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各国の米国への不動産投資トレンド、ここでも中国が、「こっそり」台頭

先だっては、根岸教授・鈴木教授のノーベル化学賞ニュース、よかったですね。私は、テレビをほとんど見ないので、根岸先生のインタビューは、拝見できませんでしたが、各紙紹介の中、日経のバージョンで、根岸先生が、

『若者よ、海外に出よ』といいたい。日本は居心地がいいし、海外の方が優秀とは限らない。それでも、出ることが、大切。

とおっしゃったというまとめ方をしていたのが、印象に残りました。一般庶民レベルでも、当てはまるような気がします。記事はこちらから。

前後して、たまたま、10月12日のWSJに、対米不動産投資国プロフィールとして、”中国の台頭”についての興味を引く記事があったので、ちょっと、対米不動産投資をする「外国投資家」について、調べてみました。

こういうときは、まず、政府発表。

商務省(US Department of Commerce)の経済分析局(Bureau of Economic Analysis)というところで、累計での対米投資データが出ているということらしいので、下、不動産関係の海外投資総額の歴史的チャートを、アップロードしてみました。画像がちょっとわかりにくいという方は、下PDFファイルを開けてみてください。

単位は、100万ドル。


1history.gif

PDF保存形式は、こちらから。

全米不動産協会なども、「対米不動産投資」の基礎データとして、これを利用していますが(最新レポートは、2008年こちらから)、ただし、この、Real Estate and Rental and Leasing というカテゴリーは、その名の通り、賃貸等が入っており、他方では、例えば、海外のREITが物件購入をしたときには、対象とならないといったカテゴリーなため、素人的に見ても、毎年、海外投資家が、いくら、米国の不動産を購入しているか、という、「こちらにとって一番興味深いデータ」とは、直接、連動しているとも、いえないように思います(NAICSの産業カテゴリー定義はこちらから)。

今回、そうした理由からも、各種機関が援用するデータには、齟齬があるので、断片的ながら、有料なリサーチ会社のデータを用いて要領よく話をまとめているWSJの記事を、とりあえず、一番信用して、メインに紹介してみると、、、


++++10月12日付けWSJの記事、中国人投資家の台頭


内容的には、例によっての、「中国の台頭、ここでも、ひっそり、確実に」みたいな記事で、援用されている有料のリサーチ会社の調査によると、現在、対米不動産投資国ランキングで言うと、トップはカナダ(2010年YTD 18 billion)、中国は、2010年YTDで、総額6,260万ドル(62.6 million)、18位でまだまだ、だそうですが、それにもかかわらず、そうした「ランキング」では、この記事のネタにされてしまっている「リュウ」氏のように、米国に在住しており、中国で稼いだお金を、米国の会社を使って不動産投資に向けているような投資家は、データ上、捕まえようがなく、実際に、市場では、存在感を増している、という話。

こうした先進的な個人中国人投資家の動向を、北京の機関投資家がフォローしてくれればネ、というのが、記事のオチ。いや、本当ですな。。。


++++++


関連して、ワシントンDCベースの外国人機関投資家の業界団体の展望というものも紹介してみます。

世の中には、本当にいろいろな業界団体があがるのですね。

AFIRE、Association of Foreign Investors in Real Estate、つまり、外国人不動産投資家協会は、履歴を見ると、ドイツの年金基金を中心とした機関投資家が、対米投資をするにあたっての情報収集やロビイングをするためにできた団体で、その後、「ドイツ金融系機関投資家が一番有力であり続けるも、21カ国から、200社以上の機関投資家が集まる業界団体」に成長し、海外投資をする米国機関投資家をもメンバーとするにいたっているそうです。

そこの団体が年の頭に行った調査でも、「今年は、みんな、対米投資に戻ってきそうだね♪」というアンケート結果が、、、

2010年1月のプレスリリースによると、

■アンケート対象は、同団体メンバー。不動産のポートフォリオの総額は、世界中に、合わせて、842 billion(8,420億ドル)、うち、米国資産は、304 billion(3,040億ドル)。

■2009年第四四半期、会員の51%が、「世界中で、最も値上がりの確率が高いと思われる国」として、米国を選んだ。これは、同団体調査履歴においては、2003年次の51%以来の期待値の高さ。

■第二位は、30%の票を集めたUK、第三位は、10%の票を集めた中国。

■機関投資家の米国内投資人気都市は、ワシントンDCとニューヨーク。第三位は、大きく劣ってサンフランシスコ。

■米国内投資案件としては、最人気が、多世帯住宅、最も人気が低かったのが、ホテル経営。

■2008年末段階では、過半数の投資家が、2009年次半ばの回復を期待していたが、これは、半年の遅れ期待に調整

■他方、米国は、「不動産投資国として最も安定している」という地位を死守するも、アンケートの開始以来、もっとも低い44%と、初めて、50%以下の投票しかえられなかった。ただし、第二位は、ドイツ、第三位は、カナダで、それぞれ、21%、14%で、依然、米国が、おおきく他国を引き離している

■世界都市レベルでは、ロンドンが圧倒的な優位で、好まれる投資先都市ナンバーワンに急上昇し、第二位、第三位のワシントン、ニューヨークを上回り、だいぶ落ちて、四位がパリ、五位が東京となった。

■新興国(emerging market)としては、圧倒的に、ブラジルやインド、メキシコ、トルコといったほかの国々を押さえ、中国への期待感が一極集中した。

+++++++

なるほどの、不透明感や先行き展望ですね。米国の地位が滑り落ちる傾向がある中、それでも、まだまだ、他のオルタナティブが現実化するのは、(数)10年単位での話しになりそう。

とりあえずは、世界的不動産投資家が集う国際都市東京に、乾杯!空室率の高止まりだって、世界レベルで比較すれば、まだまだ、安定してるってことナンですね(笑)。


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