美しい海岸線は、プライスレス! メキシコ湾石油流出事件
4月20日に報道されたBPによるGulf Coast(メキシコ湾)における爆発石油流出汚染事件。記事はこちらから。
すでに、事件発生から半月しかたっていない段階で、湾岸沿い不動産オーナーたちが、集団訴訟に立ち上がったという報道が、さすがのブルームバーグで。
アラバマ、ミシシッピー、ルイジアナ(専用の被害速報ウエブサイト)、フロリダ(専用ページ)。
オーシャンフロントがキライなというか、そもそも、手なんか出ないごみ投資家の私には、想像もつかない話ですが、やっぱり、海岸線って怖いよと思うのは、負け惜しみだけじゃないンデス。
以下、記事の概略を紹介してみたいと思います。
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まず、英BP(ブリティッシュペトリウム)は、責任を率直に認め、
“all necessary and appropriate clean-up costs.”
(必要かつ適切な清掃費用すべて)
を払う、と発言。その中には、
”property damage caused by the oil, personal injury caused by the spill, commercial losses including loss of earnings/profit and other losses as contemplated by applicable laws and regulations,”
石油による所有物(動産不動産あわせ)への損害、流出による人的被害、収益や利益ロスを含む商業上のダメージ、そして、該当法規対象となるそれ以外のロス
がすべて含まれると、まあ、法的には当然の発言。
但し、それを実際に判断するためには、結局、訴訟をして、その中で和解が可能かを探っていくのが手っ取り早いということで、今回、沿岸沿いのオーナーたちが、立ち上がったわけですね。
今回のオーナーたちは、すでに、
■旅行客のキャンセルによる営業利益の損害
を経験。こういうキャンセルの「電話が鳴り止まない(ringing off the hook)」からしてが、由々しき事態ですね。
あるオーナー、グレッグ・ミラー氏は、2007年には、8,400万ドル(84 million)のオファーを受けたほどの広大な敷地を含む不動産ポートフォリオをアラバマ州の被害エリアに、大々的に所有している投資家。
ミラー氏は、「ハリケーンなら、カミール、フレデリックにカトリーナを経験したよ。しかし、これに比べれば、ハリケーンなんか、なんでもなかった」と、肩を落としているそう。
保険で通常カバーされるのは、物件への損害で、営業利益等、価値自体の喪失は、対象とならないという保険関係者のコメントも、掲載されています。
次々と、各州で緊急事態宣言が宣言され、「長期的な経済へのダメージは、想像がつかない」段階。
地元ビジネスは、すでに、風評被害で、大損。例として挙げられていたのが、St. Joe Co. というフロリダ州の不動産ホールディングカンパニー。
現時点では、「ホールディングに対する直接の汚染は、まだない」段階だというのにもかかわらず、株価は、4月29日から比べ、16%のダウン。あるいは、同様に大幅に株価を落としたBPと、株価下落による損失の因果関係の直接性をめぐり、裁判で、係争することになるのでしょうか。
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ミラー氏の悩みは、確かに、根拠あり。普通のハリケーンなら、逆に、遠隔の不動産投資家が、カトリーナのときのように、底値買い投資に参入したりして、市場が回復作用を働かせることを政府が助ける方法もありそうですが、環境汚染ですから、クリーンアップ費用や時間は、どれだけかかるか、にわかには、わからないという最悪の事態。
フロリダ、アラバマ州でデベロッパーをやっているヘッド・カンパニーズ代表取締役デイヴィッド・ヘッド氏は、「われわれの売っているのは、(単なる物件というより)ライフスタイルですからね」と、憂慮する。「デベロッパーだから、長期の影響は、大変心配していますよ。」
嗚呼、美しい海岸線は、、、プライスレス、、、
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