ローンを組んだ銀行が、支払いを別金融機関に指定してきたら?
こんにちわ。2011年も12月と押し迫ってきました。アメリカ不動産投資家の中山道子です。
最近のアメリカの大手銀行は、ロボサイニング問題以来、というか、モーゲージメルトダウン以来かもしれませんが、とにかく、けちがつきまくりですね。
この記事では、どういうお話をしようかというと、「アメリカの銀行で融資を組むと、返済先が、結構ころころ変わることがある」という話についてです。
日本では、普通は、融資を受けた銀行が傾くって、あまりないと思います。こういうことが、初めてわが身に起こると、不安が起きますので、ご参考になさっていただければ幸いです。
私自身、アメリカの銀行の融資を始めて取得したのは、2004年だったと思います。その後、mortgage meldown (サブプライムローン問題、リーマンショックなどいろいろな呼ばれ方がされていると思いますが)が、実際の不動産市場の冷却が顕在化したのは、2006年後半くらいからでしたでしょうか。
そんな私も、融資銀行の倒産や統合は、何回か経験しています。結論から言うと、借りている側は、まったく心配する必要がありませんので、預貯金をしている銀行がつぶれたときとは違います。ご安心ください。
大手の例としては、しばらく前に、Countrywide Financial という住宅ローン融資に特化していた金融機関が、大規模なスキャンダルに巻き込まれたこともあり、Bank of America に買収されたということが、2008年にありました。
カントリーワイドについては、それ以前に、昔、一度記事を書いたことがあったようです。2007年の記事はこちらから。
同行は、その後、多数の政治家に融資を便益供与したなどといわれ、結局、2008年に、4.1Billionで、バンクオブアメリカに買収されます。(当時のカントリーワイドのCEOがAngelo Moziloという名前で、「アンジェロくんのお友達リスト」=Friends of Angelo, FOAなどと呼ばれたそうです)
現在、カントリーワイドとネットで打ち込むと、バンクオブアメリカのウエブサイトに転送されます。実は、私自身、カントリーワイドの融資を受けた案件がいくつかあって、それが、BOAに返済をするようになったということがありました。
それが、今度は、BOA自身、具合が悪くなってきたということで、身軽になる準備をしているのか、あるいは、ある程度、定型的に行っていることなのか、私の抵当権のサービサー(ローン返済先)がまた替わったということがこの秋、ありました。
こういうときは、不安なら、1-800番号に連絡して話を聞くことも出来ますが、通常、前のローンナンバーがあれば、新しい金融機関のHPで、自己情報を登録すれば、すぐにアカウント登録ができます。その場で、新しい金融機関でのローン概要が確認できるので、本当に便利といえば便利です。
そのとき、新しい金融機関でアサインされたローンナンバーを控えなおし、支払い方法や支払い先を変更します。
支払方法としては、小切手を毎月、自分自身が書いて送る、または、ネット上、BillPayを使って自動的に郵送している場合は、その届け先を変える、あるいは、automatic debit を選んでいる場合は、新しい金融機関のHPから、routing numberや、account numberを入力すると、その場で完了します。
それにしても、最近のアメリカの銀行は本当にだらしないですね。この前、苦笑してしまったのが、
バンクオブアメリカ、自行の抵当がついていない家のオーナーに対してフォークロージャーを仕掛けるが、失敗!逆にフォークロージャーされそうになって赤っ恥!!
というニュース、、、
内容を追ってみると、、、
■バンカメは、キャッシュで家を買ったフロリダ州のあるオーナー夫妻の物件にフォークロージャーを仕掛けようとした
■夫婦は、銀行への内容証明を送るも埒が明かないので、弁護士を雇い、法廷論争を繰り広げた後、フォークロージャーをストップ。この期間:2ヶ月
■その後、別訴訟で、損害として、弁護士費用を銀行に請求。勝訴したも、銀行は、費用を支払わなかった。この期間:5ヶ月
■その後、夫妻は、裁判所に再度行って、強制執行令状を取得、地元BOA支店に対し、執行官を随行し、BOAに対し、「支払いをしないなら、家具や現金等を差し押さえる」旨通知した。請求費用:2,500ドル
それに対し、当該支店の支店長、電話で上司に連絡を取り、ようやく、2, 500ドルの小切手をこの夫妻宛に振り出したのでした、、、
取材に応じた夫妻の弁護士によると、「銀行は、後に、支払いの遅滞に謝罪する手紙をよこしたが、そもそも、あやまったフォークロージャーをかけたことに対しては謝罪はなかったんだ」。
、、、 ε-( ̄ヘ ̄)┌
しかし、どうしてこんな目に?
上に述べたように、この夫妻は、バンクオブアメリカのローンを取得したどころか、物件はキャッシュで買っているのですが、その購入元が、、、
パンパパカパーン!そうです!
BANK OF AMERICA!!!
だったのです。つまり、同行のbank REO(フォークロージャー案件で、競売で第三者が入札せず、銀行名義になっている不動産)を買ったというのですね。
よく、フォークロージャー案件購入には、隠れた瑕疵問題なども、指摘されるところで、物件の状態に対する不安や、名義に対する各種の瑕疵の可能性は指摘されますが、今後は、「購入先の銀行からフォークロージャーを仕掛けられるリスク」も、計算に入れなきゃってこと?
この記事では、バンカメ、四面楚歌(Where's the love?)と揶揄されていますが、どう考えても、自分が招いた種。これ、日本では、弱り目祟り目とも、言いますから。
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