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ゴミ収集にも、金融危機爪跡、、、

こんにちわ。暑いですね!

自宅の仕事部屋に、エアコンがないため、iPadを、居間におき、イマドキ「モバイルワークライフ」をエンジョイ中(?)の中山道子です。このことをブログに書いてアップしておけば、税務署は、私が、居宅における仕事スペースの%を大目に計算して経費を計上しても、納得してくれるでしょうか。


っていやあの、もういいです、、、ゴメンナサイ。


さて、今日は、久しぶりに、2010年7月のTIME誌特集記事で、勉強してしまった、「アメリカの清掃局」の懐事情の話です。

ゴミ回収は、trash collection。米国では、政府組織や機能は分権体制が基本らしく、固定資産税の内訳も、結構はっきりしていることが通常です。

一番良くあるのが school district 、つまり、学区、教育委員会による徴収。そして、公園課、park が計上されている場合もあるでしょう。その他、prison 、つまり監獄といった明細項目まである場合もあります。日本では考えられないトランスペアレンシー(透明性)のような気もしますが、その背景として、各局には、相当な裁量権があるのだということを、このTIMEの記事で、知りました。

記事のタイトル曰く、"How Goldman Trashed a Town"... 「いかにして、ゴールドマン・サックスは、ある街に、被害を与えたか。」

Trash は、ごみのことで、trash someone, something とは、一般的には、相手をゴミ扱いして捨てやる、といった意味かと思うのですが、ここでは、実際に、ゴミ処理問題、清掃局が関係しているので、そこに「引っかけ(pun、言葉のあやかけ遊び)」が入っているというわけですね。

リンクはこちらから。

概要ですが、ゴールドマンが関与したアバカス(Abacus、そろばんという意味)というCDO(collateralized debt obligation、CDO は、文字どおりに意味をとれば、担保のある借金という意味で、私は金融が弱いのですが、「資本担保証券」のこと)の命運に関係して、アイオワ州シーダーラピッズ市の住民たちが、大きな負債を背負い込むことになった、というお話です。

まずは、「アバカス」問題経緯の復習から。

ゴールドマンが売り出したこのアバカスという商品は、今となっては悪名高すぎるCDS(credit-default swaps、債務不履行に対する保証を金融商品化したもの)。高リスクなのに、多くの投資家を集めたあげくに、債務不履行が多発し、多くの投資家に損をさせる結果になってしまったのでしたね。

こうした金融商品を量産し、世界的な金融危機のきっかけを作ったウオールストリートの一連の行動ぶりには、庶民は納得がいっていないという背景を抱え、SECは、ゴールドマンサックスを、この件に関連し、詐欺で訴えたということが、この2010年4月にありましたね。

しかし、金融犯罪、詐欺の立件というのは、何とも難しいものでございます。SECは、この件に関しては、

◆ゴールドマンは、アバカスのファンド組成にあたり、ポールソン・ヘッジファンドの意向を内々で大きく取り入れた
◆その後、同ヘッジファンドは、ゴールドマンを使って、アバカスに対し、ショートポジションをとった
◆この一連の流れで、ポールソン・ヘッジファンドは、大儲けしたが、アバカスの投資家は、大損をした
◆一連の経緯をみるとGSは、アバカスの投資家に、ポールソンファンドのこの動きについて、告知義務があったと考えるべき

というもの。

肝心のポールソン氏自身については、「アバカスの投資家に対し、なんら説明義務はなかった」という理由で、訴えることすらできず、結局、SECは、GSとの間に、ウルトラせこい5億5、000万ドルの和解に合意するだけで精一杯だったということがありました。

ゴールドマン自身、どうやら、このアバカスに関連しては、ロングポジションをとったあげく、多少のロスを出しているようで、SECのこの渾身の攻撃に対しては、WSJなんかでは、4月段階から、すでに、「アバカスでは、GSは、自分も損してるのに、悪意のある意図的な顧客に対する詐欺を立証しようとするって、意味わかんないし。SECって、どんだけ?」というチョー辛口意見記事も掲載されておりました(こちらから)。

いずれにせよ、金融街と連邦政府監督筋は、これで、move on(次のステージへ進む)できるのかもしれませんが、ここで、ようやく出てきたのが、シーダーラピッズ市の清掃局。

そう、シーダーラピッズ市清掃当局は、他の多くの自治体同様に、数ヶ月単位で、余剰資金の短期運用をしており、600万ドルという額を、投資する先を探していたところ、最初、ウエルズファーゴから、「そのお金を原資に、市債を発行してあげるから」という話を持ち込まれ、担当者は、なんの気なくOK。

それが、いつのまにか、これまた複雑な経由(同誌記事だけではチョット詳細が不明)で、「その600万ドルは、アバカス債に化けていた」ということらしいのです。

いずれにせよ、その結果、同局は、2007年10月には、260万ドルのロスを計上する事になり、このロスを回収するため、ゴミ請求費は、毎年、54万ドルを、消費者、納税者へコスト転化することを決めたというわけです。

記事の冒頭に出てくる女性納税者は、「固定資産税に付随して徴収されるゴミ回収費は、毎月44セントアップしたわ。みんな、簡単にできるお金儲けに走ってるけど、うまくいかない時は、そのツケを払うのは、わたしみたいな住民なのよ」と、さすがタイム誌、うまくお話、まとまってますね。

実は、ちょっとだけさらに調べたところでは、地元紙には、「その後」の報道も一部見つかりました。

清掃当局は、2008年には、ブローカーとなったウエルズファーゴ・ブローカレッジ・サービセズLLCを訴えているらしく、どうやら、「和解金も、受け取った」らしいのです。当局は、和解の金額は明らかにしていないそうで、「役所なのになんで?」と、疑問は更なる疑問を呼びます。(地元紙はこちらから。)

ていうか、天下のタイム誌も、ストーリーづくりに都合のいいところしか、報道していないのか。ゴールドマンから、「いや、自分達は、シーダーラピッズ市の負債には関係ないから」なんて、報道機関的には、オイシイコメントが取れてたわけだから、ここで、ウエルズファーゴからの和解金の話なんか出てくると、ウオール街の金融業界が悪いやつで、small town が被害者っていう話の筋がまとまらなくなりますからね。

感心して損したのか、いや、さらに感心するべきなのか。清掃当局のサービスフィー値上げは、結局、便乗なのか?地元住民だったら、行政情報公開を求めて立ち上がるべきだが、、、地元紙のキミタチも、タイム誌に、シーダーラピッズ市を取り上げてもらっただけで嬉しそうな態度を取るのは、卑屈に過ぎないか?


いろいろな疑問が頭をよぎるのでしたが、えーと、私としては、、、と。


そろそろ、お昼ご飯、食べに行きますね、、、m_m


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