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自分を見つけることができるのは、自分だけ fear factorと向き合う

仕事柄、いろいろな方のご相談に乗りますが、皆さんの悩みも、垣間見ることもあります。

■仕事や生活に流されているだけでは、いけない、、、
■老後対策のため、なにかしないと、、、
■アーリーリタイアをして、家族ともっとすごしたい、、、

誰もが痛切に思うことですが、その一歩を踏み出すことは、容易ではありません。人間は、迷いが多いのです。

ご相談を受けているとき、私に、自分の決断を、後押ししてほしいのだな、第一歩を踏み出すため、安心させてもらいたいのだな、と感じることがあります。しかし、私は、心理学も、営業も、わかりませんので、こういうとき、どうお手伝いをしたらいいかはよくわかりません。

「だいじょうぶですよ。お客様のお金を大きく増やしますので、安心して任せてください。」といったことを、言ってほしいのでしょうか。しかし、私は、立場以上、それをいうことができません。

投資にはリスクがつきもの。

頭でわかっていても、たとえば、私がデトロイト投資のリスクをご説明するにつけ、顔色が変わって来る方もいます。投資に慣れていない方は、投資商品というのは、すべからく、まともな商品説明をすれば、ディスクロージャーのほうが、メリットより多いことが、感情的に、受け付けられないのです。イマドキは、国内株を買うときだって、証券会社の営業マンは、ディスクロージャーをきちんとするようになっているのですが、、、

対デトロイト投資は、私に言わせれば、投資家プロフィールに適性がある方にとっては、中リスク高リターン。勝手をある程度知っており、大体のことを自分でコントロールできている私自身にとっては、低リスク高リターンな投資です。

この前、ロバートキヨサキさんの本を読み直していて、彼が、「株を買うというビジネスプランを立てても、銀行は、お金を貸してくれない。購入した株が価値がなくなるかもしれないというリスクに対し、保険会社は、保険をかけさせてくれない。不動産は、こういった種類の投資の中で、もっとも安全な投資だ」と書いていたのを見て、また、彼の表現力に感心しました。確かに、その通りです。

但し、そんなことを言っても、勝手がまったくわからない場合や、投資家にとってドル資産構築に意味がない場合は、対デトロイト投資は、高リスクでありながら、中/低リターンに見えうるかとも、思います。

こういう中、私自身は、営業をかけるのはキライなので、「やりたいですのでお願いします」といっていただいたときだけ、お手伝いするスタンスで、それが、自分にとってのストレスフリーです。

なので、ご相談者様が、自分の恐れを戦われている場合は、「それでは、ここで失礼しますので、方針が決まったらご連絡ください」と、帰ってしまうわけです。

誰しも、最初は、恐れがあるもの。私自身も、大体大同小異だったのだと思うので、このような”不親切な”自分のスタイルがよいとばかり思っているわけではありませんが、上にも述べたように、ご自身のcomfort zone(安心できる圏)からどう脱却してよいか、悩んでいる方のお手伝いを、物件を紹介している私自身がするのは、利益相反行為のような気がしますし、やり方によっては、投資商品について行うべき適切なリスクディスクロージャーの枠を逸脱することになります。

その結果か、私のお客様は、大体、決断力にあふれていて、「どうしますか?これこれこうなっています」と伺えば、直ちに、「そうなっているのであれば、こうします」と、お客様の考えをはっきり伺うことができます。

実は、投資というのは、開始時3割で、エグジットが3割とすると、残り4割は、管理です。私自身の一番の重点も、既存物件群の管理に注入されており、失礼ながら、正直、入り口段階でクヨクヨされている方に、このペース配分についていけるとも思えません。

自分で、自分の方針を決める、リスクテイクするという決断力は、どこから来るのか。

年齢により生じる成熟が役に立ちますが、若めの方でも、こうした資質をお持ちの方がおいでですし、また、年齢が進んでいても、このfear factor(恐怖心)が克服できていない場合が多いのかと思います。

考えてみても、世間的な意味で言う、表面的なファイナンシャルリテラシーと、直接関係しない場合もあるようで、難しい言葉を使ったりされないような、本業が畑違いのお客様でも、ご自分の求めていることをきちんと理解し、実は、必要な比較検討は、済ませておいでだったりします。

金銭的な余裕も、ある程度関係しますが、お金をたくさん稼ぐ方でも、自分自身がin control(自分の環境や、状況をコントロール下においていること)でない方も多く、大きな収入がなくても、堅実な貯蓄を進めることで、私のやっている投資に参加される方も、おいでになります。

私のやっていることは、相当ニッチなので、誰もがやるべきこととは毛頭思いません。その意味では、検討をされた結果、「やっぱり結構です」とおっしゃる方がいるというのは、至極当然なわけですが、他方で、そういう方の中でも、2種類の方がおいでになります。

第一のタイプの方は、「もっといい投資、自分に向いた投資が別にあるので」といって、お断りになる場合。これは、ポジティブな、投資家としての当然の資料収集、案件分析の一環なわけで、素直に「ご検討ありがとうございました。ご自身の選択された投資案件でのご成功をお祈り申し上げます。」と申し上げられます。場合により、事情が変化して、「手元不如意となりましたのでやめます」、「不動産投資より、株のほうが自分には向いています」といった結論になられる場合も、このタイプに分類されるかもしれません。

ですが、もう一タイプの方、つまり、fear factor(恐怖)や、日常生活に圧倒されてしまって、対米不動産投資家としての道を歩みたいという希望を、依然、持ちながら、それなのに、なかなかスタート時点につけない方の場合は、「この方は、自分自身を見つけるまで、どんな投資にせよ、投資は、開始できないのではないかな」と、思ったりします。

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こういうタイプの方は、投資家を志向するということがどんなメンタルを要求するのか、といったメンタル系の本を読まれるのがよいのかもしれません。

書店に行くと、そういったタイプの本が、今年は例年に増して、たくさん並んでいます。いわく、「お金がたまる節約体質になろうよ」、「自然と成功をひきつけるには」、「NOといえる自分になって、現状を打開しよう」、「あの有名人、ビジネスマンは、こんな風にして、富と幸せをつかんだ」、、、


私自身にも、思いつく投資家気質というのは、以下のようなものです。


■計画性が高い。
日常に圧倒されず、自分で、自分の生活をプランニングされる特質が、何らかのレベルで、必要です。経済的に成功していても、自分で、時間やスケジュール管理をできない方は、投資家には、向いていません。逆に言うと、プロジェクトの大小にかかわらず、自分で案件の運営や会計面などをコントロールすることが好きな方は、投資家に向いているのではないでしょうか。

■プライオタイジングがうまい。
全方向の生活を送っている人は、多分この世の中には、いないでしょう。priority、つまり、優先順位をつけないと、24時間、あるいは、限られた資金を活用できません。自分の好きなことを、人の目を気にせずに自然に実現でき、しかも、回りに迷惑をかけたり、不快に思われたりしない方法が何かしらあるものです。

■お金の使い方がうまい。
このタイプには二つあって、お金を、相当ロスする中で、お金の生きた使い方を習得されている方も多いです。他方、もともと、商売の勘のある方、子供のときから親御さんの教育がいい方は、若いうちから、大きなロスを経験することなく、自然に、きちんとお金の管理や使い方ができるようです。他方、お金との付き合い方を学んでいない方は、生活浪費はされますが、投資ロスリスクは、受け入れられなかったりします。

■決断力に富む。
私のお客様は、案件を見たら、皆さん、即断できる状態です。稀に、物件をご紹介すると、しばらく考えさせてくださいといわれることがあって、最初は、大変びっくりしましたが、こういう場合は、お断りせざるを得ません。よい案件は、たなざらしになってほこりをかぶっていたりはしないのです。普段の準備、分析が綿密であって、初めて、自分の即断に自分が納得できるものでもあります。

■精神的に安定している。
この前、「皆さんは、普通、どうされているのでしょうか?」と質問され、やはり、質問自体にびっくりしたことが。自分は自分、人は人。また、よいときも、悪いときも、平常心。こういったinsecurity(不安、自信のなさ)がある場合は、自分自身の判断の軸がはっきりしていないので、責任のある決断、適切な判断が下せません。

■自分や周囲の状況を客観的に見ることができる。
人間は、誰しも自己を中心として行動しますが、しかし、「第三者から自分を見ると、こう見える」と、自分や状況を客観視できる習慣がある方とない方では、自分の立ち位置に、大きな違いができてくるものです。余裕がない時は、誰しも、回りに目配りができなくなることがあるのが現実なのですが、他方で、常に自分中心に行動をすることが習慣になってしまっている方というのは、小さく得をしつづけているようで、実は、より高所から見た、自分のポジショニングという、より大きな利益を喪失することになります。


これらは、いずれも、相互に関連した資質です。一口にいうと、discipline(規律、克己心)。


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私のお客様に、Pさんという方がおいでです。地方から、わざわざ、2008年の指南塾に毎回、参加してくだり、その折に「来年、投資を開始しようと思います」とおっしゃっていました。

「来春になったら」といったことを言っておいでの方は、実は、9割以上、ご連絡がないことが普通なので、私も、「そのときはぜひどうぞ」とご挨拶を申し上げただけでしたが、Pさんから、2009年の今年、「去年言ったとおりに今年開始します。まずは、視察旅行に参加します」というご連絡があり、実は、大変失礼ながら、私のほうこそ、「そうなんですか?」とびっくりしました。

しかも、「これが、初めての海外旅行になります」と伺うに至り、私は、驚愕しました。

Pさん、初めての海外旅行が、ハワイ新婚旅行でも、香港食べ歩き旅行でもなく、私なんかと行くデトロイト不動産投資視察旅行で、いいのかしら、、、(大汗)

そう、Pさんは、まさに、マイペース、質実剛健、そして、計画性の塊。

遊びで海外旅行に行くのは、Pさんの頭の中では、あるいは、無駄使いなのかもしれません。他方、申し訳ないながら、相当な高額となってしまう視察旅行は、意味ある投資と位置づけていただいているのです。

お子さんがおいでにならないので、「将来は、甥に」と、相続の手配のことまで、エントリー前から考えておいでになります。

海外との縁がこれまであったわけではないPさんなので、私のほうも、具体的な物件取得以前に、Pさんを高額な海外旅行に、連れ出しておいて、失望させるようなことがあってはいけないと、「為替についてはわかりませんよ、マクロ経済状況についてはわかりません。10年後のことはわかりません、、、」と、早めに各種ディスクレーマー確認をして見ます。

本来、日本人のドル資産への投資は、ライフスタイル的に、ドル経済圏を志向される方(たとえば、別荘取得やお子さんの留学、海外移住)でないと、場合により、長期の対円ドル安で、失望する可能性もあるかもしれないというのが、私が常々言っていることです。

しかし、Pさんは、それでも、間髪をいれず、「中山さん、そこまで考えていたら、何もできませんよ」と即答されました。大体、去年からのお付き合いですから、私の言うことなどは、すべて、「しつこいなあ」くらいまで、整理してくださっているようなのです。

堅実性、主体性、そして、切り捨てるべきところは切り捨てるという取捨選択も含めての、決断力が、矛盾なく、合わさっていないといけないのが、投資家気質。

失礼ながら、他のお客様に比べて、ファイナンシャルリテラシーが圧倒的に高いお客様であるとも、いいにくいPさんなのですが、それでも、私が「こういう方に、お目にかかりたい、お役に立ちたい」とイメージする、上に上げた規律ある投資家のプロフィールに、確実に合致しているお客様です。【お断り:「知識のない方が、為替を度外視した判断を下しているから、主体性がある」といったことを言いたいのではありません。】

本格投資、しかも、対外投資は、初めてなはずなのに、Pさんの落ち着きは、どこから来るのでしょうか。今度の旅行中に、その秘密を、うかがってみたい気がします(豚インフルエンザに邪魔されなければ、ですが、、、><)。

中山からのお願いです。
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