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アメリカ投資家事情速報 高級コンドミニアム投資が危機に、、、

アメリカ不動産についての投資情報サイトを標榜しながら、あまりニュースは取り上げない私ですが、言い訳すると、それには、いくつか理由があります。メインをみっつあげると、

■私は、遠隔不動産投資の王道は、中長期のキャッシュフロー確保型投資が重要だと思っている
■統計を読みこなすのは容易ではないから、また、一般的な指標は、個別投資の動向と直結しないから
■統計は、先月、去年、下手をすると、数年前のもの。これからと直結するか、不明だから

でしょうか。

不動産は、株式とは比べ物になりませんが、それでも、新しい資料というのは、毎日のように出てくるものです。

しかし、不動産投資には、流動性というのは、余りありません。短期転売型のモデルであってすら、通常は、地元組(=つまり、たまたま居住地の近くでやっているだけ)が優勢な場合が多いのです。

そう考えると、REIT投資を考えるときには、市場の反応をうかがうために、headlinesは関係大なのでしょうが、中長期の実際の物件投資を考えるときに、全米規模で、直近新築物件件数や売買中位値などウオッチングしても、正直、対応できません。

ちなみに、2009年3月20日現在、2月の新築軒数は、1月に比べ、大きく改善、他方、売買総数や価格はさらに下がっています。

現在、業界が期待に胸を膨らませているのは、このように、価格自体が大変低いことに加え、オバマ大統領の不動産関係のリファイナンス等の支援策のほか、1月以降、first time home buyer【初めての居住用物件購入世帯】に対し、8,000ドルの減税措置があったり、一部金利が4%を切るところまで出るほど、金利が本当に低く、それらの結果として、ローンの最新申請総数が、大きく増えたことだそうで。

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昨日お話したある日本の不動産業者の方は、「今、アメリカは買い時なんではないかと思って、中山さんのブログをチェックしていましたよ」とおっしゃってくださいましたが、これについても、私のスタンスは、結婚、出産と同じで、「最適なときって、あるようで、ないようなもの」程度です。

あるといえば、あります。高齢出産より、20台の出産。しかし、高齢出産にも、家計が安定している、親が成熟しているなどのメリットがある、、、なんのこっちゃ。

私に言わせれば、不況時は、通常、別に、エントリーレベルの投資家にとっては、「買い時ではありません」。日本のプロの業者さんも、例外ではありません。

実は、一般に、初心者が市場参入するには、好況になりかけの時期が一番便利なのです。これだと、何でもいいから、レバレッジをかけてフツーに市場価格で物件を買うだけで、数年で、はっきりした見返りがあります。

他方、今、対米投資を始めて手がける方が、市場にエントリーするには、「好況の時期より、三倍、五倍の勉強が必要」だと思います。

だって、2009年の今、物件なんか買おうとしたって、外人に、ローンなんかつきませんから。

あ、それと、物件価格自体の回復は、一番いいエリアでも、3年では効きませんから。

つまり、今、「買い時」だといっても、フツーに日本人がイメージするエリア、つまり、

■カルフォルニアは、サンフランシスコ、ロサンゼルス、オレンジカウンティ、サンディエゴなど
■ハワイ、ホノルル
■フロリダ、マイアミ
■ワシントン、シアトル
■ニューヨーク、マンハッタンやウエストチェスター郡

などで、「将来のために、今、仕入れをする」ためには、1軒、1,000万の投資では、効かないのです。数億を5-10年ほど寝かせる必要がある方は、どうぞ。今は、あなたにとって、買い時です。

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アメリカ人は、最近、「2010年に、景気は回復するだろう」と言い出しましたが、これは、「2009年内に景気が回復すると主張するのは、やっぱりちょっと不自然かな、、、」ということで、ウルトラ強気、楽観主義のアメリカ人でも、環境が、あまりにひどいことを否定できない状況に追い込まれているから。

つまり、私に言わせれば、「2010年に回復する」という主張が今一般化しているのは、「2009年に回復しないということをアメリカ人は、やっと認めたのだな」と思っている程度です。【小売や株式は知りません。不動産についてです】

このoptimism【楽観主義】は、アメリカ人の専売特許。アメリカに転居すると、伝染するらしく、カルフォルニア在住の日本人の方なんかと話すと、日本語でそういうことを言います。おめでとうさん。

物件安、金利安、政府支援策ありと三本拍子そろって、ローン申し込み軒数が増えていても、融資市場の冷え込みは、ごまかしようがありません。

こんなニュース、今日は目にしました。

ファニーメイは、コンドミニアム(マンション、区分所有)投資の融資をバックするのは、やめようかな、、、だって。

特に、投資家比率が高すぎる案件は、疑ってかかるとのこと。こうなるとターゲットになるのが、コンドホテル投資やリゾートエリアの高級物件投資。こういったものについては、私はとにかく嫌いなので、前から否定的です。時代が、私にきゃっちあっぷだね!   


とまでは行かないか、、、(笑)。

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2009年次、今のこの市場エントリーに否定的なことを書きましたが、それは、「今までの景気のよい話」、上に上げたような素敵なエリアで行う、日本人がやりたがりがちな投資について。

他方、今、「三倍、五倍勉強する気」になれば、今、市場が回復したとき、足がかりができている可能性が高いのです。

というのは、上に上げたような「素敵」な市場で、新しくエントリーしようとする方にとっては、いったん、市場がヒートアップしてくるころになると、結局、やはり、お値段の関係で、融資がついても、折り合いがつかなくなっている可能性が高いから。だって、例えば、今度、外国人向けの融資条件が有利になるのは、多分、相当市場回復が進んでからになるのではないでしょうか?

たまに、本当に初級者の方から、「ロスに家がほしいですが、どうすればいいでしょうか」といった質問を受けますが、相当の富裕層でない場合は、「回り道」、つまり、足がかりにするための頭金自体を、何らかの方法で、築くステップを、一度踏む必要があると思います。

それは、不動産でなくてもかまわないのですが、その場合は、「不動産以外で、金持ちになってから、不動産関係者にカモにされるパターン」に陥らないよう気をつけてください。

さて、最後に、まとめると、私に言わせれば、不況時は、そもそも、「不動産投資を開始するのに最適な時期」とは、いえないと思いますが、しかし、「不動産投資で、下積み経験」をするのには、最適なんですね。昔の人がいった通り、苦労は買ってでも、するべきなのです。


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