HOME > アメリカ不動産の話 > 

刑務所に入りたい!?家主の家を破壊するテナント

現在、私がメインの投資先としているミシガン州のデトロイトは、全米的には、”ダメダメ州”。どうしてそんなところに、といわれれば、一言で、答えると、

「安く、古く、ボロい家をキャッシュで買って、高利回り賃貸にまわすことを狙うのが、イマドキの経済事情を考えると、気が楽な対米投資法だから」

ですが、そんなダメダメ州ですから、ダメダメな話は、沢山あります。(ミシガン州の同胞よ、ダメダメ呼ばわりしてごめんなさい。私は、何気にミシガンが大好きで、完全に地元民気分でいるので、何でみんなが馬鹿にするのか、いまいち納得がいかないのですが、”外のひと”には、なんか、こんなイメージなんですよね、、、笑)

今日は、現地の保険エージェントさんと話をしていたところ、こんなネタが、、、

その前に、まず、背景から。結構、ヘビーな話です。


++++++デトロイト市は、保険会社泣かせ+++

現在、ミシガン州の経済があまりに悪いので、「自分の家に火をつけて、保険を降りさせようと画策するけしからぬ輩が多く出現している」というのが、ミシガン州の火災保険会社の悩み。

つまり、家にはオーバーローンで、どうせ、フォークロージャーになる、それなら、火事になったということで、保険が降りれば、それを使って、ローン残高を返済し、楽になろう、と画策している人が多いらしい、というわけです。

MSNマネー誌のオンライン記事でも、この趣旨のものがありました。こちらから。

デトロイトで経済がよかった2005年には、市の放火犯逮捕者数は、80人かそこらだった。それが、2007年、2008年と、倍の150人台に。もし、放火課にもっとスタッフが数が多ければ、捕まえられる犯罪者のキャパは、さらに増えるはず、、、(消防署談)

そう、火事は、デトロイトでは、どうやら、お江戸並みの風物詩。デトロイトを舞台とした映画、《エイトマイル》は、主人公のキッズたちが空き家で遊んでいて火事を起こす”青春映画”でした(汗)。

これで、たまらないのが、当然のことながらの保険会社です。

経済悪化に伴い、こうした”(不動産市場暴落と火災事故との関連についての)疫学的なデータ”が出ているミシガンですから、「こんなエリア、やっていられるか」とばかりに、いくつかの火災保険会社が、撤退を表明する状況が、2010年の現在も、ぽつぽつ、続いています。

++++++背景終わり


さて、これだけでも、良識ある日本人の皆さんには、うらぶれ感満載ですが《だってこのブログを読んでくれる方って、みんな、大家さん側の人ですから》、今日の保険エージェントの話では、「この前、困った請求があってさ、、、」ということで、さらに、衝撃的なケースの話が、話題に上ったのです。

それが、この記事の表題、家主の家を破壊したテナントの話です。

このテナントは、家賃を滞納し、強制退去を裁判所から命じられました。それに対し、家主の家に対し、腹いせの破壊行為に及び、結果、1万3,000ドルレベルのダメージを故意に生じさせたのです。ここまでは、ほぼ、「ありがち」レベルの話なんですが、このテナントは、その上、署名入りのメモを残し、そこには、「こんな非人道的な家主に対して報復するのは、俺様の当然の権利だ」といった趣旨の声明があったんだそう。

結果、このメモがきっかけで、この男性は、7年間の懲役を勤める羽目となり、家主は、この保険会社に、保険金の申請をしたというわけです。

私も、対米投資7年ともなり、たいがいのことには、まったく動じません。すぐさま、「故意の破壊行為は、デトロイトじゃなくても、どこでも普通だわ。この人は、署名入りのメモを残して、行方もすぐ突き止められたということは、刑務所に入りたかったってことじゃないかしら。ミシガンは、冬とか寒いし、今、塀の外にいても、経済も悪いから、、、。7年、刑務所にいれば、医療も多少受けられて、いろいろなトラブルも、水に流せるかも。誰かに訴えられているとか、他のトラブルもあるんじゃないの?」と、思いつくままに自分の意見を言ってみたところ、「やっぱりそうなのかなあ。他の人にもこの話をしたら、同じようなことを言うんだよ。」と納得されてしまいました。いや、私も、こういったことの実際の現場などは、まったくわからないまま、単に、イメージで言っただけではありますが、、、

まじめなオーナーとしては、保険料値上がりなどのとばっちりに、顔をしかめるしかありませんが、こうしたところまで追い詰められてしまった人たちが、多数いるのだということには、心が痛みもし、また、貧困大国アメリカの状況というものに、悲観もしたくなるというものです。

貧困による社会的亀裂がいくら大きくなっても、それでも、国民皆保険に我慢ができないアメリカ人たち。医療保険改革が、今度こそ、多少なりとも、成功するとしたら、それは、このウルトラ不況が、行き着くところまで行ってこそなのかも、知れません。オバマ大統領の医療改革最新動向は、こちらから。


中山からのお願いです。
記事がお役に立ったら、下の2つのボタンをクリックし、ブログに投票してください!
人気ブログランキング にほんブログ村  海外生活ブログ アメリカ情報へ
ご協力お願いします。
中山道子メルマガ登録URL
お名前
Eメール
Eメール(再)

ご登録は無料で、解除は、随時可能です。
最近の配信例は、こちらから。大体、月1度くらいの配信です。

*********

メール配信解除
ご登録のメールアドレスを入力し、解除ボタンを押してください
登録メールアドレス

≪ 一つ前のページに戻る ≫


このページの▲TOPへ戻る