米国に与信がある方は、クレジットレポートを無料で手配できます
米国の与信制度というのは、日本と比べても、ずっと厳密です。
なんとなく、欧米社会というのは、みんなが個人主義を謳歌し、自由にのびのびと生きているのかという気もしますが、実は、米国の仕組みは、日本なんかより、ずっと細かく人をランク付けする綿密な管理体制により支えられています。
それが、クレジット(与信)システム。クレジットスコアでいうと、大体、700くらいからが分水嶺で、それ以上は、790だろうと、830だろうと、扱いは、大して変わらないようです。
ただ、このシステムに乗りたいと思う人と、落ちこぼれている人の二元社会が存在している、というべきでしょうか。
まずは、用語から。
「クレジットヒストリー」
与信関係の情報。電気料金など、UTILITIESをタイムリーに払っているか、クレジットカードでいくら借りて、いくらをいつ返済しているか、自動車ローン、住宅ローン。どこに銀行口座があるか、どこが住所かなどがすべて、計上されます。
「クレジットスコア」
ヒストリーに基づき、点数が付きます。基本、700以上を目指せば、大体の扱いは、トップ扱いになるはずです。まったく事故を起こさない人は、800になるでしょう。650以下からは、微妙ということになっていきます。
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広い国ですから、そもそも、銀行口座すら持っていない人もたくさんいます。
例えば、ウエスタン・ユニオンなんかは、こういう銀行口座がないランクの人が、お金を送りあうのに便利な「貧困ビジネス」です。
銀行口座がなく、小切手が書けないため、遠方にいる家族に、100ドルを送金するのに、ウエスタン・ユニオンの店舗にいって、100ドル札を預け、12ドルの手数料を払い、相手は相手で、別店舗でそれを受け取る、というわけです。
このランクの人は、そもそも、銀行口座がなく、よって、「クレジットカードを使う」とか、普通の行動ができないまたは、それを選択しないので、クレジットスコア自体が、ほとんど履歴なし、あっても最悪、という状態です。
また、報道などでご覧になったように、医療で躓き、本来、しっかりした中産階級の人が、破産を選択するにいたる、といった例にも枚挙のいとまがありません。こういう方は、クレジットスコアが、よくなったり、悪くなったりと、グレーゾーンを上下します。
罠は、いくつもあって、米国では、夫婦は、銀行や不動産を共有名義にすることが一般的なので、離婚する時は、大体、お金の問題がありますから、どちらかが、相手のスコアを落とすような行動に引きずられ、自分に非がないのに、自分のスコアを落とすようなこともあります。
対極に、中流のしっかりした方々もいて、これらの方々は、クレジットスコアを管理するということを、若いときからきちんと行い、子供に対しても丁寧に教えます。SOLIDな層は、離婚率も低いですし、また、スコアを絶対落とさないように、結構、命をかけていたりします。
このランクの方々になると、カード事故などで、第三者が悪いような場合でも、スコアが落ちる可能性があるような話になる場合、額が小額なら、あえて相手の非を争わない、といった人までいます。
与信がいいと、なにが違うかというと、不動産を購入する際のローンの利率が最低になる、自動車のローンも同様、クレジットカードの特典がたくさん付く、など、つみあがると、相当プラスです。与信が悪ければ、入居したい賃貸物件に入ることができないこともありえます。
さらには、就職の際、警察や法律家になりたい、銀行員志望といったような場合は、クレジットヒストリーをチェックするということも行われています。(ただし、ヒストリーに基づくクレジットスコア自体は、開示されない)
さて、こんな「与信制度」は、社会保障番号にリンクされています。(単なる納税者番号しかない場合については、また記事を書きます。)
SOCIAL SECURITY NUNBERをお持ちの方は、留学したり、米国で勤務歴があったりしたのち、依然、米国に家を持っている(ローンがある)などの取引があると、履歴がつみあがります。
現在、米国に居住している方も、2、3年たてば、与信歴が生じます。
この与信履歴をチェックするためには、
というサイトに行き、自分のSSNと住所を入力すれば、年に1度、無料で、オンライン取得できます。(3社あるので、年、合計3回が無料。)
これは、法律による権利です。
裏がありまして、クレジットレポート自体は1年に1度、無料ですが、レポートに基づく具体的なスコアがいくつかは、有料情報。これらの与信格付け会社から購入しないといけないのです。外国人の感覚からすると、「勝手にランキングをしておいて、挙句に、”お前のランキングを有料で購入しろ”といわれている感じ」。
ですが、ローンを組むなどの必要がない限りは、特に無理にスコアを知るために、普段から、毎年、スコアを購入する必要はないでしょう。与信履歴上、グリーンが並んでいる方は、それだけで問題ないわけですし、問題情報が掲載されている場合は、
1)それがうそなら、争う
2)ほんとうなら、レポートから消えるのを待つ
しか方法がないからです。その間、クレジットカードを毎月小額、使用し、全額返済すれば、それにより、プラス情報で、マイナス情報の比重が下がっていきます。
いや、ということで、このランキング・ビジネス、トップ3社の寡占です。さぞかしおいしいのでしょうね、、、苦笑
ちなみに、今は、転出し、日本など、米国以外の国におり、この住所を、米国で、クレジットカードやローンの明細など使用したことがない場合は、「与信関係の情報に関連して使った最後の、または最もよく使った住所」を入力することになります。
最後に、もうひとつご注意です。米国以外、海外からアクセスされる方は、VPN(VIRTUAL PROXY NETWORK)が必要です。米国のIPアドレスを使って、アクセスしてください。
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