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あなたの賃借人は、もう家賃が払えなくなっているかもしれない! 

対米不動産投資家中山道子です。実は私は、3年前から、賃貸目的での投資物件の購入はあまり薦めていません。テナント層の劣化状況が、生じてきている気がしていたのです。

《そんなわけで、現在、私自身は、今、「短期融資による高利回り戦略」に特化しています。ご関心がある方は、こちらをどうぞ。》

これは、日本での不動産賃貸業がある程度成功され、海外進出を試みようとする方が増えている中、「活路を求めている」方には、衝撃情報となってしまうかもしれませんが、、、

2015年になって、ようやく、全米不動産協会からも、こうした状況を危惧する声が出てくるようになりました。

ごく一般的にいって、今、米国の全世帯の収入の中央値(平均ではなく、中央点)は、大体、直近、5万ドル強です。ここ数年、下降傾向にはありますが、他方、日本は、今、円安も手伝って、432万円の中央値は、米国と比べると、比べ物にならない位、見劣りしますから、気をつけないと、「経済大国、すごいなあ」と単純に思ってしまえるところはあります。

参考

U.S. median income flat in 2013 as poverty, uninsured dip slightly -Census

世帯あたりの平均所得は537万円、中央値は更に低い 平均貯蓄額は?

日本で賃貸オーナーを長らく経験された方なら、こんなことは、私がわざわざ言わなくても、ある程度、お分かりになるかと思いますが、例えば、「全世帯の中央値が、日本で、432万」とすれば、賃借をする層というのは、当然、それより、統計上は、世帯収入が下がるわけです。全世帯には、「リッチな持ち家世帯」も入っているのですから。

日本で空室対策の不動産コンサルタント業に従事しているある友人は、

「大家さんがターゲットとしている賃借人世帯というのは、たいがい、所得は、300万切っている。状況は大変悪い。」

といっていました。

実は、アメリカでも、事情はまったく同じです。

米国統計局の統計資料を分析するいくつかの資料によると、日本同様、一般論として、

基本、賃借人層の世帯年収は、一般世帯の半分位

と覚悟することになります。

つまり、持ち家層、賃借人層を合わせ、一般世帯の世帯年収中央値が、5万ドル強だとすると、賃借人層の世帯年収の中央値は、2万5,000ドル前後なのです。

もちろん、比率で見ると、年収が5万ドル以上の賃借人層というのは、総賃借人層世帯のうちの4分の1くらいを占めており、まったくゼロではありません。

米国の総世帯数は、大体、1億2,000万くらい、賃貸世帯は、そのうちの35%くらいとすると、大体、4,200万世帯。

そして、年収5万ドルであるのに賃貸をしている層というのは、全賃貸世帯のうちの24%くらいで、1,008万世帯くらいなんだそうです。

それに対し、4,200万世帯の賃借人層のうちの4割、つまり、1,680万世帯が、なんと、年収2万ドル以下であると考えられているのです。

米国では、全世帯の65%くらいが持ち家世帯なので、日本の6割と比べるとそもそも、賃借人層の比率が、低いですね。

さて、この前も、「一部エリアでは、家賃が急騰し、テナント層が困っている」ということを全米不動産協会が言い出したということを記事にしましたが、2015年3月17日には、さらに、こんなフォロー記事が出ました。


Why Renters May Be in Trouble
賃借人層受難のその理由とは


上の記事の概要をまとめるに、いわく、《直近7年間を総括すると、新築着工件数は、毎年、76万6,000戸位が平均だったが、この数字が直近、早急に倍の150万戸になる必要がある。そうしないと、多くのエリアで、手ごろな新築が買えず、しかも、高騰する家賃も払えないという賃借人層が、今後ますます増えていくだろう。調査対象市場において、賃料の値上がりは、平均15%、それに対し、賃金値上がりは、平均11%に過ぎなかった。この7年間の間に、家が買えた人とそうでない人の間の資産価値は、すでに開きが出始めており、この問題を解決することが、火急の課題となっている。》

2009年以来の家賃値上がり都市トップ5

New York: 50.7%
Seattle: 32.38%
San Jose, Calif.: 25.6%
Denver: 24.14%
St. Louis: 22.26%


ちなみに、、、これらの市場で家を買っていれば、この間に、これだけの家賃上昇に見合う値上がりがあったかというと、シアトルなんか、そう見えますが、セントルイスなんか、そうでもなさそうです。他のエリアは、まあ、みんなが行きたがるエリアだと感じます。

セントルイスは、世界的名声をエンジョイしている気がしませんが、ざっと調べたところでは、地元の政策が功を奏し、医療関係やハイテクの仕事が増えたんだそうです。二つとも、賃金が高いセクターですから、そう考えると、確かに、「高給の仕事が急に増え、新しい層が流入。その結果、賃料が高騰して、予算が変わらない昔からの賃借人層が圧迫される」構図が、浮かび上がってきますね。

この記事でも指摘されているように、特に2009年から11年のこのボトムの時期、米国不動産のリバウンドにより、タイムリーな購入で、エクイティを得られ、しかも、家賃が上がった方もおいでかと思いますが、買いなおしや買い足しを続けていかれる予定の方は、新規参入者様以上に、今後の市場動向にお気をつけください。

全米不動産協会がサジェストするように、「今後、新築着工件数が増え」、その結果、雇用が増えて、地元経済がどんどん潤うような状況が生じれば、米国経済は、すべてがうまく回るようになるのか?

新築150万戸といえば、まさにバブル。そんな可能性もなくはないかもしれませんが、世の中、すべてが自分の都合のよいようにいくばかりでは、ないものです。

これは、日本でも同じでしょうが、ここで気をつけないと、「今後、どんどん懐事情が悪化していく賃借人層を相手に、負け試合の遠隔大家業を営まなければならなくなる可能性」もありうるわけです。


《相変わらず、賃貸管理のお悩み相談が多いですが、すわりが悪い投資をしてしまった後に、てこ入れのために、できることは、限られます。遠隔管理の悩みを解決するため、私自身は、今、ご紹介は、「短期融資による高利回り戦略」に特化しています。手間のかからない高利回り投資にご関心がある方は、こちらをどうぞ。》

 

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