アメリカで投資に着手したときの納税者番号の取得について SSN、ITIN、EINって?
アメリカ不動産投資コンサルタントの中山道子です。昨今のこの世の中の勢いだと、「自分は○×コンサルタントです」と名乗ってしまえば、まあ、こっちのものと思いますよね(笑)。
しかし、実際のところは、私も、職業を聞かれ、マトモに返事をすると、さらに、「???」となるばかりで、いつも困っています。
大体、"対米投資コンサルタント"って、普段、何をやっているのでしょうかね?私が第三者でも、”メガテン”だと思います。
この前は、今年、小学校に進学する子供のために、学童保育の申込書を堂々と提出したところ、「普段在宅なら、子供を自分で見ろ」と言われてしまい、決済担当課長に直接泣きついて、ようやく書類を通してもらいました。海外出張まであるし、自分では結構仕事をしているつもりなのですが、世間の目は、厳しい、、、苦
さて、今日の私は、私のお世話で対米投資に着手されたお客様に、確定申告についてのご案内を出したところ。
ブログでも、せっかくなので、米国の納税者番号取得について、ご紹介をしてみたいと思います。《私は税無関係の資格はまったくなく、例によって、以下の記事は、専門家の監修を受けていませんので、正確なところは、日米の税理士先生や当局にてご確認ください》
米国では、個人申告は、去年の1月1日から12月31日までの収入を、4月15日までに、申告することが必要になります。
アメリカに居住しておらず、在外の人間は、デフォルトで、6月15日まで、延長が認められています。また、さらに事情があって、延長を希望する場合は、用紙を提出すると、通常、10月15日まで、延長が認められます。
納税期限、ExtensionやForm 4868などについてのIRSの指示リンク
ただし、納税額が発生している場合、4月15日以降に申告する方は、それ以降の利息を支払うことになります。
普通は、投資物件を数軒やっているだけなら、減価償却や経費も計上できるので、納税額が多額になることは考えにくいので、在外の小規模不動産投資家は、忙しければ、6月15日を目標にしても、特に問題はありません。また、納税額を多めに予想して、4月15日までにクレジットカードなどで、アバウトな額を前納しておく方法もあります。
本来、米国で申告をする場合、たとえば、米国税理士の依頼費用など、関連経費は、どうせ、日本の確定申告(3月15日)に計上することになりますので、通常は、やはり、両方、3月内に済ませることになるかと思います。
さて、米国での申告には、tax ID が必要になります。米国は、日本の恐れる、納税者番号がすべてを支配するビッグブラザー国家ですので、、、笑
米国人や、ビザ所有者は、Social Security Number《SSNと表記され、socialとのみ呼ばれる場合が多い》を取得します。米国人の場合は、birth certificate取得時や帰化時、ビザ取得者も、取得後の申請に基づくタイミングで、IRSから、SSNを発行されます。これは、社会保障番号と呼ばれ、アメリカの社会保障(年金)にリンクされているわけです。
それに対し、単なる在外投資家の場合、いくら高額の所得が発生している場合でも、社会保障システムにリンクされるべき立場にないので、SSNは取得できません。
こうした立場の投資家が取得されるのが、Individual Taxpayer Identification Number、略して ITIN です。これは、一般的な納税者番号ですね。
昔は、納税者番号は、希望者にすべて発行していたようですが、現在は、「納税する義理がある人だけ」に発行しています。どういうときに納税する義理が生じるかというと、不動産所有者の場合、「前年度に、600ドル以上の家賃収入があった人」でしょうか。
この枠に該当する方には、管理会社から、Form 1099《ふぉーむ・てんないんてぃないんと読む。短くは、俗に”テンナインティナイン”と》という書式が発行されます。管理会社が、IRSに申告する書類で、そのコピーがオーナー様に行くわけですね。
典型的な投資家様の場合は、物件を取得された年ではなく、その翌年に、最初の確定申告とともに、ITIN取得申請用紙を提出することになります。
詳しくは、こちらからも、ご参照していただけます。
個人名義で投資をしていた方が、LLCを設立され、名義をLLCに移された場合、その段階で、LLCの納税者番号も利用する形になります。
LLCの納税者番号は、Employer Identification Number、EIN と呼ばれ、LLC設立時に、すぐ申請できます。
最初からLLC名義で投資に着手される場合は、オーナーは、ITINを取得せず、LLCのEINのみに基づき、申告することも可能です。
最後に、米国は連邦制度なため、通常、確定申告は、「投資先の州の税務当局」と、「IRS=国税局」両方に送付します。税理士に申告をお願いする場合は、連邦分と州申告分両方をお願いしないといけません。
例外は、ネバダやデラウエアのような tax haven で、これらの州では、投資やビジネスをしていても、申告義務自体がないのが、haven の haven たるところです。こういうエリアは、小規模投資家にとっても、申告により、納税額が減るというメリットより(そもそも納税額があまりないから)、むしろ、申告負担がないということがメリットですね。
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