投資家志願者が、普通の生活をしてはいけないこれだけの理由
このブログには、投資資金のない方や、若い方も、多く、ご来訪くださいます。「お金もありませんが、あこがれます。どうしたらいいのでしょうか?」という方も、おいでです。なので、少し、先輩ぶって、今日は、偉そうな口をききます。
今日の記事は、投資家のライフスタイルについて。
投資家希望者の方にいいたいことは、
■ 普通の生活なんかするな
■ ファイナンシャル・プランナーのいうことを聞くな
です。私自身も、この節約スタイルで、投資の資金を作って今日に至っています。
この前、SNS上のお知り合いが、「銀行の国債の運用部門にしばらくいましたが、FXのフロアは大変でした。為替なんて、ギャンブルで、理屈なんてないから、やらないほうがいいです」というコメントをされていて、苦笑してしまいました。
プロでも、やっていれば、最後に、しっぺ返しがくる、それが、高リスクの投資ですね。
もちろん、FXについても、「それほどリスクをとらない方法で、ほどほど、やっている」という方も、おいでかもしれません。
いずれにせよ、資産を増やす方法としては、
貯蓄
投資
しかありません。投資でギャンブルが不適切なのと同時に見落とされがちなのが、日々の生活のインパクト。
この際に、どちらについても、合理的な態度で、科学的に接していくことが鍵です。
例えば、一般的なファイナンシャル・プランニングのアドバイスを見ると、所得の1、2割を貯蓄することが、勧められています。所得がなくなっても、困らないために、薦められているのは、大体、半年分の生活費。
これを、例えば年収500万の方で見てみます。便宜のために、可処分所得が400万とすると、そのうちの1割は、40万。生活費は、360万。
これで、半年分の貯金をゼロから作るためには、
360万÷2=180万
180万÷40万=4.5年
つまり、4年半働いても、リタイアできるのは、半年間に過ぎないのです。
さらに話を簡単にするために、均してこれが続くとすると(普通は若いときはもう少し安く、その後、所得が増えるかと思いますが)、
30年後の貯蓄総額 1,200万
にしからならず、年間支出360万の生活を続けたければ、30年働いた後にも、実に、その生活は、3年ちょっとしか、実現しません。
500万稼ぐのは、今の世の中、大変ですよね。それなら、高額所得者なら、話は早いのでしょうか?
実は、同じことをやってしまうと、高額所得者の場合も、ぜんぜん、状況が改善しません。
額面所得 1,000万 《サラリーマンの5%以下》
可処分所得 750万 《その方によって違うと思います》
貯蓄 75万
生活費 675万
半年分の生活費を捻出するためには、それでも、
675÷2=337.5万
337.5÷75=4.5年
で、500万の所得の方とまったく同じように、4年半働く必要があるのです。
そして、
30年間にわたって1,000万稼げる方がいたら、すごいですが、そういう方は、1割しか節約しないですごすと、なんと、
75×30=2,250万
2,250÷675=3.33年
これも、まったく同じように、3年ちょっとしか、現役時代の生活が、続きません。
このように、凡庸な期待値に基づく暮らしをしていては、どんなに所得が高くても、将来への備えができないのです。
自営やオーナーの所得ははっきりしませんが、押しなべて、年収が1,000万ある方は、働く日本人のうちの10人に1人、いないと思っていいと思います。
それなのに、毎月のように、「年収一千万の人が一番困っている」といった記事が、巷に出るのには、実に、こういう「常識」(可処分所得の1割を節約目標としよう)が広がりすぎているからではないでしょうか。
下は、最近のいくつかの記事。こういうの、本当によく見ますよね。
BUSINESS JOURNAL誌 2014年5月記事
わずか3.8%の年収1000万、なぜ不幸になる?見え消費の罠、不安定で過酷な労働環境…
ダイアモンド誌 2014年9月記事
40代、50代に「老後貧乏予備軍」が増えている!あなたは年収200万円で老後を生きていけるか?
これでは、年収にかかわらず、アーリー・リタイヤどころか、老後難民。いくら高所得であっても、そうでない人と同じ状態。FXで人のやらないヤマでも当てる以外は、世の中、誰にも、希望はないということになってしまいます。
もちろん、こういう一般的な認識が広がったことは、実際には、ファイナンシャル・プランナーさんのせいではありません。
世の中、1割の貯蓄どころか、借金体質を改善しないといけない人もいるわけなので、いきなり、「貯蓄は、可処分所得の4割!」などという過激な発言をしても、多くの人の反感を買ってしまうというのが、実際のところなのかと想像します。
なので、「不特定多数の方」を対象にファイナンシャル・カウンセリングをされるFPの方には、そういう「お立場」があるのだと、こちらが、理解してあげるべきなのです。
一般向けには、「凡庸」を説くFPさんとて、有能な方なら、直接、聞けば、必ずや、「もっと節約できる方はどんどんがんばらないと」と答えるでしょう。
以上のことから明らかなように、投資家生活や資産構築に興味を持っている方は、このような「平均」を自分の行動指針とするわけにはいかないのです。
普通以上に資産を増やし、よその方より早くリタイアする、子供に十分な教育を受けさせ、旅行をし、意義深いチャリティーに寄付する、そういう充実した人生を望んでおいでなはず。
ここで、必要なのは、生活費の劇的なカットなのです。
年収200万の方は、確かに、大きな額を節約をすることは、難しいです。《でも、やっている方はいます》
しかし、高所得の方が、年収300万の方に似た生活をすることは、もっと容易です。老後、どうせ「200万で生活(夫婦二人の年金受給額)」しなければいけないのであれば、若いときから、それを前提にした先取り生活をしていけば、いいのです。
上の年収500万の方が、もっとアグレッシブに、節約を始めたとしましょう。可処分所得の1割ではなく、3割、貯蓄するプランです。
年収 500万
可処分所得 400万
生活費 280万
貯蓄 120万
280万の半分、140万を貯めるには、1年ちょっとでゴール達成。30年間、毎年120年貯蓄すれば、実に、3,600万もの貯蓄ができ、280万の生活費しか、必要でなければ、まったく投資しなくても、13年近く、この貯蓄で、生活が続けられます。
つまり、同じ「年収500万」でも、年金を払い込んでおけば、引退後、年金が支給されるまでの間も、貯蓄の一部で、同じレベルの生活が、保障されます。このシナリオなら、退職金は、丸々、予備資金ですね。
もちろん、その間、元気なら、アルバイト可能です。
若いときから、前倒しに、地味に暮らすことを習慣付けるだけで、老後、結構な”悠々自適”が実現するわけです。
これは、貯蓄額を増やし、生活費を落とすという二つの戦略(まあ、ひとつの戦略の裏表ですが)によって、生じた劇的な成果。
貯蓄が難しいのは、皆さんが、「それが生活水準の低下=質素化」を伴うという認識を十二分に意識できないからかもしれません。
しかし、いったん、見栄を捨てることができれば、実際には、若いときは、生活費は、会社の寮に入ったり、シェアハウスを経由したりすれば、さらに、節約できるかもしれません。
もちろん、子供の教育費がかかる時期は、「手取りの3、4割の貯蓄」は、無理になるかもしれません。
しかし,
「若いころ、家族4人で280万で生活すること」
を目標としてきた方には、
「家族4人では、360万なんて無理。親の助けが必要!」
という認識で来た人(子供を私立に入れたい方は、必ずや、そう考えると思います)と比べると、まったく人生の展望やゆとりが違います。そして、そういう方なら、子供が巣立った老後、280万ではなく、200万の年金で生活を立てるなんて、生活水準を落とす必要すらないわけで、まったく難しくはなく、むしろ、子供が巣立って、夫婦二人になれば、年金だけでの生活の中から、さらに貯蓄ができるかもしれません。
いかがでしょうか。単純化するために、インフレの問題は、まったく計算に入れていません。
そして、「ここから」が、投資の役割の話になるのです。
もし、あなたが、基本リタイア戦略を、貯蓄のみで実現できるとすると、実は、投資でまかなわなければいけないのは、インフレ率分だけになります。
そして、このように、投資に対する期待度をコントロールすることができるようになれば、求める投資は、常識的なもので十分。
《この教材を買えば、数年で元手がウン倍に!》
《逆張りすれば、2年で他人を出し抜ける秘密はコレ!》
《FXのオプションの理論で、ノマドライフ満喫!》
などといった「ありがち」な宣伝文句に踊らされ、高リスクで、長期的にリターンを計測することが困難な似非投資には、耳を貸さなくてよくなるのです。
収入の多寡にかかわらず、可処分所得の3割以上を貯蓄することができれば、仕事がある方は、ほぼ、確実に、老後勝ち組が実現できます。
そこで、それがクリアできるようになったら、その次の段階で、プランニングによって、この部分を、自宅ローン返済や投資不動産の頭金に当てるということも、検討することが可能になってきます。FPさんに家計相談をして本当の意味が出てくるのは、そういう、人より頭ひとつ突き抜けた状況を作ってから。
すべては、まずは、節約からなのです。
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後記
いまどき正社員で退職金が出る方ばかりではありません。上のようなモデルが自分には届かないと思われる方は、下の借金がある方と同じくらいの危機感を持ちましょう。私自身、退職金も年金も、当てにできない状況です。
借金がある方は、まずは、それを返済するまで、飲み会どころか、そもそも、タバコをすったり、缶コーヒーを買うなど、普通の人間がするだろうと思うような”常識的な消費行動”をとってはいけません。借金がなくても、こういうことは、「しなくて済めば、それに越したことのない」行動です。
また、所得自体が低く、悩んでおいでの方は、地味な週末起業したりといったことも検討されるべきだと思います。私自身は、そちらは、アドバイスをするほど、イマドキ事情に詳しくないですが、例えば、まずは、不用品を、ヤフーオークションで売却するだけで、普通のお宅は、万単位の臨時収入が生じるはず。
私自身、インターネット・ビジネス起業経験は複数回あり、この不動産コンサル・ビジネスは、起業コストほぼゼロで2006年に始まり、その後、普段のランニング・コストは、ウエブサイト管理程度で済んでいます。
ちなみに、このサイト管理代については、たいした額ではないので、これまでは、ビジネスだということで、全面的に、自己負担するのが当然と思っていましたが、最近は、硬いサイトでも、広告が一般的になっていると感じるようになってきましたので、アフィリエイトを導入し、これらの収益で、《年間数万円相当のサイト運営コストを捻出する》という目標を立てました。
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