決済が遅れる、遅れる! 現場は悲鳴、私も、同じです(涙)
対米不動産投資家の中山道子です。2016年最初のこの1月は、最終週の予定を含め、総額60万ドル近くの決済に携わっています。中西部なんで、額、小さいでしょうか。NYCで何件も決済できたら、すごいことになりそうですが。
米国不動産は、エリアによりますが、やりかたによっては、活況を呈してきていますので、私たちも、おかげさまで、忙しくしていますが、ここにきて、大変困ったことが生じてきました。
それが、去年の法改正に伴う決済の遅れ。
2015年の12月の報道を参照してみましょう。規制強化の影響大で、2015年11月は、決済件数が、昨年同月比(2014年11月に比べてという意味)で、10パーセントという激減を見せたというのです!
Existing-home sales sink 10.5% on new regulations, tight supply
不動産市場の活況化傾向にあたってのこの横槍の急ブレーキ、関係者は、はらはらです。
NAR(全米不動産協会)はこの事態を受けて、「契約締結件数は、下がっていない。掲載してから、売却されるまでのリードタイムも、低かった。しかし、決済件数だけが、激減した。そのため、新しい規制の結果、決済が遅れた結果、11月の決済件数が減った可能性が高いと判断する」と発表しました。
Existing-Home Sales Suffer Setback in November, Fall to Slowest Pace Since April 2014
不動産決済で、一番時間がかかるのが、融資判断。
融資を利用する決済の場合、伝統的に、「30日で」融資が出ると想定するのが一般的で、契約は、「融資を取る、決済は、契約締結日から30日以内の最も早い期日に」という文言になっていることが多く、早くできる場合は、早めますし、遅くなる場合は、業者さんを通して申し入れ、毎回、売主のサインによる延長了承書を取り寄せることが必要になります。
この状況において、これまでと比べ、決済にかかる時間は、11月の段階で、平均の36日から41日になってたのだそうです。
当然、現金決済の場合、この延滞は、あまり関係がありません。そのため、そっちの市場では、「契約締結後、2週間で決済しよう」と契約し、状況によって、それに対する延長願いを出すことになります。(そっちはそっちで、別の事情で決済が遅れることは結構ありますが。)
しかし、銀行が絡むと、その延滞は、双方を相当いらいらさせるものとなってきているようです。具体的には、”Know Before You Owe rule”と呼ばれる消費者保護の新規制の結果、開示書類が増えたためだそうで、現場は、これらの書類を作成するので、てんてこ舞いなのでしょうか。
私たちも、現金決済案件については、このような事情は、無関係なのですが、銀行融資が絡む場合には、「契約が締結できたから、30日で決済する目標だ」といわれても、半ば、あきらめ半分に、倍の60日を覚悟している次第です。
融資の段取りに手間がかかると今悩んでおいでのかたも、多いかもしれません。ローンオフィサーの段取り力の問題であることもあるのですが、なかなか、こちらには、見えない部分。困るケースが増えていることをご承知おきされることにも、意味があるかもしれません。
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