デトロイト市に非常事態宣言
こんにちは。
アメリカ不動産投資家の中山道子です。
皆様は、お元気にご活躍でしょうか。
私は、中国に住んでいるのですが、こちらでは、年末休んだ後、
旧正月
という関門?があり、
2月はまるまる学校がお休み
という素敵な特典が、、、汗
その代わり、3月は休みはないので、
まあ、同じなんですが、、、
5月のゴールデンウイークは、
日本同様、休みだし、
中国人は、勤勉なんだと思っていましたが、
お休みは結構多いですね、、、
子供が学齢期になると、保育園に
放り込んでいたときとまた違う
悩みが、、、 苦
さて、私は、2006年以来、ミシガン州デトロイト市にヘビーに
投資しているのですが、この土曜日に、お世話をしているあるオーナー様から
「デトロイト市の財政問題」
についてのご質問があり、
日本からすると、不安に思えるのだと
思い当たりました。。。汗
私の考えを述べておきます。
私自身は、
「あまり関係ない、場合によったらプラス
方向に向けばいい」
という考えです。
この「州が介入(べき)するか」どうかについては、
長らく、地元で、議論がされてきました。
邦語の一部報道でも指摘されているように、
「黒人の町だからよそ者=白人には立ち入らせない」
☆ デトロイトにミシガン州の黒人人口は集中しています。
これは、過去の人種政策の不幸な結果です。
という構図がありましたが、
実際には、
その半面で、市内では、
役人の非能率や既得権問題
うわさされる横領やコネ政治
などが、市の問題を繰り延べにしてきたという
認識が、長らく共有されていたと思います。
このため、
非常事態宣言・州の介入
には、
トランスペアレンシー
強権的建て直し
連邦資金再配分
のポテンシャルを感じ取り、
業務に専念したい地元ビジネスマンは、
実際は、
LONG AWAITED=これを待っていたよ
ともろ手を挙げている状態と
いっていいと思います。
ファイナンシャルタイムズ紙でも、
市議会議員団は、怒って訴訟できるか検討を始めた
ビジネスコミュニティーは喜んでいる
と報道されています。
The business community welcomed the appointment of an emergency manager.
他方、実際に、賃貸経営に「これ」という影響がでることは、
予想しておりません。
政治が上向けばいいとは思いますが、
日本の国政と経済の関係のようなもので、
アベノミクスが国民生活を
上向かせてくれるかどうかを待っている
というものでもないかと思います。
他方、私たちの主たる賃貸層である福祉受給者層は、
通常、連邦資金や連邦と地元市町村の共同事業に
基づく給付を受けているので、実際に、
「市役所が管財人の管理下になったからといって、
連邦系の財源がフリーズされる」ということには、なら
ないかと思います。
もちろん、市役所勤務といった「好プロファイル」
の方もいるので、こうした方がレイオフされるかといった
心配は考えられますが、私たちの賃借人層は、
そうはいっても、「上級職」政治的アポイントを
されているランクの方というわけではないので、
一般職の方の仕事の安定度については、
市役所が非常事態宣言下におかれなくても、ある程度は、
覚悟していかないといけない部分です。
唯一、財政立て直しのために、固定資産税の税率動向が
懸念されうるといえば、そうですが、
すでに税率的には、全米でもトップランクですので、
もし、財政てこ入れによる財源確保
問題が出るとしても、それほど容易な
改革ではなく、既存オーナー利益を阻害するには、
法令を改正するため、議会の協力が必要です。その
上、そのようなことをしたら、大規模な集団訴訟になることが
予想されるので、それが容易に実現されるとは
考えられません。
いろいろ書きましたが、他方では、
市債(municipal bonds)を買っている機関投資家など、
ファイナンシャルセクターの方は、このニュースを、
私とは、まったく違った視点から受けとめている
かもとは思います。
今後、非常事態宣言から、「破産宣告」に
いたるのか?
そこらへんは、まだ、わからないですね。
実は、米国では、カルフォルニアのいくつかの
都市が、去年、破産宣告をしており、
「氷山の一角」
と評されていますが、
たとえば、それらの都市は、2012年、不動産価格的には、
「値上がり」
しています。
バブル時に相当バブった、「それまではど田舎・名ばかりカルフォルニア」
だったようなエリアですね。(失礼、、、私自身は田舎好きです)
しかし、バブル後は、こうして多数の人が移り住み、
ON THE MAP (無名でなくなった)
になったわけです。
こうした反応をどう読むかといえば、
問題がある場合は、それがすべて吐き出されるほうが、
周囲が安心するという面もあるのでしょうし、
州や連邦が建て直しに介入するという期待感は、
当然あるでしょう。
また、不動産の需要傾向は、やはり、政治とは、
直接、関係ないと、現地のかたがたは、思っている
という点があるかもしれません。
どうして、今、米国不動産が品薄なのか、
値上がりが各エリアで、続いているのかについては、
別途、項を改めたいと思いますが、ここでは、
「破産した都市」でも、そうした一般傾向の上昇機運
に乗り損なっているわけではないということを、
ちょっと指摘してみました。
「天下のカルフォルニアをミシガンと比べるなんて」
と思われる方もいるかもしれませんが、
市
としてみると、デトロイトはダメダメ都市ナンバーワン
ですが、州財政の「人口比負債率」は、実は、
カルフォルニアのほうが、大きかったりします。
まあ、だから、ミシガンが、カルフォルニアより
いい投資先だと強弁できると思っているわけでもないのですが、笑
なんでも、一面的な悲観論、楽観論で、
または、根拠ひとつをもって、それだけで、
考えることはできない、また、考える必要はないということですね。
以上のように、不動産自体にとっての直接の影響は、
結論を再度述べますと、
「当面は、ほぼ関係ない」
「地元は1年前以上前に織り込み済み」
と感じております。
もともと、
キャピタルゲインがすごい
というエリアではありませんから。。。
こういったエリアは、デトロイトだけではなく、多数ありますが、
《低額老朽高利回り物件》
のリスク自体については、ご検討が必要だということは、
これまでどおり、つまりは、このニュースによっては、
特に変わらず、強調していきたいとも思います。
ずいぶん長くなってしまいました。
最近、ブログ更新が滞っているね
という鋭い指摘が今日来ましたが、
結構、忙しくて、、、
しかし、個別お問い合わせがありましたら、
直接ご連絡頂戴できる場合、
やり取りさせていただいております。
それでは、みなさま、引き続き
春先に向けて、お気をつけください。
再見!
《2013年3月6日メルマガに多少加筆しました》
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