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モルガンスタンレー他不動産ハゲタカファンド、見込み違いで、元本繰上げ償還へ!

いまどきの米国の不動産のダメダメ状況は、どう贔屓目に見ても、間違いないところでしょうが、商業不動産の下落振りを見越して、「底値で商業案件を買おうよ」的なプライベートエクイティファンド募集をした銀行等が、「いいものがない」という理由で、繰上げ解散を矢継ぎ早に決めているという、妙なニュースに、WSJで遭遇しました。

プライベートエクイティファンドというのは、《公開/上場していない会社の買収をするファンド形態》だそうですが、レジデンシャル(residential、住居案件)市場の下落に伴い、商業(commercial)不動産市場も、今、下降中。

これを機に、1990年代の不動産下落時の底値拾いを再現しようと、モルガンスタンレー他、いくつものファンドが、募集されたんだそう。

「いいんじゃないの?」と素人目に思うこの動き、5月26日のWSJによると、

「底値物件自体が出てこないから、解散する!」

と、マネージャーたちは、資金返上を決定というのです。もとの記事は、こちらから。(有料)

2008年から、one billion(10億)を集めたあるワシントン州ベースのデベは、「まったく何も、市場に出てこなかった!これ以上、お金を持っているのは、正しくないから」と、返上の理由を、端的に説明。

理由は、多くの地銀等、商業案件の融資付けをしている金融機関が、今、いわゆるリスケ(和製英語で、リスケジュール、つまり、融資条件変更)対応で、デフォルトを出さないよう、連邦政府などの支援もてこに、がんばっているからだそう。

記者は、「これにより、踏みこたえることができればよいが、デフォルトが繰り延べになる可能性もある」と、論評。

批判的な勢力によれば、これは、「既存不良債権処理が進まず、新しいビジネス展開にならない」と、どこかの国の話とまったくご同様の議論が繰り広げられているよう。

モルガンスタンレーが、2007年に募集した1.5 billion USD(15億弱)には、シンガポールの政府も投資をしていたそうで、通常、2-3年が償還期間の一般的な不動産債と異なり、「9ヶ月の短期決戦でいくぞ!」というゴールは、消化率30%以下に終わる結果に。

こういうファンドは、マネージャーの報酬も成功報酬なため、「儲からないのでは、報酬ゼロが続き、たまらない」という裏事情もあるそう。それなら、解散してしまい、次のプロジェクトに move on しないと、仕方がない、というわけですね。

私がいつも、楽しみにしている読者コメントには、「後10年か15年たてば、政府も、市場が成長しない状況を認めて、債権処理を推進するだろうから、まあ、そのときまた、ファンドを立ち上げれば」と、さすが、WSJ読者、といった感じの痛烈な皮肉が利いた、「市場中心主義的な/反政府支援のコメント」も(苦笑)。

他方では、いまどきのレジデンシャル案件は、今年も、ますますダメダメ物件がたくさん出てきていますので、大手のプライベートエクイティファンドは、細かすぎるといわず、こっちにも、目を向けることを検討されますか、、汗?

社会貢献にもなるから、"Build America Back"ファンドとか、愛国的な名前をつけて、、、


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