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失業と付き合う デトロイト投資テナント編

イマドキのアメリカは、失業率10%は当たり前。私たちが投資をしているデトロイトは、それより失業率が高く、顧客ベースは、「行政の補助を受けている人」の比率が、大変高いです。お子さんの数が多くて、「ずっと援助を受けている」といったランクのテナントさんは、私たちにとっては、支払いの確実な安定顧客。

他方、通常のワーキングクラスの方々もおいでになり、失業問題は、私たちにとっても、避けて通れない課題です。

この前、お客様から相談があったのは、家賃の支払いが一部2ヶ月分滞っているケース。

細かいことは、管理会社さんに任せてあり、書類を全部よこすことを要求すると、向こうの事務負担も大きくなるので、大体のケースは、申込書や賃貸借契約書も、私の手元に無いことが多いのですが、その案件について、調べたところ、以下のようなことがわかりました。

このテナントさんは、625ドルの家賃のうち、425ドルほどが、家賃補助を受けており、ただし、パートタイムの仕事があるということで、家賃分の200ドル位が、「自己負担分」なのです。

それが、失業したらしく、自己負担分が滞っている状況が2ヶ月続き、オーナー様が、明細の読み方も含め、確認のお問い合わせを私にされたという状況でした。

このケースの場合、管理会社によると、このテナントさんは、挙動不審があり、自宅に電話がないし、家に立ち寄っても留守がち、こちらからの連絡に対して返事をよこしたときは、非通知の電話番号と、まるで、債権者の取立てから逃げているような態度だということで、どうにも、コミュニケーションをとるのが難しい相手だということでした。

入居を担当してくれた売主にも相談したところ、行政補助がある場合は、失業すれば、その期間、届出をすれば、家賃は、100%カバーしてくれることになるはずだということなので、申請書類の記録を出してきてもらって、そちらの手配を、やってあげられるかどうか、テナントや役所と打ち合わせをしてみてもらうように依頼をしました。もし、自己負担分不払いで単に強制退去させられた形になると、このテナントさんは、部分負担にせよ、せっかくの行政補助資格自体を、失うことになり、本来は私たちと協力することに自らの利益があります。

管理会社さんのほうからも、その問題は持ち出してあるようなのですが、こういう場合は、「申請をしてください」と申し渡すだけではなく、丸抱えで役所の申請代行もやってあげるくらいのつもりになってあげないと、なかなか、難しいようで、そこまでいくと、管理会社も、平常の回収業務等が立て込んで、手が回らない場合がありうるわけです。

役所相手のやり取りは、書類作成も必要になるので、相当優秀な人が担当しないと、用が勤まりません。この件が、うまくいくといいと思います。ひとつ、付随して心配なのが、このテナントさんが、すでに、他の債権者を意識した行動をとり始めているのではないかということ。

そうなると、家賃補助を増額してあげられたとしても、住所が知られてしまった?私たちの投資物件に居住し続けること自体が、難しくなったりして、、、

失業に関連しては、今回、入居時失業という方もいたので、そのファイルも紹介してみましょう。

そのご一家は、奥さんというか、一人のパートナーが、大手の流通系小売店に仕事を持っていて、ただし、週給は、400ドル位。一月に持って帰ることができる金額は、結局、実質、1,000ドル強くらいになってしまっています。

入籍はしていないものの、子どもたちの父親である男性側のパートナーが、現在、失業/求職中で、当面の失業手当てが、隔週で、640ドル。

いずれも、証明書類はあり、合計すると、月収2,300ドルくらいで、家賃700ドルのテナントとしたら、月収の3割以内に納まっていることは、間違いありません。

ただ、これだけでは、弱いので、車で5分のところに家を賃貸している男性の父親が、保証人的に、賃貸借契約に、3人目として名前を載せてくれることになりました。

父親は、クライスラーの年金があって、各種差し引き後の手取りが、2,750ドルくらいですから、相当安定した年金生活者のイメージ。

男性が、月収で、手取り1,500ドルの仕事を取ってきてくれれば、文句が無いのは間違いありませんが、イマドキのこのご時世なので、「失業中」とはいっても、きちんと求職している方だということで、「ちゃんとした一家だから」という申し送りがありました。

父親も、家は持ち家というわけではなく、自分も、同様の額の家賃を払っていることが予想されるので、問題があったときには、ずっと2軒分の家賃を払えるランクの人であるとはいえないですが、客付け担当者のロジックは、こうです:


つまり、父親が、賃貸借契約書に名前を載せて、クライスラーの年金受給書類を提出してきたので、もし、滞納や不始末があれば、退去させた上に、滞納分は、父親の年金を差し押さえるオプションを前提にするから、、、


収入源の差し押さえは、強制退去命令取得と別にやらなければいけないので、面倒なことは間違いなく、弁護士が必要になりますので、訴訟コストもかかります。

なので、通常は、管理会社の一般業務内では、こういう債権回収は、成功できる確率が高くても、絶対、やってくれたりはしないわけですが、組織的にこうした問題に対応していくことで、このエリアでのパフォーマンスをあげられると可能性があるので、私たちは、そういう方向で、物事を秩序だってとり行えるよう、動き始めています。

この案件は、テナントさんが入居直後に当方が立ち入る機会がありましたが、下の写真で見るように、「それなりに、家をきれいにしている」感じです。

Kitchen.gif意識をしてきれいにしてあるダイニングエリア。家具も、素敵なものを持っています。

kitchen2.gif台所においてある電子レンジも、ちょっと高級仕様な感じ。私なんか、ウオールマートで、30ドルのやつを使っていたこともありますケド、、、

livingrm.gif入居したばかりのせいもあると思いますが、家具は少なく、まだ、あまり散らかっていないです。

masters.gifこの家は、二階が広いので、この一家は、二階をマスターベッドルームにして、一階の寝室二つは子ども部屋にしています。まだ、鏡などは、備え付けておらず、床に置いたまま。奥にあるのは、新型液晶大型テレビではないですか。

家具なんかのテイストを見ると、ライフスタイル的には、solid(きちんとした)なワーキングクラスの感じです。単なる贅沢癖のある浪費一家でないといいですが、、、ぜひ、お父さんに、がんばっていただきたいところです。

(なんて自宅や寝室をネットで写真公開されているとはまさか思われていないでしょうが、、、きっと見ないと思うので、いいかナ)。


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