一触即発! 危険な状態の米国東部中西部積雪地帯
対米不動産投資家の中山道子です。
今日は、ちょっとアラートです。日本時間2014年1月9日の投稿なので、今後は、「参考」にしていただければと思います。
Flood、Flooding という言葉を、日本居住の皆さんが、最後に聞かれたのは、いつでしょうか。直近クリスマスのロンドン? 大掛かりなものでいうと、2013年の8月のフィリピン・マニラの洪水でしょうか。その後、タイで、再度、洪水がありました。
居宅不動産でFloodingといえば、通常、地下室の浸水のことを意味します。
米国東部、中西部の記録的寒波ですが、仕事で、フライトが発着しないなどの不都合にあっておいでの方も多いかもしれません。投資家にとっては、さらに、深刻な被害の可能性が生じる事態でしょう。中西部の一部の都市の例をとると、シカゴの場合、この金曜日に、暖かくなり、雪ではなく、雨が降るそうです。
今週は、寒波が緩む可能性があるという、本来は、よいことのはずの状況を、大変危惧する投資家仲間からのメールが来ました。
1)積雪量が多いところにきて、
2)雪ではなく、急に雨が降ると、
3)積雪も溶けて、大量の水が流れ出て、
道路や公下水道などからあふれた一時水流増加で、地下室が、floodするかもしれない可能性が高い
からです。
米国在住中で、ご自宅が、心配という方もおいでかもしれません。
賃貸物件を持っている場合、状況は、
1)地下室は、単なる土台で、居住用に仕立て直していない場合。
2)地下室がFURNISHED=居住用に打ち壁を作り直してある場合。
に分かれます。
前者の場合、賃貸借契約では、「地下室に住むな」と必ずあるはず。
いずれの場合でも、テナントが、浸水したということでクレームしてきても、ベッドや家具などの損害をカバーしてやる義務はありません。それは、Renter’s Insurance Policy(賃借人用の保険)で、カバーするべきものだからです。
ただ、賃借人のものをカバーする必要はなくても、地下室が浸水すると、大変まずいです。物件自体のClean Upは、どちらの責任かといわれたら、自然災害の場合、大家が、対応することになるでしょう。
特に、気をつけなければいけないシナリオがいくつか。
********「まったく関係ないと思っていたら」
地下室にテナントが何もおいておらず、浸水したが、こちらに連絡してこない。その後、きちんと清掃しなかったため、湿った地下室に、Mold(カビ)が発生してしまう。
A)テナントは出て行ってこちらはカビ手当てをしないといけなくなる、または、B)テナントは、支払いに困りだし、役所に通報し、カビ問題を解決するまで、家賃を払わないと、ゴネる、、、
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米国では、Moldingは、重大な問題で、いくつかの州では、カビが役所に報告されると、賃貸が継続できなくなります。最低でも、毎年、契約更新時には、物件全体内のwalk through(目視立会い検査)をするべきでしょう。また、自主管理しているランクのオーナー様なら、テナントさんに、こういう時期の後、電話をしてすぐ話を聞くとか、懸念があれば、すぐに行ってみるくらい、するでしょう。ただし、賃貸管理会社が、こういうことを、通常の管理フィーの範囲内でやってくれるかというと、それは、実際問題としては、無理なのです。
通常の保険(Homeowner’s Insurance Policy)は、浸水被害は、基本セットの対象には入っていません。また、多くの中古は、浸水対策がされていないか、十分でないか、または、古くなっているといった問題があります。新築であっても、規格通りであれば、装備は、別料金になっているでしょう。
まったく浸水対策がされていない、または、一からやり直さなければいけない物件の場合、「外見にまったく関係ない修理コスト」をかけることには、ためらいがありえます。
遠隔オーナーであれば、「こうしましょう」といわれても、意味がわからない、あるいは、最低コストですぐ賃貸できるように仕立ててもらいたい、と思う場合のほうが多いでしょう。
また、実際に修理代を払っても、水増しされていることだってあるでしょうから、ここら辺は、なかなか、難しい問題です。
安い物件の場合、地下室は、居住できないようにUNFURNISHEDのままにしておき、その代わり、浸水したら、毎回、カビが生える前に、水拭きができれば、それが正直、一番安いです。浸水対策のポンプやらバルブやらを丁寧にインストールすると、それだけで、数千ドル単位になります。入居率や家賃にはまったく関係ないコストです。出せといわれて、出せなくても、当然でしょう。
また、安くない物件、あるいは、地下室が、居室空間仕立てになっているFURNISHEDな物件の場合は、地下室が、こうした自然災害のときのFLOODING対策を施されているかを、購入時には、確認することに、意味があります。米国でご自宅を買われる方なども、慣れている方に、アドバイスをもらい、こうした点も、よく検討してみてください。
マンションのほうが一般に楽だといわれているのは、こうしたリスクが、一戸建てには、ついて回るからでもありますね。
なので、事実として、この1月後半、米国で、雪が緩むにつれ、浸水地下室の問題が、報告されるケースが、増えるでしょう。そして、夏になって、あるいは、1年もたってから、地下室にカビが生えていると報告され、「どうしてかな?」と管理やテナントに不満を不満を持たれるオーナーも、出てくるかもしれません、、、
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この記事を書くために、資料を調べたところ、トロントをはじめとするカナダの多くの都市では、地下室の排水溝の逆流を防ぐためのCheck valve取り付けのフィーを行政が補助するといったシステムが、取り入れられているようです。米国では、毎年ではなくても、もっと寒いカナダでは、官民一致して、常に戦っている問題のようですね。
ウィニペッグ市では、こうした行政補助のほか、1977年以降、新築物件には、逆流防止措置をとることが要求されています。
デトロイト市の川向こうにあるウインザー市では、最近、こうした逆流対策防止が、行政の補助の対象になりました。川向こうのデトロイト市に、このような予算があるわけはありませんね。。。
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