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不動産屋さんのコミッション realtor's commission

アメリカのレアルターさんは、ブローカーに所属しているフリーエージェントです。正社員=基本給プラスボーナスやコミッション、ではなく、逆に、レアルター協会に会費を払い、場合によったら、ブローカー(日本人のイメージで言う不動産仲介会社)に机代を払い、その上で、コミッション中心の生活をしています。

コミッションは、多くのエリアで、通常、売主、買主ともに、3%です。両方のエージェントをつとめる場合は、6%となります。

契約で、多少、ネゴシエーションは可能で、たとえば、売り手と買い手両方のエージェントをつとめる場合【日本では、あんこ、両手といった言い方をすると伺っています】は、「4.5%にしましょう」といった交渉は、一般的です。

何十億もするような高額物件についても、同様です。

他方、「3万ドルの物件が買いたい」といったら、レアルターさんは、どんなにがんばっても、最大、6%である1,800ドルくらいの利益にしかなりません。向こうに売り手エージェントがすでにある市場物件なら、900ドル。そのため、割安物件の仲介依頼は、難しいのですね。

確かに、生活がかかっているとなれば、素人の、それも、海外在住のお客さんがやってきて、「市場に存在する、一番、安くていい物件を見せろ。気に入ったら、1軒、買うかもしれない。ところで、自分は、各方面不案内な不在オーナーになる予定なので、管理等その後のフォローについても、ずっと、手伝ってくれるか?」と要求してきたら、ため息しか出なくなるでしょう【苦】。こういうことがやりたければ、ある程度の「量」を、「タマ(現金)」に物を言わせて取引するつもりになる必要があります。当然、不動産自体にそれなりの経験がないと、買えても、そこからが、困ることが多いでしょう。

さて、レアルターさんは、ブローカーに所属しているわけですから、さらに細かく言うと、この3%、あるいは、6%を丸々手中に入れられるわけではありません。

新米だったら、自分でお客さんを見つけてきた場合でも、利益は、折半かも知れません。その代わり、ブローカーが、ある程度、OJTとして、書類作成やネゴシエーションの仕方など、面倒を見て、育ててあげるようです。

アメリカでは、売り手のコミッションのみならず、買い手の側の払うべきコミッションも、物件価格に込み込みです。そのため、物件を買う側は、手数料を、ローンに組み込めて、各種付随コストが安くなるというメリットがあります。

そうなると、こちらには、相手の懐事情はあまりわかりませんから、「コミッションから支払いがあるんだろう」と無頓着になりがちですが、エージェントさんは、

どんな物件に、どんな条件で取引にかかわるか

が死活問題です。

経験のあるエージェントは、ブローカーとの契約で、「全部自分でやれる」人だということで、逆に、3%あるいは6%のほぼすべてを手中に収めます。そのため、お客さんがついていて、会社のマーケッティングに依存する必要がないエージェントさんというのは、マイナーな地元のブローカーなどに所属していたり、自分自身が、「一人ブローカー/エージェント」だったりする場合も多いものです。

それに対し、経験のない、つまり、マーケッティング力のない駆け出しエージェントは、全国区だったりする大手のブローカーに所属し、テレビのCMやインターネット広告をたくさん出してもらっているという状況に、集客効果を期待してたりするわけです。


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この前、ラスベガスのレアルターさんと、コミッションの話をしていたら、彼が、「自分が売り買いした物件の相手エージェントの報酬分配が複雑で、契約書に、エージェントの名前が、10人も並んでいるのを見たこともあります」といっていたので、苦笑してしまいました。

そんな契約だと、決済によって自分が手中にする金額が、あまりに少なくて、10人のうち、だれも、契約締結に向けて、真剣に働いてくれそうにありません、、、【大汗】

こちらは、投資家ですから、自分の利益より、相手の事情を優先してあげるわけにはいきませんが、向こうがどうなっているか、ある程度わかってくると、コミュニケーション力は、増加するかもしれません。向こうにも、向こうの、事情があるのです。

コミッションに関連して一番気をつけなければいけないのは、向こうは、「予算最大の物件を買わせることにメリットがある」という「立場の違い」。

2,000万ありますといわれれば、銀行の融資が平常時であれば、「それでは、1億の物件を買いましょう」と来るわけです【今は融資がつけられないので、こういうシナリオは少なくなりましたが】。

私自身が投資家的な観点からアドバイスするとしたら、「不動産投資用の余剰資金が2,000万あるのであれば、初期投資は、その半額の1,000万で、残りは、購入後の予備金にとっておきましょう」というでしょう。

また、物件ランクとしては、よく、「通りで、一番、uglyな【醜い】家を買え」とよく言われますが、これは、本当で、そのエリア内で、一番予算的にmodest【質素】な家を選ぶほうが、エリア内で最高の家を選ぶより、投資効率は高いでしょう。好況になれば、後者のセールスが、前者を引きあげてくれるからです。

ただし、たとえば、「同じ予算だと、よいエリアにあるコンドミニアムか、ランクの落ちるエリアにある一戸建てのどっちかしか買えない」という場合は、通常は、ポテンシャルは、確かに、後者のほうが高いですが、現地事情に不案内な場合は、前者を選ぶべきだと思います。コンドミニアムは、管理組合費の比率が高く、毎月のキャッシュフローも、一戸建てに比べるとずっと不利ですが、そこら辺は、仕方ないですね。

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