらいは必要になるのではないでしょうか。払うほうは、高い高いと思う保険ですが、不動産の場合、一軒、年間、1,000ドル(年間コミッション100ドル以下!)にならないのですから、はっきり言って、「苦しい仕事」だと思います。

さいごに、管理会社も、ご想像がつくとは思いますが、やはり、そんなに利の厚い職業とはいえません。私のブログを見て、管理会社の重要性に気がついたから、投資先で、よいところを紹介してください、そういうところに相談しながら買おうと思います、なんていう初級者の方がいますが、どんなに親切だからといって、管理会社に、「一見さん」の物件ショッピングに付き合うような理由は何もありません。私がそれができているのは、ずばり、私に、それだけの実績があるからです。

えーと、何がいいたいかというと、アメリカの不動産って、かかわる関係者の多くは、結構、薄利多売や、過酷なコミッション性、ただ働きが多くて、相当忙しく、また、苦労しているんです。

こういう中で、当方が何かお願いメールをすると、こういう業種にある有能なアメリカ人の典型的な反応は、


読んで、すぐできる案件について(だけ)は、即、手配し、いずれにせよ、返事はしない


です。返事を書いている間に、他の仕事をいれるんですね。

ここで困るのが、無能なアメリカ人との区別の仕方。こちらにとっては、これでは、


手配しない。返事はしない。


と、同じですから(爆笑)。

それに対し、昔ながらの日本人は、普通、問い合わせのメールをしたら、2日後には、こんな返事を期待しています。


*******

△△様。

上の件、承知し、早速手配をいたしました。実際に確認ができるのには、4-7営業日かかりますので、その段階で、再度、ご報告をいたします。■■については、これこれこうなっておりまして、その詳細は、××となっております。当社取扱商品、わかりにくくて申し訳ありません。その他にも、この間、ご質問等おありになれば、なんなりと、お申し付けくださいませ。末尾になりましたが、△△さまに置かれましては、急に涼しくなりましたところ、お風邪など召されませんよう。

○○
○○会社
住所
連絡先

************


この前、ベガスの管理会社のオーナーと話す機会があったときに、日本人投資家様は、「OK」とだけ書くだけでもいいので、返信メールを、求めているのです、とお話したところ、「文化の違いね」といわれてしまいました【爆笑】。

無能なアメリカ人にメールを打って待っていても、何も起こらないので、結局、そういう場合は、やはり、何度でも、確認を取る必要があります。そういう意味では、「返事を出す出さないという、文化の違い」とはいえないと思うのですが、「相手の気持ちをおもんぱかることと、能率を優先することのどちらかを選ぶか」という究極のレベルでは、文化の違いなのかもしれません。

つまり、有能であろうと、良心的であろうと、アメリカ人というのは、接客の場面ですら、つまり、お客さんに対してすら、「わかりました」といった返事を出す労力が、無駄だと思うのですね。それよりは、仕事を早く切り上げたり、別の仕事にかかるほうが、よいという社内合意があるのです。

アメリカの労働生産性の高さの秘訣はこれなのか【一つ一つの仕事ぶりが粗い代わりに、同じ時間に、より多くを達成しようとする】?アメリカ人は、日本人以上に多大な責任や仕事量に追いまくられているとも解釈できるかも。いずれにせよ、これは、アメリカ投資を考えられる方は、覚えておいたほうがよいのかもしれません。


「正統なる日本人」の皆さんに私から言えることは、以下の一般原則でしょうか。


■相手に過度の期待をしない。

不動産投資にかかわるアメリカ人は、このように、みんな、自営業や100%コミッション制。サービス業は過度に合理化されており、向こうは、秘書部門やらのバックサポートはゼロの状態で、ぎりぎりまで、働いています。上場していたりするような会社の社員やサポート体制を相手にやり取りをしているわけではなく、こういう場合、相手の立場や報酬体系に応じた働き以上のものを求めるのは、かわいそうというものなのです。返事がない場合、「自分の相談ごとには、返事をできないんだ」と「空気を読む」必要もあるかもしれません。


■メールをして、それを読んで対応してくれているタイプの人かどうかを見極める。

継続的な関係の場合、最初、こちらが相手のワークスタイルを確認をする必要があるかもしれませんが、やることをやっていても、(最終的な結果が出るまでは)返事がないタイプの人であることがわかったなら、その人のやり方をある程度受け入れるしかありません。こういうタイプの人相手の連絡は、普通だったら、メール一本プラス、メールした旨の簡単な確認の留守電一本で、OKです。


■自分はまめになる。

別の記事でも書きましたが、話をする必要があるのなら、「ストーカー」になってでも、メールではなく、こちらの夜中時間に、夜通しで、向こうに電話をし続けてください。これが、いやなら、メールをしたら、相手のペースに合わせて、返事を待つ上の方式(の繰り返し)になるわけです。


■長いメールは出さない。

私なんかは、一日家にいるだけですので、まだ、長々とした問い合わせのメールにもお返事を書けますが、正直、こうした「日本流」の丁寧なメールの返事を書いていると、何十分も使っていることがあり、忙しい時には、やはり、「要点だけメール」に切り換えていますので、私自身、まま、そっけない印象を与えていると思います【スミマセン】。外回りの仕事をしている人が、オフィスに戻ったら、2つも3つも質問や問い合わせ案件が入っている長文メールをもらったら、返事を書くのに時間がかかる、そんな時間はない、だから返事は書かない、ということは、よくあるものです。この前、多少、言及しましたが、「相手に、求めることを明確にした、三行メール」が、アメリカ人対策には、よい目安です。

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