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揺らぐ住宅成長神話 米株式急落、その時市場は

揺らぐ住宅成長神話 米株式急落、その時市場は
03/14 23:09

 米国の低所得者向け住宅ローン「サブプライムローン」。この焦げ付き問題が13日のニューヨーク株式市場を襲い、ダウ工業30種平均は今年2番目の下げ幅となった。

影響は太平洋の日付変更線を越えて14日のアジア各地の株式市場を直撃。東京株式市場では日経平均株価が500円超も急落、3月初めの世界同時株安で記録した1万6000円台半ばまで一気に逆戻りした。米国の住宅バブル崩壊を予感させる「サブプライム危機」が世界の市場を揺さぶっている。
(ワシントン 渡辺浩生、佐藤健二)

 「サブプライムローン」は、日本ではなじみが薄いが、信用力の低い顧客向けに高金利で貸し出す米国の住宅ローンのこと。ここにきて借り手の中心である低所得者層の多くが返済不能に陥り、延滞率が上昇したため住宅ローン会社の業績不安や破綻(はたん)が続発している。

 13日に起きた株価急落は、大量の焦げ付きを抱えた住宅ローン大手、ニュー・センチュリー・フィナンシャルに対し、ニューヨーク証券取引所が上場廃止を決めたのがきっかけだ。

 なぜ、サブプライムローンは急拡大してきたのか。

 米国人は持ち家志向が強い。しかも成長に応じて大きい貝殻に移るヤドカリのように、所得の上昇に応じて家を頻繁に買い替える特徴がある。

 しかし、景気減速で住宅需要自体に陰りが出ると、金融機関は新たな顧客層の開拓に迫られた。標的となったのが「黒人やヒスパニック(中南米系移民)らマイノリティーだった」(ワシントン郊外の業者)。

 住宅ローン会社は、高根の花だった持ち家購入を積極的な営業であおり、貸し出し量の維持と住宅市場全体の底上げを図った。「頭金なし」「所得証明書類の必要なし」という不当なセールスも横行しているという。金利は焦げ付きのリスクを上乗せされ、年12%を上回るローンもあるほどだ。

 中米エルサルバドル出身のナフタリ・フロレスさん(46)は、平日には建設現場監督、休日に公立公園を清掃しているが、月収は約3200ドル。現金しか使わず、銀行やクレジットカードと無縁だった。

 ところが、地元のローン会社の勧誘を受けて、約40万ドルの融資を30年返済で受けることができ、昨秋、ワシントン近郊に念願の住宅を購入。将来返済が心配になっても「そのとき売ればいい」と思っていた。「住宅価格は上がり続ける」と信じていたからだ。

 しかし、昨年秋から住宅価格は足踏み状態で、右肩上がりのシナリオは崩壊寸前だ。

 住宅ローンの債権はローン会社が証券化し、銀行経由でヘッジファンドや年金基金などに販売。米国債市場を上回る6兆5000億ドル(約760兆円)規模に達している。このうち13.4%がサブプライムローンだ。

 エコノミストには「限定的な問題で、経済全体に波及する可能性は少ない」(ハドソン研究所のジョン・ウェイカー上級研究員)という見方が多い。それでも市場が激しい反応を示すのは、アメリカンドリームを支える「住宅成長神話」の崩壊を暗示しているからかもしれない。


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管理人コメント


去年までは、「サブプライムローン」なんて言葉、日本の誰も、聞いたことなかったんじゃ?

サブプライムローンの反対は、プライム。

  prime sub-prime

サブというのは、準じた、とか、言った意味で、一ランク劣ることをここでは意味しています。アメリカの不動産市場を支えてきたのは、諸条件自由自在なローン商品の多様なラインアップ。

1980年代までのアメリカは、そうしたことは必ずしもなかったようです。

しかし、その後、特に2000年前後くらいには特に、「頭金ゼロのローン」なんかを取ろう、上の記事にも出ているように、「所得証明不要」ローンもOK、なんていう、「なんでもあり」時代が、登場、広がります。

今回、大きな流れで見てみれば、そうした「金融商品なんでもあり時代」が、調整期に入っている、という、それだけのことです。

「レバレッジとは?」の項目でも説明をしましたが、「あまりにお金にレバレッジをかけることは、てこの原理が、自分にマイナスに作用する、という反対のリスクをも高めるものである」という、ごく当たり前の状況ですね。

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