デトロイト決済案件 フォローアップの裏側から
私がご紹介しているデトロイト投資案件は、いずれも、修理なしでお出ししています。
そもそも、遠隔の投資家が、修理案件を手がけるのは、良いアイディアではありません。要修理物件を買うことに意味があるとすると、それは、がくっと値段が安くなる場合ですが、しかし、遠隔初級者にとって、許容範囲があるとすると、カーペット取替えと壁の塗り替え位しか、思いつきません。
しかも、それだけだと、「そこまで安くなるほど」の要修理でないので、割引しても、5,000ドルくらいとかのことも多いです。もちろん、馬鹿にするような額ではありませんが、融資が取れるのなら、多少価格が高くなっても、修理がない案件のほうが、当初の総合支出は減らせる可能性が圧倒的に高いです(修理代は、自分が融資取得後、別途、払わないといけないから)。
しかし、修理なし案件と思っても、思わぬ出費が出ることは、ありえます。売主側に悪気が無い場合もありますが、しかし、一般仲介で、建物検査をした上で、それがわかったら、なかなか、相手を追及できません。
この前、デトロイト投資案件で、こんな事例がありました。
購入案件は、検査結果もよく、私も安心していたら、何と、暖房の温風をまわすダクトが、一部、欠損していたということだったのです。
暖房機自体は、稼動しており、インスペクターは、作動を確認し、すぐ、スイッチオフしたらしいのですが、各部屋に本当に暖かい空気が出るかを、一つ一つチェックまではしなかったらしいのです。
小さい家とはいっても、地下室があり、一階には、寝室2部屋を含めて4部屋、二階に、屋根裏改造寝室があり、合計の広さは、150平方以上あります。確かに、まだ寒くないこの季節に、一つ一つの部屋に暖かい空気が出るのを確認していなかったというのは、微妙な見落としですね。
ちなみに、アメリカ式の暖房システムについては、例によってのたまたまのグーグルサーチですが、こちらのメーカーさんの説明が、英語ですが、わかりやすいようです。
売主によると、「なぜか、一部の部屋にいくはずのダクト回し部分が、欠損していたのがあって、前の居住者が、どうやって、冬をすごしたのかわからないんだ」というのですから、何かの手抜き工事なのか、、、泥棒が入ってとっていったということではなかったのです。
まあ、日本の家なら、局所ごとの暖房ですから、一部の部屋が暖かくないという状態があっても普通ですが、、、
これは、いつ、わかったかというと、この物件は、契約締結の数日後に、テナントが入居したのですが、そのとき、賃借人をつけるために最近活躍してくれているエージェントさんが、フォローの良い人で、テナントさんとの入居時点検のときに、気がついてくれたというのです。
その結果、どうも、入居のニュースが数日遅れたと思っていたら、売主と話した結果、上の状況が明らかに。
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売主「テナントさんを入居させる前に、あわてて、ダクトをいくつか、付け直したんだ。今はもうOKで入居もしたから。」
私「そうだったの。ありがとう。いくらかかった?」
売主「あれやこれやで、300ドルくらいかな」
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この案件について、私の演じた役割は、入居が数日遅れたことについての事後説明を聞いたという、それだけでした。
今回、当方検査には、欠けるところがあったかもしれませんが、それに対するセーフティーネットとして、定型取引がある売主が、通常業務の範囲内で、任意に責任を果たしてくれたので、投資家様には、わざわざ、お話もしていません。
隠しているわけではないので、次回お目にかかるときがあれば、この記事でも言及していることですし、世間話代わりに「あれ、○○さんの物件の話だったんですよ」といった程度の「ご報告」はするかと思いますが、、、
すでにお分かりでしょうが、一般仲介で、こういうことが起こっても、誰からも、フォローはないと覚悟するべきです。
この事例は、金額的には、業者に外注しても、ぼったくられさえしなければ、1,000ドルくらいしかかからないような案件かと思います。よほどの業務懈怠でないのに、この程度のことで、数百ドルしか払わない、インスペクターさんに、「お前のせいだ」とねじ込んでみても、仕方がないですね。インスペクターというのは、本来、業務付帯保険以外の範囲では、「体ひとつの一人ビジネス」。下請け業者さんにばかり、大きな責任や義務を押し付けておいて、よいところだけをかすめとっていくような行動は、慎まなければいけません。
このインスペクターさんは、これまで、当方案件を、20軒以上もお願いしている方で、これまで、こうしたトラブルは一度もなく、今回も、「表立って責める」ほどのこととも、いいにくいように思います。(今回、注意はしましたが)
いつも言いますが、現実的な投資のトラブルというのは、「オールオアナッシング」とか、そういったレベルの話より、こういった、ちょっとした、「けちがつく」ことの連続から成り立っているものです。この件は、小さいですが、遠距離投資で、もっと立派な家を買い、同じような問題があれば、
■誰に見積もりを取る?
■相見積もりはどこから取る?
■修理終了の監督は、誰にさせる?
といちいち、頭痛の種になるでしょう。決済直後なら、決済を担当してくれたレアルターさんに頼み込むしかありません。冬になって、テナントさんからの連絡でわかったとしたら、決済後、何ヶ月もたって、管理会社に修理をしてもらうことになりますね。そのころには、決済に携わった関係者たちは、へたをすると、あなたの名前も忘れているでしょう。自分のセカンドハウスだったりしたら、、、、行ったら、最初の晩、暖房が効かないことに気が付いて夜をすごした、、、なんて、、、ありがちな「(もうひとつの)別荘ライフ」ですね、、、(大汗)
そして、もっと高くつく、「けち」も、当然、多いです。
こういうのが連続すれば、「想定上の投資のリターン」は、まったく違うものになります。これが、株式などではなく、実際の個々の物件を扱う、不動産の、難しさです。
そして、数をやっていると、こういった小さなことが、何かと、出てくるものだ、というのが、私が、「できれば、可能な限り、一般仲介案件には関知したくない」理由です。
「自分は、一般仲介は、絶対やらない」とは言いませんが、自分の案件ならともかく、お客さんのお手伝いをするときは、想定外の支出をお願いするのは、究極のNGパターン。
なので、取引の精度を高めるセーフティーネットのひとつとして、他のオプションがあれば、必ず、そちらを選びます。【デトロイトでは、このように、定型取引、ベガスでは、デベの完成在庫が、私のpreferenceです】
もちろん、自分自身が、家周りの知識豊富であったり、現地にいて余裕があるのであれば、一般仲介であろうと、気にしないで自信を持って、行動できる場合です。
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