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年末年始は、年間収支を子供と振り返ろう/子供に家計簿をつけさせる

対米不動産投資家の中山道子です。

2015年も、余すところ、数日となりました。今年もブログのお引き立て、ありがとうございます。

皆様は、年末年始は、どのようなお考えを持って過ごされますか? 大掃除、御節のご準備、たな卸し、仕事納め、年賀状と、息をつく間もないかたもおいでかもしれません。

ここは、年末モードということで、引き続き、「最近結構評判がいいお金の話」シリーズの流れで、「家計簿」と「年間収支」の大切さについて。

といっても、これは、自分自身が、というだけではなく、どちらも、「子供に家計を理解させることの大切さ」に関連して、のご提唱です。

皆さんのお宅では、お子さんに、家計の説明を、されているでしょうか?


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しばらく前、いつも注目しているあるFPさんのオンライン記事で、以下のものを拝見し、「なるほど」と思ったことがあります。

記事1
お金を貯める体質改善ノート/お金を貯める体質改善ノート「とっておきの家計管理!家族会議でお金が残る家計に」

記事2
「お金の貯まる子供」の育て方

米国の育児書を読んでいて、同じ話が出てきたこともあります。二つ、メリットがあって、

1)家族ぐるみで、目標を作り、節約体質になる
2)子供のファイナンシャル教育とする

上の記事1は、1)にポイントがあり、記事2の説明方法は、2)に焦点を当てている感じです。

我が家でも、折につけ、お金の話はいろいろするようにしてきましたが、うちの子は、数字に弱いタイプで、小学校高学年になっても、なかなか、お金への関心が、リアルになりません。

だからといって、普通の家庭で、毎月、土曜日に家族で集合して、親の所得も含めて、何時間も、お金の話って、やっぱり、ハードル、高いですよね。(汗)

しかし、私も、最近になって、億劫な気持ちを抑え、自己流で、「食費だけ、家計簿をつけさせる」ことを、学ばせることにしました。

最初は、学校で教わっているということで、パソコンの勉強がてら、エクセル入力させてみましたが、集中力が足りないため、入力ミスがあっても、ほとんど、注意を払いません。挙句に、元の入力内容が、なんだったかがわからなくなったりします。学校でエクセルを教わったのは、3年生のときだったのに、、、

最近の学生は、PCすら持っていないそうですが、新卒の職場教育がいかに大変かを、親としても、前倒しで経験するいい機会ですw

そこで、いったん撤退し、まずは、手書きで、食費ノートを作らせることにしました。

具体的には、こんな感じです。

2週間、入力をさせ、その結果を集計。

次に、「1ヶ月で、食費は、どれくらいになる予想か」を計算させる。

最後に、「1年間にわたり、食費は、どれくらいになるか」を見積もりさせる。

あわせて、同様に、

「1年間の家賃」
「1年間の学費」
「1年間の食費」

をセットにして、生活費の主要項目の合計を出させ、1年間の生活にかかる費用のうち、子供にイメージがつきやすい額がいくらになるかを、掌握させてみる。

我が家の場合、上の三点セットは、2015年、

家賃 2万1,000元
学費 3万1,000元
食費 1万元(中国居住の10か月分)

といった感じでしょうか。(合計で、6万2,000元=115万円相当)それ以外を足していくと、大体、中国で使うお金というのは、大体、10万元弱くらいのイメージなのです。

このやりかたが、よいかどうかはわからないのですが、毎日、支出をつけさせるようになり、子供の態度が、急に、変わりました。

具体的に言うと、外でのものの値段に、目が向くようになりました。

うちの子の場合、前から、「あれ買って」などといっても、「だめ」といえば、すぐに引き下がる聞き分けのよさはあり、「うちの親は、けちだからな」という、人間を読む技術には、長けていましたが(笑)、他方では、いくら、一人でお使いに行かせても、「このお品、いくらだった?」と聞くと、ひとつの品しか購入していなくても、「手元のおつりを見て、”最初にいくらもらったか”から逆算する」レベルの注意力のなさが特徴でした。

贅沢好きというわけではないのですが、つまりは、物の値段には、ほとんど、関心を払っていない、まったく、興味がないわけですね。

お使いにいかせても、ここ何年もにわたり、こういった調子だったのが、食費のアイテムごとの記録をさせるようになって、いきなり、これが、数週間で、変わりました。

クリスマスの日には、外出先で、友人一家とお食事をご一緒し、その後、「アイスを買って」ということになったので、10元(190円)のソフトに目に付け、外出先の支出としては、手ごろだろうと、そこに誘導し、まさに、注文を始めさせたところ、子供は、突然、注文を終える前に、値札に注意を払い、ソフトが、10元であることを知るやいなや、

「あ、やっぱりいいです!」

とまさかの撤退となったのです!(爆笑)

実は、我が家で食べる場合は、普段は、1元、2元のアイスキャンデーが定番。ミルクが入っているタイプでも、3、4元で、結構おいしいものが、食べられたりします。(笑)

これに対し、繁華街に行くと、高級スーパーでは、33元(650円!)のハーゲンダッツのミニカップに始まり、「地元」とはまったく違うバブルな世界が繰り広げられています。

そんな中、10元のソフトは、外で食べられるものとしては、格安ではあるのですが、確かに、普段のアイスより高いことは間違いありません。(ちなみに、中国なら、中に卵や野菜を入れた簡単な巻きクレープのようなお食事なら、今でも、5元で食べられたりするので、まあ、10元が格安とはいっても、やはり、洋式の食べ物は、高いですw)

これまでだったら、親がいいといえば、値段は確認せず、喜んで買ってもらっていたのが、食費をつけさせるようになり、初めて、外で、

> 欲しいものの値札を、購入前に、自分で、確認し、
>「普段の我が家の購入履歴」を判断基準にして、
> 自主的に、購入決断を下す(この場合は、不購入)

という主体性が、見られたわけです。(大げさですね。笑)


こういうことに注意が向くお子さんなら、幼稚園の段階で、このレベルの判断は、朝飯前でしょう。(ここで、10元のソフトを買うべきか買わないべきかは別として)いや、むしろ、小さいときから、もう一歩進んで、「普段使いのものよりは高いが、たまの休日に買ってもらうものの値段としては、特に問題ないからいいだろう」といった、より進んだ判断力を行使できるお子さんも、おいでなのではないかと想像します。

しかし、我が家の場合は、小学校高学年になって、食費記録をさせるようになって、ようやく、このように、数字、お金、消費経済といったことに、目が向くようになったようなのです。

人間、向き不向き、興味の方向性や時期というものはあるのでしょうから、ほかの長所もあるわが子が、一概に、だめな子であると落胆する必要はないのでしょう。私自身も、たぶん、子供のときは、このタイプだったのではないかと思います。(汗)

そんな自分が反面教師ですから、子供には、早い段階で、基礎的なことを踏まえてから社会に出て行って欲しいという気持ちがあるわけです。特に、どんなにいい学校に行かせても、そんなことは学校では教えてくれないわけですし、小学生にファイナンスを教えてくれるお稽古ごとというのも、聞きませんしw

そんなわけで、これまで、ひとかたならず、やきもきしてきましたが、こんなに簡単に、意識改革ができるなら、もっと早くから、食費の記録係りをさせればよかったと思った次第です。特に、「自分のお小遣いからは出さないが、親が出してくれるときは、贅沢をしたがる」タイプの子供になってしまうと、かわいくないので(若者になったときも、周囲の人に嫌われるパターン)、そこは、「誰の財布からなのか」という考えかたではなく、「アイスは、これこれの値段で十分」という、相場観、効率性・合理的支出の精神が宿ったことも、うれしいポイントです。

この日は、そんなわけで、外出先で、相場観にあったアイスを見つけるのには失敗したため、帰宅、その後、近所で、いつものお気に入りを食べて終わりました。

今、ようやく、身近なものの値段を意識し始めたところ。

これから、どんなときに、どんなお金が使われていくのかという家計関係の支出について、「我が家の相場観」が、食品以外にも、学費、家賃、医療費、雑支出と、いろいろな項目にわたり、できてくれば、しめたものですね。日本や北米滞在中にわたっても、継続させていけば、アイスひとつとっても、価格は違い、先進国では、20円、40円のアイスなんて無理なわけで、異なる貨幣価値や各国経済のありかたについての勉強にもなっていけばいいと思います。

もちろん、「世の中、すべからく、息を潜めながら、ケチケチして、生きていかなければいけない」というものでもなく、例えば、私の親しい仕事仲間の一人は、12歳くらいから、品質のよい洋服など、身の回りの気に入ったものを買うことに命をかけ、ありとあらゆるアルバイトに励んでいたそうです。

今、彼は、ラルフ・ローレンしか身に着けず(大都市ではなく、ミシガンの田舎なんで、相当珍しいです)、しかも、それを上回る稼ぎっぷり。

30台にして、仕事歴は、20年を超え、資産価値も、100万ドル超という、堂々の若き”億万長者”です。

私自身は、2年毎の国際転勤族の子供ですから、アルバイトをするなんて、親子ともに、思いもつきませんでしたが、彼のような人を見ていると、プレティーンの子供には、欲しいものがあったら、「高いから我慢しよう」だけではなく、同時に、そろそろ、「どうやったら、それを手に入れることができるだろうか?=どうやったら稼げるか」を考え、体を動かしていく子供になって欲しいと思いはじめました。

私同様、皆さんも、親の所得や資産詳細すべてを、子供の小さいときから教えるのには、抵抗がある場合のほうが多いでしょう。

しかし、こうして、日々の生活を成り立たせているお金の支出については、これを掌握させる、そういう年齢相応のリテラシー教育は、FPの横山先生がおっしゃるとおり、大変有益であるのではないかと感じている今年の年末です。

この記事もが、子育て世代のご参考になりますことを祈念し、2016年の皆様のご多幸をお祈りしつつ、筆をおきます。

2015年12月26日 中山道子

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