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現金決済の比率が順調に下がっている様子です 

対米不動産投資家の中山道子です。2015年も終わりに近づきつつある中、2009年から2011年の不動産停滞も、過去のものとなりつつあります。業界からのメールマガジンで、今日、気がついたのが、現金決済の比率が、平時に戻ってきつつあるという状況。

2014年7月には、全決済のうちの34.2パーセントが、銀行の融資なしの現金取引だったのに対し、2015年7月のそれは、30.8パーセントとなったそうです。

現金取引がピークだったのは、2011年1月で、当時は、驚愕の46.5パーセントが、融資なしだったというのですから、びっくりですね。

モーゲージ危機以前のキャッシュセールスの比率は、25パーセントだったのですから、これが、二倍近くになった状況だったわけです。

平時の現金決済は、余裕のある買主が行ったり、または、外国人が融資が出にくいなどの理由から行うものでしたが、当時、現金決済の比率が上がったことには、いくつかの理由がありました。

> 銀行の融資が、なかなかでにくい状況になったこと。バブル期には与信が微妙でも、頭金なしの融資が出たりしていたのが、今は、それは、難しいです。

> 抵当権流れ関係の物件は、修理が必要だったりして、物件の問題で、融資がつかない、または、格安での損切り販売を正当化するために、現金決済を、売主(多くは銀行)が要求する、などの状況がありました。

現在、「全取引」の内訳を見ると、

■ 銀行所有物件の現金決済比率は、依然、56パーセント
■ 中古売買が32パーセント
■ 任意売買が28パーセント
■ 新築購入の現金比率は、15パーセント

だそうです。

銀行所有物件は、2011年1月には、全取引の23.9パーセントを占めていましたが、2015年7月現在は、6.1パーセントでした。

2015年7月に、もっとも現金取引比率が高かった州を順番に上げると、


Alabama (47.4 percent),
Florida (44.7 percent),
New York (42.8 percent),
West Virginia (41.1 percent)
New Jersey (39.5 percent).


だそうです。

多くの州では、現金決済の比率は、20パーセント台に落ち着いているので、これらの州の回復がいかに遅れているかがわかるでしょう。

現金決済比率は、物件価格の回復と、このように、密接に連動しています。

単発取引をイメージしていただければわかりますが、買主は、通常は、銀行融資が降りることを条件として買い付けを入れるわけですので、そこで、「融資が出なくても私は、問題ありません」という買い手がいたら、売主は、よほどの強気市場でない限りは、少し色をつけて、そのキャッシュバイヤーに売ることを優先するわけです。

調査をしたCORELOGIC社は、来年には、この比率は、25パーセントの「平時」「モーゲージ危機前」の状況にまで回復をすることを予想しています。

Cash Sales Share Falls to Lowest Level in Nine Years


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